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僕は異世界で美幼女姫様と刑事をする。〜異世界における科学捜査の手法について〜  作者: GOM
最終章 捜査その10:僕は美少女姫様と異世界で刑事をする!

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第11話 悪意は、生命の実を望む。そして魔神は、暗躍する。

 ケラブセオンの社長、デビットは機上の人になってる。

 彼は今、アメリカ本国へ自家用機で移動中なのだ。


「ソフィア君、すまないね。姫から引き離してしまって」


「いえ、わたくしの本来の業務はデビット様の秘書。不満などありません」


 デビットは、ゆったりとした座席に座り、高級そうな蒸留酒をゆっくりと呑む。


「キミの留守中は、女性スタッフにリリーヤ姫の事を任したから大丈夫。それに彼女に問題を起こしそうなレオニード殿も、私と一緒に移動中。という事で、君も安心しておいてくれ。では、早速だけれども、現在の状況をまとめて説明頼むよ」


「はい。まずリリーヤ姫様周辺ですが、彼女の成長は予想以上に早いようです。過去20年程成長が遅れていたのを取り戻す勢いです」


「なるほど。それで、最近は会うたびに美しさも増しているのかな。さて、いつまでレオニード殿を押さえつけておけるか。正直、彼の役目も終わりつつある。公爵様とはご子息をお返しできた段階で十分繋がりは出来た。今後のレオニード殿の動き次第では用済みかな。それに引き換え姫は、私にとってもビジネスパートナーとして欲しい人材だ」


 デビットは、最初人質だったリーヤを、今や客人として重要に思っている。


「姫様に対する人質のタケシ・モリベですが、警察庁へと移籍しました。そして監視網に彼が気がついてしまい、今は監視が満足にはなっていません」


「その報告は聞いたよ。まさか300m以上離れている場所からの監視を気が付くとは。彼も僕の敵じゃなければ欲しい人材だね。レオニード殿を消した後に、姫様をエサにこちら陣営に引き入れられないものかね?」


「調査では、タケシは正義感が強い為、我々が行っている非人道的研究を許さないでしょうね。後、監視を辞めた者ですが、このまま放置ですか?」


 ソフィアは、表情を替えずに淡々と事実をデビットへと伝えた。


「まあ、タケシについては、やっぱりそうだよね。監視については外部の雇われで何も知らないんだろ? なら放置しよう。暗殺者を送る方が危険だね。さて、明日以降のスケジュールはどうなっている?」


「はい。まずはエドワーズ空軍基地へ到着後、補給給油を行います。その間にデビット様は軍幹部との会食が待っています。その後は……」


 デビットはソフィアの声を聞きながら、心を弾ませる。

 人類の、いや自らの望み、「生命の実」。

 永遠の命への道が開けてきたのだから。


 ……私は絶対に永遠の命を手に入れるのだ。もう父や母のような悲劇は見たくないのだ!


 ソフィアは、デビットの心の声を聞いて思った。


 〝コヤツにも、何か事情があったのじゃな。ようやく、その一端が見え出したのじゃ!〟


  ◆ ◇ ◆ ◇


 ワシ、魔神将(アークデーモン)チエは、色々と暗躍しておる。

 分身体には、身内の護衛とシャッターチャンスの撮影。

 各種ゲームの攻略に、映画、ドラマ、アニメの視聴。

 ラノベ、純文学、ネット文学の読書、様々な科学知識の勉学に研究。

 最近では、ビジネスも好調で、不動産収入に特許、印税。

 そして異世界へのゲート管理。

 百人以上分身を行って、やっと「仕事」を回しているのじゃ。


 ただ、最近は「とある」ミッションが忙しくて、中々趣味を楽しむことが出来なくなっているのじゃぁ。


 そのミッションとは、多国籍超企業ケラブセオン・エンタープライズへの潜入捜査(アンダーカバー)

 ケラブセオンは、ワシの研究を盗んで軍事兵器の開発をし、更にワシの大事な家族や仲間達に喧嘩を売ってきたのじゃ。


 これが個人や大した組織でなければ、ワシが直接乗り込んでぶっ飛ばしてお終い。

 しかし、ケラブセオン程の組織となると簡単に潰す事も難しく、更にアメリカ本国も密接に絡んでおる。


 うかつに手出ししずらい組織、そこでワシは一計を案じた。

 内部に潜入捜査をして、情報を得ることにしたのじゃ。

 ワシは義体製造技術を使って、新たな身体を作った。

 それは、今の幼女姿を造った時以来の難しい作業じゃった。


 そして、「わたくし」ソフィアが生まれた。

 わたくしは、偽造された履歴を使い、ケラブセオンに入社した。

 後は、普段遊びに使っている能力を全開にして業務を行えば、あっという間にわたくしの存在は会社中で有名になった。


 わたくしは社内でも数々の調査を行い、わたくしの仲間達への攻撃を主に行っていた諸悪の根源、アジアマネージャーのデビットを見つけた。

 後は、秘書としてデビットに採用されるように行動するだけ。

 そして、わたくしはデビットの個人秘書となった。


 リーヤ殿は悲しい事に、タケ殿と離れ離れになる事となったが、わたくしが直接彼女の担当となる事になり、悪意から守ることには成功した。

 このまま、デビットが隙を見せるのを待って、なんとしてもリーヤ殿を救い出すのだ。


「ソフィア君、どうしたのかい?」


「いえ、少し考える事がありまして……。申し訳ありません、デビット様」


 デビット・ウォン。

 彼は、今まで何を考えているのか、表層心理には何も見せてはこなかった。

 しかし、異世界関係のミッションが進む毎に、野望やその原動力らしきモノを垣間見れるようになった。


 ……コヤツ、ワシ以上に魔神なのじゃ。と言って邪神とも違うのじゃ。タダのヒトがここまでの闇を持つ。何が、過去にあったのじゃ?


 ワシ、いえ、わたくしはデビットの過去が知りたくなった。

「ワシ、このデビットという人物がどうしてここまで闇を抱えたのか、気になるのじゃ!」


 チエちゃん、やっと物語内でソフィアだったのをばらしましたね。


「もうバレバレじゃったのじゃがな。しかし成人女性を演じるのも新鮮なのじゃ。ワシ、幼女姿が長かったからのぉ」


 そういえば、チエちゃんの義体って何か元ネタがあったって言ってましたね。

 ソフィアにも何かあるのですか?


「そこはヒミツなのじゃ! ワシにも色々な過去があるのじゃ。いずれ外伝とやらで語る日もあるかもなのじゃ!」


 はい、分かりました。

 では、明日の更新をお楽しみに。

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