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僕は異世界で美幼女姫様と刑事をする。〜異世界における科学捜査の手法について〜  作者: GOM
第9章 捜査その9:終末への序曲、帝国に蠢く闇

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第28話 騎士爵は仲間達の無事に安堵する。

「タケ殿の『力』、それは魔眼の一種。太古の昔より『魔弾の射手』と呼ばれた異能なのじゃ。今風に言うと『にゅーたいぷ』じゃな。それとも『がんかた』か『まとりっくす』かや?」


「えー。それは流石にどうかと思いますけど?」


 ……確かに今まででもピンチの時に、見えない敵や当るはずも無い敵を撃てたけど? でも、キュピーンって例の効果音出してたの、チエさんだしねぇ。


 胃の中のものを吐けるだけ吐いて落ち着いた僕は、チエから弾丸補給やら治療を受けながら、僕の持っている「力」について解説を聞いている。


 なお、監獄外部に居た米軍義体化(マシンナーズ)小隊(プラトォーン)は全滅していて、生き残っていた騎士団や兵士達が監獄を取り囲んでいる。


「古来より伝わる魔弾の射手じゃが、悪魔との契約で作られた弾丸を使い、その弾は狙ったものを必ず貫くが、最後の弾は愛するものを狙うのじゃ。様は、都合の良い話は無いという事じゃな。タケ殿の力は、脳内で空間認識を司る部分を魔力や意志力を媒介にしてクロックアップするタイプなのじゃろう。多用は、タケ殿の命を確実に削るのじゃ」


 チエは僕の頭を、魔神美女形体で撫でてくれる。

 どうやらオーバークロックで半分煮えていた頭を冷やしてくれている様だ。


「くれぐれも使い所を考えるのじゃ。どうせタケ殿のことじゃ。今回みたいにリーヤ殿が危機に陥ったら、問答無用で無茶するのじゃろう。だからこそ、使うなとは言わぬ。よく考えて使うのじゃぞ!」


 チエに言われた事の意味を、僕は考える。

 この力は、天より貰った、そしてリーヤとの愛が産み出した力。


 ……よし、今は難しい事は考えない。リーヤさん第一主義だ!


「リーヤさん、ヴェイッコさん。大丈夫ですか?」


 チエから「ほれ、愛する姫君の元へ行ってくるのじゃ!」とバーンと背中を叩かれた僕は、マムとキャロリンから治療を受けている2人の元へと向かった。


「タケや。心配をかけて済まぬのじゃ。此方(こなた)、もう何処も痛くないのじゃ!」


「もう、無理しないで下さいませ、リーヤさん。確かに傷口は綺麗に、跡形も無く塞がっていますが、出血で失った血液は戻っていませんから、あまり動かないで下さいね。今は大人しく横になって点滴を受けてください」


 野戦病院と化している城壁外の一角、治療中の負傷した騎士団たちの中に2人は居た。

 元気そうに振舞うリーヤだが、忙しそうに負傷者の面倒を見ているキャロリンから、輸液が外れてはダメと叱られている。


「タケ殿が無事で良かったでござるよ。拙者の大きな身体が盾として十分役に立ったでござる」


 同じくリーヤの隣で横になり、輸液を受けているヴェイッコ。

 2人とも着ていた戦闘ジャケットの腹部に穴が開き、血が滲んでいる。


「ワシが作った戦闘ジャケットが高性能で良かったのじゃ。拳銃弾なら完全防備じゃし、今回みたいに7.62mm徹甲弾でも命に別状が無いくらいの怪我で済ませるのじゃ!」


 僕達が着ている戦闘ジャケット、一見薄い生地ながら前面は防水加工されたケブラー系繊維、中にはダイラタンシー効果のあるショック吸収ゲル、そして後ろにはセラミックプレートの小札(こざね)編みこみ。


 ものすごく高性能な防弾具のおかげで2人とも、ライフル弾が体表に軽く刺さった程度の傷で済んだらしい。


「でも拙者のデザートイーグルが壊れたのでござるぅ」


 ヴェイッコの場合は、リーヤよりも更に多数の銃弾を身に受けたのだが、数発は大型拳銃に着弾したので、怪我が比較的軽くすんだっぽい。


「拳銃が身代わりになってくれたんですね。では、僕を庇ってくれたヴェイッコさんに、今度新型の拳銃を見繕いますね。何かご希望はありますか?」


「映画で見てかっこよかったのでデザートイーグルにしたでござるが、弾数が少ないわ手入れが大変でござった。今度は、威力がそこそこ強めで弾数大目のを頼むでござるぅ」


「ふむ、なら.40S&Wとか.45ACP辺りで探します。僕を庇ってくれてありがとうございました」


 僕は、ヴェイッコに深く礼をした。


「いつも美味しいご飯を作ってくれているお礼でござる。それにタケ殿とリーヤ(あね)さんが悲しむ姿は、拙者見たくないでござるよ!」


 僕は、ニッコリと笑いながらそんな事を言うヴェイッコに対して何も言えなくなり、涙を(こぼ)した。


「ほ、本当にありがとうございます……」


「あらあら、泣き虫がリーヤちゃんから感染りましたか、タケちゃん? さて、ここからどうしましょうか? チエさん、監獄の中はどうなっていますか?」


 一通り、治癒呪文を怪我人達に掛け終わったマムが、チエに監獄の様子を聞く。


「ワシの分身を監獄内へ先行で送って、怪我人を含めて生存者は全員回収済みなのじゃ。念のために怪我人は全員凍ってもらっておるがな」


 僕達を守ってくれていた間に、チエは強行偵察をしてくれたらしく、生存者の回収までやってくれていた。


 ……凍らせたという事は、命の危機があった怪我人も居たのですか。


「残るは犯人グループが10人程と、それと同行しておる『元』収監者達じゃ。どうやら敵の目的は、この牢獄からの囚人脱獄支援らしいのじゃ! ワシ1人では犯人だけを倒すのは難しいのじゃ」


「こちらCP、フォルですぅ。先ほどポータム近郊から軍用ヘリが2機、帝都方面へ向けて飛行したという報告が来ていますぅ。おそらく、ヘリでそこから逃げる気ですぅ」


 ……敵はマジで戦争を吹っかける気なんだろうか? アメリカと帝国の戦争なんて僕はみたくないぞ。


「アメリカが何を考えて、この監獄から囚人を脱獄させるかは不明ですが、逃がすわけには行かないです。といってこちらには怪我人も出ちゃいましたから、無理は出来ません。マム、どうしましょうか?」


 僕はマムに指示を仰いだ。


「そうねぇ。タケちゃんはどうしたいの?」

「タケぇ。此方の事は気にせぬで良いのじゃ! タケがやりたいようにやるのじゃ!」


 僕はリーヤの後押しを聞いて、心を決めた。


「では、動ける人で監獄内へ強襲をかけます!」

「マジ危機一髪じゃったのじゃ。ワシ、手加減せずにサイボーグ共を薙ぎ払うべきじゃったのじゃ!」


 確かにチエちゃんがそうすれば簡単に終ったかもですが、物語としてそれが面白いかは別かと。


「そこは重々承知しておる。それにいつでもワシが出張って居るのは皆の成長に繋がらぬし、ここぞという時のワシの出番が曇るのじゃ!!」


 エンターテナーなチエちゃんらしいコメント、ありがとうです。


「さて、残る残党をどう料理するのか。作者殿のお手並み拝見なのじゃ!」


 はい、頑張って書きますです。


「では、明日の更新を楽しみに待っておるのじゃ! ブックマーク等を楽しみにしておるのじゃ!!」


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