表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
僕は異世界で美幼女姫様と刑事をする。〜異世界における科学捜査の手法について〜  作者: GOM
「戦隊ヒロインのこよみさんは、いつもごはんを邪魔される」など4作品合同コラボ作品 「チエちゃん、ご乱心。異世界でスマ○ラ大決戦!」

この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

242/351

第4話 集う戦士たち! 作戦会議

「ん!」


 急に周囲が明るくなり、僕は眩しくて眼を覆った。


「ここは何処なのじゃ!」

「うっそー! おかーさん、あれってコロッセオだよね?」


 リーヤやメイの声がある事から、全員同じ場所に転送されたのだろう。

 僕の目前には巨大なローマ風な構造物が、どんと鎮座している。


 ……最後にチエさんが念話(テレパス)で言ってたのは、アレだよね。つまり、コロッセオそっくりの闘技場内で僕達が戦うという事か。あまり気乗りしないなぁ。


 チエは、転送前に念話(テレパス)で優勝者の願いを何でもかなえると言っていた。

 といっても、おそらく不老不死とか世界征服とかは出来ないだろうし、ここの面子でそういう下品な願いを言うものは誰も居まい。

 精々、何か欲しい物をプレゼントして欲しいってくらいだろう。

 こういう僕も、今欲しいものはあまり無い。

 あるとすれば、リーヤの夫として相応しい力くらいだ。


「ほう、タケ殿の望みはリーヤ殿の夫として相応しい力とな。うみゅう? ワシが見た感じでは、タケ殿は、既にほぼ持っておるのじゃ! 後は、自信くらいなのじゃ!」


 知らぬ間にチエは、僕の横に現れてアドバイスしてくれる。


「タケや、此方(こなた)タケと幸せな家庭を築きたいのじゃ! それが願いなのじゃ!」


 リーヤは僕を見え上げて、得意げに宣言する。


 ……なら、僕がすべき事は、リーヤさんの為に戦うことだ。


「はい、では僕はリーヤさんが戦う上で苦手な相手を全部倒します。そして、後はリーヤさんに任せます!」


「タケぇ!」


 リーヤは、嬉しそうな顔で僕に抱きつきに来た。


 ……こうなったら、絶対に勝ちに行く! さあ、全員を見てリーヤさんの不得意そうな相手を探すぞ!


「あ、チエさん。確認しますけど、戦闘フィールド内では何やっても怪我もしないんですよね。じゃないと僕、狙撃も出来ません」


 いくら、リーヤとの幸せの為とはいえ、仲間に銃弾は撃ち込み難い。

 更に本来ではオーバーキルの25mm弾の使用も今回大丈夫らしい。

 戦闘用メニュー画面を見ると僕の技は、接近戦:拳銃(Sig P365)、中距離以降:狙撃銃(M110A)、隠し:手榴弾、必殺技:狙撃グレネード(XM109)となっている。


「そこは安心なのじゃ! 武器はワシが作ったダミーじゃからな」


「ありがとうございます。では、早速作戦を練ります。リーヤさん、ちょっと作戦会議です。インチキくさいですが、僕達の望みは同じ。なので、共同作戦しましょ!」

「うんなのじゃ!」


 マム辺りが、僕達の方を笑いながら見ている気がしているけど、気にしないでいこう。


 周囲を見ると、コウタもナナも居ない。

 どうやら先ほど話したようにお留守番のようだ。


 ……良かったぁ。いくら攻撃力が同じ扱いでも、あの2人には誰も絶対勝てないもの。もしかして、それで2人は除外したのかな?


「身重のナナ殿を巻き込むはずなかろうて。コウタ殿には母様(マユコ)の足止め時間稼ぎを頼んだのじゃ! ここまで大規模なイタズラは久しぶりなのじゃ。母様(かあさま)にバレる前に終わらせるのじゃ!」


 ブルブル震え上がるチエ。

 マユコに怒られるのが怖いのなら、最初からイタズラしなきゃいいのにとは思うが、それが出来ないのがイタズラ魔神(デーモン)なのだろう。


 僕は、仲間達、そして可哀想な犠牲者(?)たちの特性を考えて作戦を練り、リーヤにこそっと耳打ちした。


  ◆ ◇ ◆ ◇


 可哀想な被害者グループその1、メイ達は妙に嬉しそうだ。

 話だと元の世界へ帰る目処がたったのと、最近運動不足とかで暴れたいらしい。


「おにーちゃん、これで優勝したら願いが適うっていうの! わたし、おにーちゃんとあまあましたいのぉ!」


「それ、俺に頼めば済む話じゃないか? まあ、俺は強い人と戦えるだけでも十分だけどな」


「らーら、ていこくたおして、へいわをとりもどすの!」


「あーちゃん、メイ、ラーラちゃん。今回はわたくし、勝負に出ますの! 邪魔したら貴方達も倒すわ! マユコさんの若さ、絶対何かヒミツあるの! 永遠の若さを得るのよ!!」


 ……あーあ、すっかり欲望に呑まれちゃっているよ。特にタカコさんは危険かもね。マユコさんの秘密ってあれ絶対特異体質でしょ? それ言うならマムとかリーヤさんの方が寿命長いと思うんだけど。


 接近戦主体と思われる面子を見て、僕は作戦を練る。

 そして、もう一組の犠牲者グループが到着した。


「あ! コウタくん、コヨミさん!」

「コヨミ殿なのじゃ!」


 僕達の姿を見て近づいてきた犠牲者その2、一緒にハロウィンに戦ったコウタとコヨミに僕は挨拶した。


 ……そうか。辺境伯と名前被るのもあって、今回お休みだったんだ。


 〝それはメタな理由じゃが、そのとーりなのじゃ!〟


 魔神からの説明念話があるが、今回は気にしないでおこう。


 〝タケ殿は、いつもイケズなのじゃぁ〟


 うん、放置プレーだ。


 〝ワシ、放置プレイも好みなのじゃ!〟


 ああ、無視だ。

 相手していたら話が進まない。

 僕は幼女魔神将(アークデーモン)を放置して、コウタ達と話した。


「あはは……お久しぶりです……」


「こ、今回も大変だね……」


 お互い苦笑しながら挨拶をする。


「相変わらず小っちゃいなあ」


「その台詞、コヨミ殿にそのまま返すのじゃ!」


 そして毎度の様に恒例のお約束をしだすコヨミとリーヤ


 挿絵(By みてみん)

  イラスト:池原阿修羅さま


 ……まったく困った事だよね。


 どうやらコウタも同じ意見の様で、僕の顔を見て肩をすくめた。


「ところで……今回の件、詳しく教えていただけますか……?」


「うん、そうだよね……」


 コウタから状況の説明を頼まれたので、僕は分かる限りの説明をした。

 いかな僕と戦う運命であるが、何も情報も無しに戦わされるのは別の意味で可哀想だから。


 ……チエさん、ちゃんと説明しておいてよぉ!


「『かくかくしかじか』という事なんだ。多分、有名なゲームだからコウタくんも知っているとは思うけど、あの色々なゲームのキャラが一堂に会して、バトルロイヤル形式で闘うあのゲームだよ……」


「え、ええ、それは知っていますが……それと今回とどう関係が?」


 ……まあ、理由なんて普通分からないよね。チエさんとは1年くらいの付き合いだけど、未だにその行動は理解の範疇を斜め上にぶっとぶしね。


「それが……チエさんがそのゲームに大層ハマっちゃって……せっかくだからと『みんなで大乱闘するのじゃ!』という号令の元、あれよあれよと色々やらかしちゃって……」


 僕はゲームの設定を話す。

 といっても、こう話せとチエに頼まれたから。


 ……面倒くさいけど、説明役頼まれたからしょうが無い。まあ、嘘じゃないしね。


 〝タケ殿、助かるのじゃ。他所(よそ)様の子達には、念話が通じにくいのじゃ〟


 「他所」ってどこなんだろうとは思うけど、コウタ達に通じにくいのならしょうが無い。

 そう僕は後ろめたく思いながら説明を続けた。


「ええと、チエさんがお正月の〝おふざけ〟で企画したことは分かりましたけど……武士さんもエレンウェさんも、珍しくそれを止めたりしなかったんですね?」

「っ!?」


 コウタは実にクリティカルの質問をしてくる。


「……武士さん?」


 いい辛いが話すしかない。


「……や、やっぱり気づいちゃったよね……実は今回のこのバトルロイヤル、優勝者には賞品として、チエさんが『どんな願いでも一つだけ叶えてくれる』んですよ」

「ええ!?」


 驚くコウタ。


「それに僕達も突然連れてこられたから、停める暇も何も無かったんだよ。チエさんを止められるのって、義母さんのマユコさんくらいかな? 功刀さんでも無理だしね」


 僕は、もうしょうがないと諦めている。

 だからこそ、リーヤの勝利は絶対にしたい。


「ほ、本当に願いを叶えてくれるんですか!?」


「うん……君も知ってるだろ? チエさんのデウスエクスマキナという名の『ご都合主義』を。といっても限界はあるだろうけどね」


 ああ、もうしょうがない。

 あの悪魔に巻き込まれたら最後、オモチャにされるんだ。


「……そういう訳で、この闘い、僕とリーヤさんは本気で勝ちに行くつもりだよ」


 だからこそ、僕は宣言をする。

 リーヤを勝ち残らせる為に。


「「「その話、乗った!」」」


 するとコウタの後ろにいたコヨミを含む3人の女性が叫ぶ。

 コヨミ以外は僕は知らない人だが、あの雰囲気なら戦闘系の方々だろう。


「よっしゃ! せやったらこのウチが、全員倒して賞品ゲットや! ……そんで、白雪姫城を貸し切りにしてもろて二人っきりの結婚式を……(ボソッ)」


「んふふ……いっそのこと、上代くんをピンクから略奪してやるわ……(ヒソヒソ)」


「ふふ……上代くんと永遠の師弟関係となって、大学から私生活まで一緒に……(ポツリ)」


 聞こえる限り、全員コウタが欲しいらしい。

 もちろん用途は異なる様だが。

 少し羨ましい様にも思うが、僕が今守るべきはリーヤのみ。


「だから、君達にはせっかく来てもらって悪いけど、勝たせてもらうよ?」


「は、はあ……」


 僕の宣言に、あいまいな答えのコウタだった。


「作者殿、辻褄あわせすまんのぉ。ワシ、サンボン殿のところで頑張ったのじゃが」


 別の意味で頑張りすぎですよ、チエちゃん。

 まあ、タケくんが戦う理由ってリーヤちゃんの願いや幸せをかなえるくらいでしょ。

 元々欲深くも無いし、今は幸せですし。


「そうじゃな。コウタ殿は、戦う理由があまり無い様じゃがな」


 元々戦闘職でもないんですから、そこはしょうが無いでしょう。

 では、18時更新の続きをお楽しみに。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ