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僕は異世界で美幼女姫様と刑事をする。〜異世界における科学捜査の手法について〜  作者: GOM
最終章 捜査その10:僕は美少女姫様と異世界で刑事をする!

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第52話 最終決戦! その6: 美少女姫様の騎士は、絶対負けない!!

「どうしました!? 避けるばかりですか!」


 僕は、もう脚部が満足に動いていない機動兵器M2改1号機を無理やり操縦して、異星人が作りあげたバトルスーツに身を包む老兵士バトラーの攻撃を避ける。


 避けるたびに、機動スラスター用ガスがドンドン減ってくる。


「タケ、避けるばかりでは、いつか機体が壊れるのじゃ! もう構わぬのじゃ。 此方(こなた)が一緒に罪を背負うのじゃ。バトラーを撃つのじゃ!」


「そうは言っても、案外狙えないもので……」


 元祖ニュー○イプ少年は、「人間じゃない」から撃てると言ってザクを撃墜していたけど、顔がバイザー越しながら見えるバトルスーツを撃つのは、僕には抵抗が大きい。


 サイボーグ兵士は撃てたが、あの時はリーヤの命が掛かっていたから出来たようなもの。


 それに、バトラーを撃って殺してしまえば、デビットが取り返しが付かなくなるような予感が僕にはある。


「タケ殿。まもなく母上(魔神女王)が皆を連れてくるのじゃ! それまで凌ぐのじゃ。無理はせぬで良いのじゃぁ!」

「タケシお兄さん、ふぁいとー!」


「タケちゃん。貴方が思うようにしなさい」

「タケお兄さん、がんばるのぉ!」


 チエやマム達が応援してくれるのをイルミネーターのインカムから聞きながら、僕はバトラーの攻撃を(さば)く。


「バトラー、どうしました? 貴方が苦戦する程の相手ですか? タケシ君、大人しくバトラーに討たれるのです!」


「チエや。わらわ達を追い詰めたつもりでしょうが、ここでオマエ達を倒せば、わらわ達の勝ちなのじゃ! もう仲間も居るまい!」


 デビットや魔神女帝は、離れた場所からバトラーに声援を送っている。


 ……なんか、僕を倒したら勝ちみたいに思っているけど、辺境伯やチエさん、マユコさんにマムがいるんだから、関係ないと思うけどなぁ。多分、機体が遠隔操作って知らないんだろうけど……


 〝撃墜=死んだとでも思っておるのじゃ! 後は、おそらく戦いの流れを言っているのであろうや。それになんのかんの言いながら、タケ殿は『主人公』なのじゃ! それ、頑張るのじゃ!〟

 

 毎度意味不明の言葉を言いながらも、念話(テレパス)で僕を声援してくれるチエ。


「タケぇ。あんな愚か者共に負けたらダメなのじゃぁ!!」


 そして、すぐ近くから可愛い声で声援をしてくれる愛する姫、リーヤ。

 皆が居てくれるのだから、僕は無敵だ!


「リーヤさん、今から勝負に出ます。負けたら、ごめんね」

「誰が文句を言っても、此方はタケの味方なのじゃ。いってまえー!」


 スラスターのガス欠警報がなるコクピットの中、僕は機体の動きを止め、バトラーを誘った。


「ほう、やっとやっと観念したのですか? いえ、機体が限界ですか。そんな状態で、良く今まで私の攻撃を捌いたものです」


「く、来るなぁ!」


 僕は外部スピーカーをオンにし、我ながらヘタな演技をしながら、バトラーの足元へ25mmアサルトを撃つ。


「リリーヤ様から聞いていましたが、貴方が人を撃つのを躊躇(ちゅうちょ)していらっしゃるのは本当だったのですね。それだけの射撃の腕がありながら、実に惜しい。戦いとは殺し合い。それが出来ない貴方は死ぬ事になるのです」


 ……バトラー。貴方が言う通り、僕は人を撃つのが怖いよ。でもね、撃てないのと相手を倒せないのとは違うから!


 僕は後ずさりをしながら、散発的にアサルトを撃ってバトラーを誘う。


 ……ここで良いかな。


「く、く、来るなぁ!」


 僕のヘタな演技に、リーヤは必死に笑うのを我慢している。


 ……ゴメンネ、下手な演技で。


 〝元々、気弱に見えるタケ殿は、素で叫べば怖がっているように聞こえるのじゃ! 真実が違うのは、ワシらは知っておるのじゃがな〟


 容赦なく、僕の演技に突っ込むチエ。


「さて、お遊びもここまで。お命お覚悟を!」


 バトラーは赤熱化した高周波ソードをランス(馬上槍)の様に構えて突撃してきた。


「い、いけぇ!」


 僕は、機体の両鎖骨部に設置されているロケットアンカーをまっすぐ射出した。


「ふっ! そのようなものには当りません!」


 バトラーは二本のアンカーワイヤーの間を突き進んできた。


 ……狙い通り! これで直線的な攻撃しか無くなったね。


 僕は右手のアサルトを手放し、両腕を広げつつ左脚を前にした、やや半身状態に機体を操作した。

 そんな僕の動きを見て、一瞬不審な顔をしたバトラーだが、そのままの勢いで剣を前に体当たりをしてきた。


 ……勝負だ、バトラー!


 僕は異能「魔弾の射手」を使う。

 白黒になった視界の中、バトラーが僕が操るM2改1号機にゆっくり迫る!


 僕は機体の右脚を一歩、前へ大きく踏み込ませた。

 破損が烈しい右脚から大きく(きし)む音が聞こえた。


 右半身になることで、バトラーの剣は狙っていただろう機体腹部中心からずれ、機体の左腹を火花を上げながら烈しく擦る。


 ……ここ!


 僕は機体の左腕の脇でバトラーの剣を挟みこみ、左腕でバトラーの右腕を、そして右腕でバトラーの腰を持つ。


 そして、更にもう一歩踏み込んだ右脚で大きくバトラーの両足を払い、腰を回しながらながら右手を持ち上げ、バトラーを空中へ放り投げて、そのまま背中から地面へ叩き付けた!


 バトラーは一度地面で大きくバウンドし、僕から5mは離れた場所へと飛んでいった。


 〝大腰かや! 吊り腰? それとも相撲の掬い投げかや!〟


 チエが技解説をするけど、僕は必死に機体操作をするだけ。


 ……昔、父さんに技の名前は聞いたような気がするけど?


 警官だった父は僕に、もしもの際の戦う方法をいくつか教えてくれていた。


 その中でも、投げ技は禁じ手に近いものだった。

 まず密着体勢にならないと投げられないから、刃物を持つような相手には危険。


 そして硬い地面に受身を出来ない状態で頭から落とせば、相手が簡単に死ぬからだ。


「手加減が難しいが確実に相手を倒せる技だから、一応は覚えておきなさい。そしてこちらが死なないように受身は絶対に覚えるんだよ」


 僕は、父の言葉を思い出す。


 ……受身は完全にはできていないけど、装甲もあるし頭からは落ちないようにしたから、バトラーは死なないと思うけど?


 バトラーは、地面をへこまして大の字で転がる。

 時々、ピクピクと歪んだバトルスーツが動いているから、即死はしていない様だ。


「ふぅぅ!」


 僕は大きく息を吐いて、「魔弾の射手」を解除した。


「タケ、凄いのじゃ! あのバトラーをブン投げたのじゃ!」


 リーヤは自分の操縦席から振り返り、最高の笑顔を僕に向けてくれた。


「はい、ありがとうございます!」


「タケ殿、最後は投げ技で仕留めたのじゃな! 撃てないなら撃てないなりに戦うのが凄いのじゃ!」


 機体を、自分の身体のように使えるタケ君ならではの大技ですね。

 バトラーのバトルスーツがM2号よりも小さいから投げやすかったのもあるんでしょうし。


「そういえば、ワシ。チャロン対戦の際にドルドレイを使ったタケ殿に投げられて負けたのじゃ!」


 唯一、投げ技を持つ機体ですね。


「星矢でもワシは、最大技は彗星拳ではなくてローリングクラッシュだと思っておるのじゃ!」


 あれも大概な技ですね。

 では、明日の更新をお楽しみに!

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