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第一章「町にひとつの診療所にて」1


 私のこれまでの人生の中で、ここまで真剣に取り組んだことがあっただろうか。

 愛しい相手への想いこそ、この胸にはいつもあったことだが、いざそれを形にして彼に渡すということを、私は……

 いつまでも、逃げていた。

 そして……彼は、違う女の婚約者となった。

 私の元になんて、来るはずもなかった。だって私は、何もしてなかったのだから。

『編み物はね、失敗してもすぐに直せるから、だから私、好きやねん』

 その自分の言葉に、自分の心の一番醜い部分が漏れ出ていたことにはっとする。

 失敗を極度に恐れる余り、彼との先に進むための関係を築くことなく、逃がしてしまうなんて。

 もう、絶対にそんなことは繰り返さない。愛しい彼に、このセーターを、そして彼への想いを届けるのだ。

 だから、もう――そんな辛そうに笑わないで。


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