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僕は異世界で美幼女姫様と刑事をする。〜異世界における科学捜査の手法について〜  作者: GOM
最終章 捜査その10:僕は美少女姫様と異世界で刑事をする!

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第38話 深夜の語り合い、そして迫り来る恐怖!

此方(こなた)、タケと一緒に寝たいのじゃぁ!」


「ですから、毎晩一緒に寝ているでしょ?」


「じゃから、タケ『だけ』と一緒に寝たいのじゃぁ!」


 リーヤは今晩も文句を言う。

 リーヤ奪還以降、彼女は僕と一緒に寝る事を要求している。

 しかし、それはリーヤがR18展開を期待しての事だ。


 ……だいぶ成長したんだから、リーヤさんには少しは(つつし)みというものを覚えて欲しいんだけどねぇ。


 一年前までであれば、いいとこ小学生4年生くらいの体格だったリーヤ。

 なので添い寝しても、子供と一緒に寝ている感覚だった。


 ……それでも下半身を押し付けて来るのには、困ったけどね。


 しかし、今や中学1年生くらいの外見まで成長し、体型もメリハリが出てきてしまった以上、僕もリーヤを女性として意識してしまう事もある。

 そんな女の子と一緒に寝るという事は、男として我慢しなくてはならない事態も多い。

 更に当人が、僕を「襲おう」としているのでは、全くたまったものではない。


 ……いくらSAN(正気)値が高くても、蛇の生殺しは勘弁して欲しいですよぉ。


「だから、それはダメなのじゃ! ワシは、ザハール殿からリーヤ殿の貞操を守れと言われているのじゃ!」


「おねーちゃん。貞操って何?」


「此方、お母様からは許可貰っておるのじゃ!」


 岡本家の大広間が、最近の僕の寝室だ。

 アパートの自分の部屋で寝ようとしていたら、リーヤが忍び込んで僕を襲う事があり、僕は多方面に苦情を言った。


 そしてマユコやチエは、リーヤにアパートの僕の部屋への一人での入室を禁じた。

 しかし、絶対に僕と一緒に居ることを望んだリーヤのたっての願いにより、妥協案として僕が岡本家で寝る事になった。


 よって僕達を監視するという名目でチエ、そして仲良くなったお姉ちゃんと一緒に居たいアンズ、僕達と一緒に岡本家の大広間で寝ている訳だ。


「まったくエカテリーナ様には、一言ザハール様から言って欲しいですよ」


「そこはしょうがないのじゃ。ワシが聞いた話では、ザハール殿はエカテリーナ殿に『罠』を掛けられてしもうたらしいのじゃ。恐るべしはオンナの行動力じゃな」


「みんな、もう寝ないの? わたしぃ、眠いよぉ」


「アンズ殿、分かったのじゃ。では、電気を消すのじゃ。皆、タケ、おやすみなのじゃぁ!」


 壁の端から僕、そしてチエ、リーヤ、アンズと川の字+1で眠りに付く。


「はい、皆さんおやすみなさい」


  ◆ ◇ ◆ ◇


 小さな常夜灯の明かりの中、僕はこれからを考える。


 今、僕とリーヤはアヤメの下、超常犯罪対策室で働いている。

 政情不安定な帝国、比較的安全なポータムでもスルコフ公爵派の残党が日夜暴れており、ザハールはポータムや自分の元よりも安全な日本でリーヤを保護していて欲しいと、僕やコウタに頼んだ。


 そして、今僕達は毎日岡本家から警察庁へ2人通っている。

 アヤメは、優秀な魔法使いが加入したと大喜び。

 先日も亡霊騒ぎの事件があり、リーヤの魔法一発で未練がましく暴れていた自縛霊は、自縛していた建物ごと綺麗さっぱり消し飛んだ。


 ……僕とリーヤさんは、このまま2人日本で暮らすのかな? それとも異世界に帰って、また異界技術捜査室で一緒に仕事するのかな? まさか、ザハール様の元でリーヤさんの夫をするとか……。


 周囲から漂う、どこか甘い女の子達の香りがあるからか、思考がピンクになりそうになるも、僕は頭を振って考えを纏める。


「でもまだ、デビットが残っているよね」


 僕は、つい考えを言葉にした。


「タケ、まだデビットの事を考えて居るのかや?」


「リーヤさん、まだ寝ていらっしゃらないのですか?」


 そんな僕の呟きにリーヤが答える。

 周囲からは、アンズやチエの寝息が聞こえる。


 ……魔神ちゃんは、寝ているフリしてくれているのかな?


「タケの事をいっぱい考えておったら眠れなかったのじゃ」


 リーヤはそう言って、僕の布団まで移動してきた。


「ちょ、リーヤさん。添い寝はダメって!」


「タケ、声が大きいのじゃ。皆が寝て居るのに迷惑なのじゃ」


 イタズラっぽい笑顔で僕に抱きつくリーヤ。


「大丈夫なのじゃ。アンズ殿の横でエッチはせぬのじゃ。ただ、タケの温かさを感じたいだけなのじゃ」


「しょうがないですね。じゃあ、ここまでですからね」


 そう言いつつも、僕もリーヤを抱き返した。


「タケ、やっぱり温かいのじゃ!」


「リーヤさんもです」


 僕達は、夏近い夜にお互いの体温を感じあった。


「タケは、デビットをどうしたいのじゃ?」


 リーヤは、桜色の唇で僕に聞く。


「彼は犯罪者でもあり、英雄候補でもあります。このまま彼が落ちてゆくのを放置したくないんです。同じ親を事件で失った者として」


「そうなのかや。確かにアヤツは不幸な生い立ちなのじゃ。じゃが、己の正義を振りまわして世界を混乱させるのは間違って居ったのじゃ。今度、此方達の前に現れたら、ぎゃふんと言わせて反省させるのじゃ!」


「はい!」


 リーヤは、僕の望む答えをくれた。

 それが嬉しくて、僕はリーヤを更に抱きしめた。


「もうタケ。苦しいのじゃ。それに夜中におしゃべりは迷惑じゃ。其方(そなた)のおしゃべりな口は、此方が塞ぐのじゃ!」


 そう言って、リーヤは桜色の可憐な唇を僕のへと重ねた。


  ◆ ◇ ◆ ◇


 その夜。

 帝都近くに建設されていたケラブセオンの自動兵器製造工場が一夜にして消失する事件があった。

 また、地球でも同時刻にケラブセオンの武器倉庫やバイオプラントが消える事件が起きた。

 更に、横浜港に係留されていたリコリス号のラウンジが、切り取られた様に無くなった。


「これで要塞内に自動兵器工場を取り込む事に成功しました。後は、資源を小惑星辺りから集めて無敵の兵団を作るのです!」


 尖鋭要塞内で優雅に高級ブランデーを嗜むデビット。


「はっ。今度こそデビット様の願い、世界平和を成就させます」


 ミニカウンターの向こうでグラスを磨くバトラー。


「さて、わらわに面白いものをみせてたもれ」


 魔神女帝(デーモンエンプレス)は、妖艶に微笑んだ。

「まったく、リーヤ殿は油断ならぬのじゃ。まあ、キスくらいなら許すのじゃ!」


 といいつつ暗視HDカメラで撮影しているんでしょ、チエちゃん。


「そんなの当たり前なのじゃ! 今の甘いイチャコラは見ていて楽しいのじゃし、将来2人の子供に見せるのじゃ!」


 確かに作者も書いてて「ほっこり」しますし、リーヤちゃんが可愛くてしょうがないです。


「感想やレビューでも、誰も彼もリーヤ殿を褒めてくれるのは、ワシも嬉しいのじゃ!」


 ええ、私もどうやってリーヤちゃんを可愛く描こうかと、毎日考えますもの。


「さて、デビットは要塞を武器工場へと改造してきたのじゃ。どんな攻撃をしてくるか、油断出来ぬのじゃ! ワシ、急いでアレ量産するのじゃ!」


 では、明日の更新をお楽しみに!

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