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僕は異世界で美幼女姫様と刑事をする。〜異世界における科学捜査の手法について〜  作者: GOM
最終章 捜査その10:僕は美少女姫様と異世界で刑事をする!

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第51話 最終決戦! その5: 要塞戦、決着。そして戦いは異世界へ

「こちら地球CP(コマンドポスト)。誰か聞こえますか!」


 地球の岡本家にある指揮システムの前に座るマサト、コトミは突然M2小隊と通信が途絶した事に驚く。


「貴方、皆に何かあったのかしら。マユコさんやアンズちゃんまでが……」


 コトミは恐怖に震える。

 そんな母親の様子を見て、ルナと遊んでいたチナツはルナに抱きつく。


 また、母親(ナナ)の異変に気が付いたアキトも泣き出した。

 留守居をするショウゾウ、ウタコ夫妻もひ孫(アキト)を抱いて、不安な顔であやしだした。


 猫耳少年のラウロも、(フォル)を心配している。


「皆、落ち着いて。たとえ機体が撃墜されても、コクピットは別の空間にあるから、絶対大丈夫。なにか爆発があって通信が途絶したけど、それだけだよ」


 マサトは、自分も含めて皆を落ち着かせようと話す。

 先ほど、4、6、8号機が自爆したまでは確認しているし、もちろん少年皇帝を含めて全員の安全は確認し、先ほどまで通信をしていた。


「要塞の主反応炉を破壊できたのまでは、確認出来ているんだけど……」


 コトミは泣きそうな顔でデータを確認している。


「タケシ君がサソリ型機動兵器を半分相打ちに近い形で撃破した後、エレンウェさんとチエちゃんが主反応炉を破壊したのよね」


「そうだよね、コトミさん。次の瞬間、通信が途絶しちゃったんだ。次元石を使った超空間通信が切れるなんて、まるで空間が突然切れたような……! まさか、要塞が最後に跳躍したのかも!」


 超光速航法は大抵の場合、異空間を経由して行われる。

 魔神族の転移(テレポート)も似たようなもので、空間操作をして跳ぶ。


「だったら、何処に跳んだのかな……?」


 マサトが頭を捻っている時、通信がシステムに入る。


「こちら、1号機。CP、マサト先輩。聞こえますか?」


「タケシ君!」


 次の瞬間、コクピットブロックへの通信が全て戻った。


「ふぅ。余はびっくりしたぞ。突然真っ暗になるのだからな!」


「陛下、ご無事で何よりです!」


  ◆ ◇ ◆ ◇


「さっきの通信途絶は一体何だったんだろうね」

「タケに分からない事が、此方(こなた)に分かるはずないのじゃ!」


 僕はシステムが再起動したコクピットのなか、僕へ振り返るリーヤの顔を見ながら話す。


「そ、そうですか? でもリーヤさんと話すだけで僕、考えが纏まるんですけど」


「もうタケは困ったピンク脳なのじゃ! 此方の事を常時考えておるのじゃな!」


 リーヤはシートベルトを外し、後方階段状になって上にある僕の座席まで這って来る。


「ちょ、まだ戦闘中ですってば、リーヤさん!」


「もうこの機体は殆ど動かぬのじゃ。なれば此方やタケの仕事は終わりなのじゃ。イチャコラくらいしてもかまわぬのじゃ!」


 リーヤは僕に抱きつき、その桜色の唇を近づける。


 ……もぅ、しょうがないなぁ。


 僕も唇をリーヤに近づけた瞬間、大きな警報が鳴り、チエの顔がイルミネータ一杯に映る。


「このイチャコラ発情カップルのバカぁ! まだ戦闘中、というか状況が変わったのじゃ!」


「え!」


 僕はイルミネーターに表示されたデータにビックリした。


「一大事なのじゃ! 此方、座席に戻るのじゃ!」


 と言いつつ、ちゅっと僕の唇を奪ったリーヤは、ひょいと自分の座席に戻った。


  ◆ ◇ ◆ ◇


「こちら、CP。各員に連絡。尖鋭要塞アバドーンは惑星ゼムーリャ、異世界帝国帝都近くにあるケラブセオン工場跡に転移しています!」


「それで通信途絶したのじゃな! 納得なのじゃ!」


 僕がサソリ型機動兵器を破壊した後、マムの乗る5号機とチエの7号機は、主反応炉に攻撃を敢行、破壊に成功した。

 その爆発は要塞上部へと抜け、装甲や天井を破壊した。

 なので、反応炉近くにいる僕達の機体カメラから上に青い空が見えている。


「こちら、帝都のルカです。城からも要塞が不時着したのが見えます。あ! 戦闘機が沢山放出されました!」


 ルカからの電話映像には、無人戦闘機や無人機動兵器が要塞残骸から放出されているのが見える。


「これは不味いのじゃ。マム殿行くのじゃ! 母様(かあさま)、コウタ殿、そしてタケ殿はどうなのじゃ?」


「わたしの機体はダメね。機体との通信も切れたままなの」


「俺も以下同文。後は任すよ」


 マユコの2号機、コウタの3号機共に全損をした様だ。

 機体カメラにもサソリの残骸と共に破損した両機体が見える。


「えっとぉ。僕の方は、歩行は無理ですね。スラスターは半分は動いてますので、ホバーは可能。両腕マニュピレーターは稼動、特殊装備75mm砲は吹き飛んでます。とりあえず砲台代わりにはいけそうですね」


「なれば、2人は連れて行くのじゃ。マム殿含めてワシの機体に捕まるのじゃ!」


 僕とマムの機体はチエの機体7号機に掴まる。


「行くのじゃ!」


 僕達は要塞の外へと跳躍した。


・・


「少し多勢に無勢ですね!」


 僕は、もはや満足に動かない機体を無理やり動かして、無人航空機や無人機動兵器の攻撃を避けながら撃墜してゆく。


「大変ねぇ」


 純白の5号機、マムは華麗なステップで地上の機動兵器の中に踏み込んでは、確実に撃墜数を稼いでいる。


「いっくよぉ!」


 リタの掛け声で7号機は、ピンク色の魔力弾を空中にばら撒き、無人航空機を軒並み撃墜してゆく。


 そしてある程度敵を減らした頃、3つの人影が要塞から飛び出す。

 1人は5m程にもなる巨大な半人半蛇の魔神、女帝(エンプレス)

 残る2人は、銀色に輝く鎧、いや2mクラスのパワードスーツを装着して飛び出してきた。


「タケシ殿! いざ、勝負!」


 少し年嵩の男性の声、バトラーの声が僕に迫る。

 僕は、機体のスラスターを大きく吹かして後方に下がり、バトラーが振り回した剣を避けた。


「バトラーさん、もう貴方達の負けです。これ以上の戦いは無意味です! 投降を!」


「いえ。貴方が居れば、この先必ずデビット様に害を成します。貴方こそがデビット様の世界平和計画の最大の障害! ここで排除します!」


 バトラーはハンドガンを撃ちながら、僕に挑んできた。


「デビットにバトラー、実に往生際が悪いのじゃ! ワシ、バトラーを倒そうか?」


 いえ、ここがタケ君の戦場です。

 最後まで見届けてあげてくださいな。

 それに、例え撃墜されてもタケ君は死なないですし。


「それはそうなのじゃが、甘いタケ殿がバトラーを倒せるのかや? 殺さずに無力化は難しいのじゃ!」


 そこはタケ君に任せましょうね。


「しょうがないのじゃ。では、明日の更新を楽しみにするのじゃ! ブックマークも随時募集中なのじゃ!」

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