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僕は異世界で美幼女姫様と刑事をする。〜異世界における科学捜査の手法について〜  作者: GOM
「戦隊ヒロインのこよみさんは、いつもごはんを邪魔される」など4作品合同コラボ作品 「チエちゃん、ご乱心。異世界でスマ○ラ大決戦!」

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第3話 新米騎士爵は、幼女2人に困惑する。

 今度は異世界CSIの話。

 タケ君が、リーヤちゃんやチエちゃんに困らせられる話です。

 では、どうぞ!


「くぅ、チエ殿。何かインチキはしてはおらぬか? 此方(こなた)、一向に勝てないのじゃ」


「それはないのじゃ。ワシ、ゲームでは正々堂々戦うのじゃ。インチキしても何も面白くないのじゃ!」


 今は休憩中。

 ゲーム機のコントローラーを握った二人の美幼女が、

対戦ゲームをプレイしている。


「うむぬ、タケ。このゲームに何か隠し技とか無いのかや?」


「僕は、そこまで詳しくないですよ。たぶん、フォルちゃんや目の前に居るチエさんの方が詳しいと思いますよ」


 いろんなゲームのキャラクターが対戦をするゲーム、ステージから追い出されるか、吹き飛ばされたら負け。

 2人は、正月くらいから良くこのゲームで対戦をしている。

 コウタの実家に着付けに行った後から、2人は良く一緒に遊んでいる。


 ……見た目は可愛い美幼女たちなんだけど、どちらも剣呑だものねぇ。最初は大人しくすごろくだったはずなのに。


 皆でボードゲーム形式の経営シミュレーションゲームで遊んでいた頃からエキサイト、どーやらインチキした人がいたらしく、そこから対戦ゲームへと発展。

 そして勝負はチエとリーヤの一騎打ちとなり、リーヤは一向に勝てていない。


「うー! もー怒ったのじゃ! 此方、絶対に勝てないのじゃぁ!」


 リーヤはコントローラーを放り投げた。


「リーヤ殿は短気なのじゃ。こういうゲームでは押すべき時と引くべきがあるのじゃ! 実戦でも同じじゃろ?」


「それはそうなのじゃが。うむむ、せめてこの扱うキャラクターが此方自身だったら、もっと自由に動けるのじゃ!」


「ほう、それは面白いアイデアなのじゃ。ぐふふ、ワシイイ事を思い付いたのじゃ」


 僕はチエの笑顔を見て、とてもいやな予感がした。

 これは、何かが絶対起こる。

 そう思った。


「では、ワシは一端準備に帰ってくるのじゃ! また何かやる時は連絡するのじゃ! では、ばいならー!」


 そういうと、魔神幼女は異空間へと跳躍した。


「もしかして、これはわたくし達も巻き込まれるパターンかしら?」


「ええ、マム。間違いなく。あの魔神将(アークデーモン)が何もしないはず無いです。生き死にの問題は絶対無いでしょうが、困った事にはなるでしょうねぇ」


 休憩中、優雅に本を読んでいたマム、悪寒でぶるっと震えていた。


「て、こたぁ自分も危ないんですか?」


「たぶん、そこは大丈夫かしら。アタクシも今回は大丈夫そうな予感がしますの」


「ええ、そうなったら留守番を御願いしますわ」


 今も本を読んで勉強中のブルーノは怖がる様子を見せるも、キャロリンは案外平気そうだ。

 マムも2人には留守番を御願いするつもりらしい。


「え、わたしも巻き込まれるんですかぁ?」


「だろうねぇ、アタイはまだしもゲーマーのフォルちゃんは逃がしてくれないと思うよ」


「拙者も同意見でござる。拙者はゲームダメでござるから呼ばれないでござろう」


 フォル、チエとはゲーム仲間なだけに巻き込まれるだろう事はボクも想定内だ。

 ギーゼラとヴェイッコに関しては……、どうなんだろう?


 しかし、事態は僕の予想からは斜め上の方向へと向かってしまった。


  ◆ ◇ ◆ ◇


「ぐふふ、久しぶりの暗躍なのじゃ。ここまでの異界構築は10年前の迷宮以来なのじゃ。あそこで作った死なない設定を生かすのじゃ。後は攻撃力の均一化なのじゃ。通常技と大技、移動能力、起動能力なども大体統一するのじゃ! あ、空を跳べるリーヤ殿の飛行能力は封じるのじゃ!」


「チエ様、また何かなされるのですか?」


「面白い事を思い付いたのじゃ。誰も怪我すらしない対戦決闘なのじゃ! これはマユ母様(かあさま)が居ないタイミングで行うのじゃ! バレたら、ワシ死ぬのじゃ! メイ殿達にも参戦してもらうのじゃ。こちらに来て以降、暇そうなのじゃ。あ、あのちっこい(コヨミ)のにも参戦してもらうのじゃ!!」


 配下の上級魔神(グレーターデーモン)(おぼろ)」が心配しつつ頭を抱えている中、チエはドンドンと高度な魔術と科学技術を駆使し、ローマ帝国期に作られた「コロッセオ」モドキの建物を異世界に構築していた。


  ◆ ◇ ◆ ◇


「一体、チエさんはナニを考えて僕達をここに呼んだのでしょうか、コウタさん?」


 お留守番のキャロリン、ブルーノ以外の捜査室の仲間は、東京にあるチエの実家に呼ばれていた。


「さあ、俺も詳しくは聞いていないし、今回は留守番だって。まあ、身重のナナ放り出しておけないし、マユ義母(かあ)さんも今日は朝から留守だし」


「そうですか。で、向こうの方々は誰ですか? 猫耳があるってことはウチの関係者ですか?」


 僕は辺境伯に挨拶をした後、状況を聞いた。

 しかし、芳しくない答えしか返ってこない。

 これは、絶対チエがろくな事を計画していないに違いない。


「あ、彼女達は……。ま、タケシくんには話しておいた方が良いか。実は『かくかくしかじか』で……」


「まあ、そういう事でしたか。ええ、チエさんに係った段階で何があっても驚くのは辞めました。ウチの異世界帝国に繋がるのも、隣の平行世界に繋がるのも大差ないです」


 内心の驚きを誤魔化しながら話す僕。


 ……何暗躍しているんだ、あの魔神ちゃんは?


「すいません、何かわたくし達にもイイ事があるってチエさんが言うので」


「いえいえ、あの魔神ちゃんに係った段階で同じ被害者ですから。でも、絶対彼女は誰も泣かさないし、泣いているのを嫌がりますから、そこは安心ですよ。ね、コウタさん」


「ああ! 絶対、そこは信用しているよ。まあ、大変な目に合うのが毎度だけどね」


 すまなそうに話す女性、おそらく2人の男女の母親なのだろう。

 僕は安心させるように話した。


「タケ、此方あの四人と話しても良いのかや?」

「もちろんです。こういう出会いも素敵ですから、どうぞです」


「では、行くのじゃ! 此方、リーリヤ・ザハーロヴナ・ペトロフスカヤというのじゃ! リーヤちゃんと呼ぶのじゃ!」

「リーヤちゃんって言うの? え、この羽とか角、しっぽホンモノなの? かわいー! わたし、秋月芽衣って言うの!」


「わたしぃ、フォルトゥーナ・フェーリスって言います」

「ふぉるおねえさま、わたし、らーら・ふぁびうす」


 リーヤは中学生くらいの女の子、メイと話しているし、フォルは同じ猫耳の少女、ラーラと話している。

 恥ずかしそうに見える男の子とはヴェイッコやギーゼラがどつき漫才風に話している。

 マムも母親と談笑中だ。


「皆の衆、お待たせしたのじゃ! これから『第一回チエちゃん杯、異世界! スマッシュバトルシスターズ!』大会を行うのじゃ!」


 そんな時、チエが突然現れて、僕達は全員異空間へと引きずりこまれた。


 ……あー、問答無用なのねぇ。ん? この引きずり込むの、太陽とかに出口設定されたら無敵じゃない? チエさんの事だから、思いついているだろうけど?


 〝ワシ、そういう身も蓋も無い攻撃は、余ほどの強敵以外は使わぬし、基本タケ殿らの成長優先で使わぬのじゃ!〟


 脳内突っ込みに念話で返してくれる魔神将。

 なんと、戦隊ヒロイン夫婦まで巻き込んだのだとか。


 ……ついでにゲームルールまで説明してくれて助かるけど、こりゃ大変だなぁ。完全に巻き込まれたコヨミさんにコウタくん、ごめんね。


 僕は完全に被害者の仲睦まじい夫婦の事を思った。


 ……さて、何でも願いを叶えてくれるって言うけど、そんなの僕は必要ないんだけどなぁ。


「さあ、皆の衆、戦うのじゃ! ワシは審判をするのじゃ!」


 はあ、他所様の子を巻き込んでのお遊び、困った事です。


「このアイデアは、サンボン殿のものじゃぞ。ワシを存分に使ってくれたのじゃ!」


 それなら良いんですけどね。

 誰も怪我させないでね。


「そこは安心なのじゃ。以前、コウタ殿達を案内した迷宮のシステムを使うのじゃ。絶対死なないし怪我もしないのじゃ!」


 それなら安心かな?


「では、いよいよゲームの開始なのじゃ!」

 16時更新をお楽しみに!


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