第11話 リーヤ、ファッションショーをする
「リーヤさん、やっちゃったんですか?」
「うむなのじゃ! 此方、少々調子に乗りすぎたのじゃ、皆あの時は、すまなんだのじゃ!」
わたくしは、タケの膝の上で再度皆に謝った。
「まあ、もう過ぎた事ですし、その代わりにイイ事ありましたわ」
「うん、アタイもあれから日本の下着のファンだもん」
しかし、被害者の2人は簡単に許してくれた。
「リーヤさん。どうも話しからすると、助けた服屋さんから日本製の下着を贈ってもらった様に聞こえますが?」
「そうなのじゃ! 此方もあれ以降、必ず下着は日本製なのじゃ!」
◆ ◇ ◆ ◇
「皆さん、大丈夫ですか?」
ずぶ濡れ状態のわたくし達を見て、助けたマルッチェラは心配そうに声を掛けてくれた。
「ま、まあ、海水で濡れただけですから大丈夫ですわ」
マムは、引きつった笑いでわたくしを見ながら、マルッチェラに答えた。
「そうですか? 服でしたら当方で用意できますが。そうだ! 今回のお礼も兼ねて皆さんにプレゼントしたいものがあるんです!」
「はい?」
◆ ◇ ◆ ◇
現場に逮捕に来た警察隊にニルデを渡したわたくし達は、警察隊と引継ぎをするヴェイッコを残し、キャロリンの運転する自動車でマルッチェラと一緒に捜査室へと帰った。
もちろん風邪を引いてはダメだから、自動車に乗る前に火炎系呪文でずぶ濡れになった服は乾かしたけれども。
……服が塩っぽいのじゃぁ。此方のせいじゃから怒れないのじゃぁ。
一端、わたくし達は捜査室でシャワーを浴びて服を着替えた。
こういうところも地球文化バンザイなのだ。
……シャワーや地球式お風呂を知ってしまえば、もう元に戻れないのじゃぁ!
そして、マム、キャロリン、ギーゼラにわたくしは貴族街にあるマルッチェラの店へと向かった。
「まだ片付いていなくてごめんなさい。お葬式が終わったら開店する予定だったけど、今回の事でそれも無理になったわ。しょうがないから、しばらく何処かのお店で勉強して、またお店を再開しようかと思いますの。そこで、在庫処分の意味もあるんですが、皆さまに今回お世話になったお返しで服をプレゼントしたいと思うんです」
騒然とした店内、マルッチェラはすっかり吹っ切った顔で、わたくし達を見る。
「皆さん、美人さん揃いだし、種族もバラバラだから、わたし良い勉強にもなるの。受け取ってくださいませんか?」
「わたくし達、一応公務に勤める者ですから、ワイロになりそうな物は受け取れませんわ」
マムは、すごい勢いでぐいぐいと服を押し付けるマルッチェラに負けそうになりながらも、断る。
……確かに事件を解決する度にプレゼントを貰っておったら、贔屓やらすると思われるのじゃ!
「でしたら、事件関係なし。当店の商売として服を着ては頂けませんか? こちらは皆様に着心地を聞くのと、ウチの服だとさりげなく宣伝してくれる事。それで御代はタダにします。ただし、今後追加で服が欲しい場合は、正規の値段で買って貰う。これならいいでしょ?」
すっかり商売人の顔をするマルッチェラ。
……ニルデ、マルッチェラ殿を見抜けなんだのじゃな。この商売っ気は凄いのじゃ。これは、直ぐにでも店を復活させそうなのじゃ!
「え、えーっとぉ。皆さんどうしましょう?」
「此方は賛成なのじゃ! 地球の服には興味あるのじゃ!」
「アタイも気になるの。地球の映像とか見てたら、皆かわいー服着ているもの」
「そうですわね。では、アタクシもサポートしましょう。地球で磨いたファッションセンスで皆を着飾らせてくださいませ!」
わたくし、実は捜査室周辺を歩く地球の人の服が気になっていた。
縫製や染め方が全然こちらとは違うのだ。
布地が伸びて着やすい様だし、締め上げる紐が見えない。
「しょ、しょうがないですわね。では、捜査室としてではなく、個人としてマルッチェラさんの商売に協力しますわ!」
「ありがとーございます! さあ、着合い入れますわ。キャロリン様、宜しく御願い致します。では、まず下着から行きますわ! 皆さん、裸になって!」
「えー!!」
まさか裸にされてしまうとは思わなかったわたくし達だった。
◆ ◇ ◆ ◇
「すっごーい。伸びて身体の動きを邪魔しないし、胸も擦れないよ!」
「そうなのじゃ! これを着れば重ね着をせずとも胸が痛くないのじゃ!」
「え、わたくし! こんなに胸大きかったのかしら!」
ギーゼラ、わたくし、マムは感動をしている。
それぞれ日本製の「ぶらーじゃー」という下着を身に着けている。
「良かったですわ。アタクシ、今までどうやって皆さんに下着をお勧めしようかと思っていましたの。薄着の時、胸のアレが目立ってましたし」
キャロリンは少し赤面しながら、「ぶらじゃー」を見繕っている。
「皆さんに合うサイズがあって良かったです。キャロリン様はすいません。ウチ、大きなサイズが少なくて」
わたくしとギーゼラは、柔らかい布でつくられた「じゅにあぶら」もしくは「すぽーつぶら」というものを身に着けている。
「此方、これ気に入ったのじゃ。『しょーつ』も良いのじゃ!」
下半身、お尻周りを覆う布。
「しょーつ」という下着だそうだが、これまた着心地が良い。
柔らかい布地と腰と足回りをしっかりフィットさせる「ごむ」というのが良い。
今まで着ていた紐式下着とはフィット感が大違いだ。
「うん、アタイも動きやすくて大好き!」
「良かったですわね。わたくしも感動してますのよ!」
マム、胸を「ぶらじゃー」、腰に「がーどる」という下着を身に着けている。
わたくしが着る「じゅにあ」タイプと違い、固めの布でつくられていて、内部に柔らかい敷き布が詰められている。
そしてぎゅっと胸を覆うことで、「ぶら」を付けていない時よりも胸が大きく、そして綺麗な谷間まで出来ている。
腰周りを覆う「がーどる」もしっかりとマムの下半身を覆い、綺麗な身体のラインを作っている。
「後は、上着ね。こっちはあんまり在庫ないから、とりあえずね」
それからわたくし達は全員色んな服を着せられてしまった。
こと、わたくしはあまり貴族街で売れていない子供服の宣伝にもなると、やれジャンパースカートだ、ワンピースだ、デニムだなどと沢山着せられ、そのままプレゼントされてしまった。
「うんうん! こーいう可愛い服はかわいー子に着てもらうのが一番! リリーヤ様、これからもプレゼントした服着てくださいね」
なお、その映像はキャロリンが「すまほ」という機械に写し取っていた。
「皆さん、ありがとーございました。これで、ポータムで商売できる自信が沸きましたの! さあ、がんばるぞー!」
すっかりパワフルなマルッチェラに流されてしまった、わたくし達だった。
「ワシ、時空を越えてリーヤ殿達の下着写真を入手したのじゃ! 皆、可愛くて良いのじゃぁ!」
これ!
またデバガメですか、チエちゃん!
「じゃって、せっかくの色っぽいシーンなのじゃ。美女揃いの捜査室の面子の下着姿は記録に残すべきなのじゃ!」
裸の記録は残さない分まだマシだけど、チエちゃんには困るよ。
チエちゃんってば、女の子好きだもんね。
「ワシ、別に百合では無いのじゃ。可愛い男の子も好物なのじゃ! 可愛いは正義なのじゃぁ!!」
まったく困った魔神様ですね。
では、明日の更新をお楽しみに。




