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僕は異世界で美幼女姫様と刑事をする。〜異世界における科学捜査の手法について〜  作者: GOM
最終章 捜査その10:僕は美少女姫様と異世界で刑事をする!

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第21話 正義と正義、キツネと狸!

「バトラー。準備は何処まで進んでいるのかい?」


「はい、デビット様。現在のところ70%というところです。異世界でのプラントは先日稼動を開始しました。また、こちらでの『量産』ですが、試作型をブラッシュアップしました先行量産型を一個小隊分作り上げました。現在は試験運用中です」


「結構。なら、国務大臣達へのデモンストレーションも大丈夫そうだね」


「はっ。二週間程先になら可能と思われます」


「では、日程調整を頼むよ。では、女帝様。宜しいですか?」


 東京湾の夜景をバックに、デビットはバトラーから報告を受けていた。


「ええ。わらわは、それでかまいませんわ。さて、姫の事はどうするのじゃ? まさか、本当に正々堂々と闘うのでおじゃるか?」


「それはこっちも向こうも同じでしょう。暗殺とかをお互いにしないというだけの約束です。私も安眠はしたいですからね。もちろん監視はさせてもらってます。失敗が多いようですが……」


「申し訳ありません、デビット様。岡本家付近に監視を送ると必ず察知されてしまいます」


 妖艶な魔神女帝(デーモンエンプレス)の笑みに、笑って返すデビット。

 彼はバトラーからの監視失敗報告も笑って返す。


「あそこは、辺境伯のご実家。辺境伯は10年前の大災害時に敵の首魁を討った英雄ですもの。しょうがないですね。とりあえず、無理せずに監視だけを続けてください」


「了解です」


 夜ふける中、「闇」も深まっていく。


「さあ、どう動きますか、英雄さん? 私を楽しませてくださいね」


  ◆ ◇ ◆ ◇


「チエ殿、タケは元気なのかや?」


「今はソフィアとお呼びくださいませ。タケシ様は無事にお暮らししていますわ。先日、マユコ様の所有するアパートへと引越しをなされました。フォル様のお隣の部屋になると聞いていますわ」


 わたくし、リーヤはベットの中でチエ、いや今は美人秘書姿のソフィアからタケの近況を聞いている。


「あそこの家なら絶対安心なのじゃ。でも、この話をデビットに聞かれたら不味いのではないかや?」


「もう既にデビット様はご存じですわ。こちらから監視を送ってますが、近付きすぎた方々は全員マユコ様達に発見されて帰ってきませんですの」


「それは大変なのじゃ! 此方(こなた)でも、それは困るのじゃ!」


 わたくしは、困っているだろうデビットの様子を思い笑ってしまう。


「さて、姫様」


 ソフィアは、わたくしの手を取る。


 〝リーヤ殿、ワシが見たタケ殿を見せるのじゃ! 眼をつむるのじゃ〟


 わたくしは眼を閉じた。

 そして脳裏には、いつもどおりの平凡で気が抜けそうな、気の良い童顔青年の顔が見える。


 ……タケぇ。少し痩せたかもしれんが、元気そうなのじゃ。


 〝タケ殿も他の皆も頑張っておるのじゃ。リーヤ殿ももう少しの辛抱なのじゃ!〟


 ……チエ殿、ありがとうなのじゃ! 此方、頑張るのじゃ!


 そして、わたくしはタケの顔を見ながら眠りに落ちた。


 ……絶対、タケにもう一度会うのじゃ! 今度は此方からプロポーズするのじゃぁ!


  ◆ ◇ ◆ ◇


「タケ殿、ちょっと来てはくれぬか?」


 僕が仕事から帰り、マユコに夕食をご馳走になった後、チエに呼ばれた。


「はい、なんですか?」


「こっちじゃ!」


 そして僕は、唐突に足元に出来た穴へと落ちた。


・・


「あいたぁ! って痛くないぞ」


 僕が落ちたのはクッション、確か落下訓練用のものの上。


「ワシがタケ殿を怪我させる訳ないのじゃ!」


 僕が落ちてきた穴から、ヒョイと着地する幼女魔神チエ。


「此処は一体……! あ、コロッセオという事は、コヨミさん達と戦った異空間ですね」


 僕の目の前には以前『スマ○ラ』バトルロイヤルをしたコロッセオが建っている。


「ここなら暴れ放題で怪我もしないからなのじゃ。今からタケ殿には、とある特訓をしてもらうのじゃ!」


「チエさんの事ですから僕は信じますけど、一体何を特訓するのですか?」


 僕はチエからイルミネーターを貰い、装備する。


「それは、これなのじゃ!」


「え!!!!」


 僕は、予想外の「モノ」を見てびっくりした。


「すごいじゃろ! ワシの傑作なのじゃ」


 僕は、このところ毎日びっくりさせられっぱなしだ。


  ◆ ◇ ◆ ◇


「タケシ君、おかえりなさい。顔青いけど大丈夫?」


「あ、ありがとうございます、マユコさん。少し3D酔いしちゃっただけですから。う、うぷぅ」


「タケお兄さん、大丈夫?」


「またチエ姉ぇ、ひどい事したのぉ? タケシお兄ちゃん、こっちに寝てね」


 僕はフォルやアンズに看病されて、畳の間に横になる。


「あ、あんなにスゴイなんて思わなかったよぉ。チャロンじゃ酔わなかったのにぃ……」


「視点固定型じゃったから酔わないのじゃ。視点が早く動くと三半規管が勘違いするのじゃよ。ホレ、ワシが治すのじゃ」


 チエが僕の頭の上に小さな手を乗せてくれる。


「あ、気持ち良い……」


「チエちゃん。一体タケシ君にナニさせたの?」


「コウタ殿、それはナイショなのじゃ。タケ殿は凄いのじゃぞ。いきなり初回で乗りこなせたのじゃ。ワシにゲームで勝てるのは、伊達じゃないのじゃ」


 コウタに自慢げに僕の腕を話すチエ。

 けれども、僕はやっと吐き気とめまいが落ち着いたくらいなので、何か言う元気も無い。


「ふーん。チエちゃんの事だし心配はしないけど、俺の時もすっごい修行だったからね」


「では、今からワシと一戦やるかや? 半欠けの分身でも、まだまだコウタ殿には負けぬぞ!」


「じゃあ、わたしとやってくれない、チエちゃん。わたしもカン戻さなきゃ」


「そ、それは勘弁なのじゃぁ、母様。ワシ、マジで消滅するのじゃあ!!」


 チエが走って逃げるのを笑ってみている皆。

 この家庭の温かさに、僕はそっと涙した。


 ……リーヤさん、僕絶対にキミを取り戻すからね。

「タケ殿、実に良い腕なのじゃ。狙撃型に乗せてもいいかもなのじゃ。今は通常型しか無いのが残念なのじゃ」


 チエちゃん、一体ナニをタケ君にさせているのかい?

 話からすれば、何か乗り物の操縦っぽいけど。


「それはヒミツなのじゃ! デビットが開発中の兵器にアレがあるのじゃ。ワシはそれに対抗して2号機を作ったのじゃ!」


 あ、なるほどね。

 それで操縦に慣れているタケ君をパイロットにしたと。


「操縦系をアレと同じにしたのじゃ。イルミネーターは網膜投影にも対応済み。まったく問題なしなのじゃ!」


 これは楽しみですね。

 では、明日の更新をお楽しみに!

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