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僕は異世界で美幼女姫様と刑事をする。〜異世界における科学捜査の手法について〜  作者: GOM
最終章 捜査その10:僕は美少女姫様と異世界で刑事をする!

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第22話 愛ゆえに人々は戦う、そして魔神達は悪巧みをする!

「姫様。今日お呼び致ししたのは、今後の予定が決まりましたからです」


 わたくし(リーヤ)は、久方ぶりにデビットから夕食のお誘いを受けた。


「では、いよいよわたくしを餌に、タケを呼ぶ訳ですね」


「そう怖い顔をしなくても良いですよ、姫様。正々堂々と戦うと言っていますでしょ。もちろん襲ってくるなら容赦はしませんけれども」


 デビットは、なんとも無い顔でわたくしの殺気まじりの答えを受け流す。


「リーレンカ、いい加減デビット様に喧嘩を売るような態度をするのはやめてくれないか? そんな事では今後、私との婚儀にも問題が起こるよ」


「あら、レオニード殿はまだ姫と結婚できるとでもお思いかや? 実に哀れよのぉ。姫には心に決めた伴侶が居ると言うのに……」


女帝(エンプレス)様。私にも男の、貴族の意地があります。デビット様には悪いですが、地球人に負ける私ではありません!」


 魔神女帝に半分バカにされても、レニューシカは、まだわたくしと一緒になれるものと思い込んでいる。

 何回も拒否したはずなのに、未だにわたくしを自分のモノに出来ると思っているのだ。


「そうだね。では、今度タケシが姫を取り返しに来た時、レオニード殿が彼と戦って勝ち取れば良いよ。姫、レオニード殿がタケシに勝てば問題なかろう?」


「ええ、万が一レニューシカがタケを倒せるのなら、わたくし考え直しても良いですわ」


 ……レニューシカや、其方(そなた)ではタケに勝てるはずもなかろう。此方(こなた)のタケは絶対負けぬのじゃ!


「リーレンカ。私は本気だからな。デビット様、私にお力をお貸し下さいませ」


「いいよ。その方が面白くなりそうだからね」


 ……タケも他人の力を借りて戦うのじゃから、デビットの力を借りるのは卑怯では無いのじゃが、帝国貴族としては恥ずかしいのじゃ。


「では、二週間後。姫と私達はアメリカへと向かいます。そこでアメリカ国務長官達政府高官と軍関係者の前で当社の『新製品』のデモンストレーションを行います。ソフィア君、そこで勝負としよう」


「はい。分かりました。デビット様がお約束どおり暗殺等の方法を取られないので、助かりますわ」


 美人秘書ソフィアの姿をしている魔神将(アークデーモン)チエは、しれっとデビットに答える。


「それはこちらも助かっているよ。キミが本気で暗殺に来ないからね。おかげで毎晩安眠できているよ」


「今は伯母上(女帝)もいらっしゃいますし、元々わたくしは暗殺は嫌いですもの。こうやって話し合える相手と殺しあうのは不幸ですから」


 ソフィアは美貌を崩して苦笑する。


 ……此方が知っておるチエ殿は、甘いけど優しくて温かくて、そして泣き虫じゃが誰よりも強いのじゃ! 此方も、こうありたいのじゃ!


「ほう、甘い事をなおも言うか、チエよ。その甘さで魔神を名乗って生き残り、なおも力を増す。それはどういう事なのじゃ?」


「わたくし、幾千年星々を渡り歩きました。その途中で『娘』が出来、その子が寿命で亡くなるまで『母』として過ごし、『ひと』の思いを知りました。また地球では、孤独だったわたくしに『母』や『父』としてわたくしを愛してくれる人が出来、慕ってくれる妹達や義弟、友や仲間を得ました。その経験で、わたくし達魔神が忘れていた『愛』を思い出させてもらいましたわ。そして母上・父上とも仲直りしましたの」


 ソフィア、いやチエは過去の話を叔母にする。


 ……此方も、ちらっとチエ殿に過去の事は聞いたのじゃ。娘の話は聞いてて泣いてしもうたのじゃ!


「この愛の力は無限! デビット様が平和を望むのも、ご両親への愛ゆえ。レオニード様が姫様を求めるのも、姫様がタケシ様を求めるのも愛ゆえですの。愛は世界を動かす原動力ですわ!」


「なるほど。面白い答えじゃ、チエや、そして姫。では、わらわに愛の力とやらを見せるが良い!」


「はい!」

「もちろんですわ!」


 ……なるほどなのじゃ。デビットもレニューシャも、そしてチエや此方(こなた)やタケも、愛ゆえの行動をしておるのじゃ。誰しも正義があって、その正義がぶつかり合うだけなのじゃ。悲しい事じゃが、ここでデビットやレニューシカを停めるのも此方の役目で愛ゆえなのじゃ!


「実に面白い解釈だ、ソフィア君。私の行動理念をそう見るとはね。バトラー、君も油断しないでくださいね。愛ゆえの力は油断できないぞ」


「御意!」


 わたくしは、タケを信じる。


 ……タケの事じゃ。レニューシカを殺さず簡単に無力化して、「遅くなってごめんね」とか言いながら此方を迎えに来るのじゃ! 白馬の王子様なのじゃ!!


  ◆ ◇ ◆ ◇


「皆の衆、決戦の日時が決まったのじゃ! 二週間後、リーヤ殿はデビットに連れられてアメリカに向かうのじゃ!」


 夕食時、僕達はまた岡本家に集められて作戦会議を行っている。


「そこで新兵器のデモを米国高官達の前で行うのじゃ。どうやらワシらを倒すのを最高のデモとするつもりなのじゃ!」


「じゃ、逆に新兵器とやらをボク達が倒しちゃったら、恥かくんじゃないの?」


「ナナ殿。そこは自信があるのじゃろな。それに向こうには伯母上、魔神女帝がおるのじゃ。なまじな戦力では勝てないのじゃ!」


 長男アキトを胸に抱く若奥様ナナ。

 女子大生風にも見えるけど、立派なお母さんにも見える。


 ……ナナさんなら、大抵の敵は倒しちゃうからねぇ。


「では、どうしますか? 第一、僕達は簡単にアメリカに行けませんし、攻め込む大義名分も無いです」


「そこはワシに任せるのじゃ。今回は3面作戦で勝負するのじゃ! アメリカのデモ会場、秘密研究所、そして帝国王都なのじゃ!」


 僕達はチエから作戦内容を聞いて驚く。


「戦力の分散は普通悪手ですが……。なんですか、それは。インチキというか卑怯じゃないですか? 正々堂々って何処行きました?」


「暗殺をしないというだけなのじゃ! 卑怯で結構! ワシが悪となって正義を成すのじゃ! 魔神が卑怯でナニが悪いのじゃ!!」


 ……日頃のイタズラ作戦がこういう時の原案なのね。まーいいか。リーヤさんの安全が確保できるし、勝てば官軍。僕も暗殺には賛成しないけど、向こうが先にだまし討ちでリーヤさんを奪ったんだもんね。


「という事で、コウタ殿、タケ殿。お主らの戦略案も出すのじゃ! 他の皆も案があれば、どんどん出すのじゃ!」


 僕は、作戦を成功させるべく頭脳を全開にする。


 ……リーヤさん、待っててね。白馬の王子にはなれないけど、僕は絶対に迎えに行くよ!

「うふふなのじゃ! ワシ、手加減なぞせずに、とことん悪巧みするのじゃ!」


 戦う上で卑怯なんて無いですものね。

 ルールがある競技ならいざ知らず、殺し合いするのには策をより多く駆使したものの勝ち。

 事前にどれだけ準備をするかで勝負は決まる。

 孫子にもありますからね。


「『兵は詭道なり』じゃし、『勝兵は先づ勝ちて而る後に戦ひを求め、敗兵は先づ戦ひて而る後に勝ちを求む』じゃな。本来であれば、『百戦百勝は善の善なる者に非ざるなり。戦はずして人の兵を屈するは、善の善なる者なり』で、戦いたくは無いのじゃがな」


 抑止力にも繋がる話ですよね。

 戦の準備を万全にし、勝つようにして戦えば負けないし、準備段階を敵にわざと知らせて、敵の心を折るのが抑止力。


「作者殿もTCGではデッキ構築と言う戦う前準備が出来た時は勝っておるが、構築不十分の場合は負け散らかすのじゃ」


 ごめんなさいね。

 私、すぐに慌てちゃうから実戦での戦術面は弱いんです。

 だから戦略レベル、デッキ構築で勝っていないと負けるもん。


「でも、それは孫子の理念に合っておるのじゃ。更に精進するのじゃぞ!」


 はいです。

 では、明日の更新をお楽しみに!

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