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僕は異世界で美幼女姫様と刑事をする。〜異世界における科学捜査の手法について〜  作者: GOM
第7章 捜査その7:怪盗紳士「アローペークス」登場!

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第34話 新米騎士爵は、美幼女に絡まれる。

「タケぇ、此方(こなた)、もう其方(そなた)を離さぬのじゃぁ!」


 今は事件解決後、城内食堂にて捜査室の面々及びルカ、そして陛下、御付きのアレクが集い慰労&反省会を行っている。

 因みに料理は、僕監修の上で作られた宮廷料理。

 以前よりも格段に腕が上がっているのが、一口食べた段階で分かる。


 ……うん、塩分も香辛料も控えめだし、フォン(出汁)も十分生かしている。更に温かいうちに食べられるよう食器から工夫されているのは、すごいね。


 肉類は加熱された鉄板型の食器を木のプレート上に置き、日本のファミレスとかで食べられる鉄鋳物のステーキ皿タイプになっている。

 他にも銀食器ごと湯煎していたりと、温かい食事をどう出すか、かなり研究したのが見受けられる。


 ……僕の案が取り入れてくれて嬉しいよ。さて、料理は良いけど、リーヤさんってば、そんなにくっ付いたら食べられないよぉ。


「リーヤさん、もう少し離れてくださいな。そう抱きつかれたら、折角の美味しくなったご飯も食べられませんからぁ」


 事件解決以降、リーヤは隙あらば僕にずっと抱きつこうとしている。


「じゃってぇ、タケは此方のモノなのじゃ! 誰にも渡しとうも無いのじゃ!」


「僕はリーヤさんの婚約者ですから、今更他の女性には眼をくれません。ですから、少しは安心して離れてはくれませんか?」


 イヤイヤと駄々っ子なリーヤ。

 抱きついた状態から見上げられている半分涙顔は幼いながらも、そこはかとなく色気も感じ、ほんのり桃色な唇に、つい視線が誘導されてしまう。

 更に押し付けられる事で、ふくらみかけの「山」の感触やら、成長途上ながらも柔らかい女体を実感してしまう。


 ……あの唇に何回もキスしたんだよねぇ、僕って。今回も我慢しなきゃ。まさか陛下の目前でラブシーンなんて演じられないぞ。


「この間の狙撃がカッコよかったのじゃ! あの時の台詞と陛下を襲うバカの四肢を吹き飛ばしたのが、とんでもなく良かったのじゃぁ! こんなカッコいいタケ、誰にも渡さないのじゃぁ!」


 どうやら最後の狙撃がキーだったようだ。


 ……僕、そこまでウケ狙った台詞じゃなかったんだけどねぇ。まあ、自分でもベストショットのひとつだったとは思うけど。


 200m程の距離かつ動きが比較的鈍い相手への狙撃。

 なんとなく予想していた動きだったので、楽勝とまでは言わないものの、上手くいった。

 陛下の台詞じゃないけど、あんなバカに戦死の「誉れ」など与えてやるつもりもない。

 「芋虫」にでもなって、反省してもらうに限る。


「なるほど、確かにあの一撃は余も惚れ直す一撃だったぞ。だが、リーヤよ。タケを開放してやらんか? ここでタケを其方(そなた)から奪う者なぞ居らんぞ?」


 少年皇帝は、毎度の光景を苦笑しながら見ている。


「陛下が一番タケを欲しがるのじゃ。此方、例え陛下相手でもタケはやらんのじゃ!」


 リーヤは少年皇帝にアカンベーをしながら更に僕に抱きついた。

 その様子に、ブルーノ以外の捜査室メンバーは笑いが止まらない。


「あのぉ。自分、このような場所に居て良いんでしょうかぁ? ものすごく怖いんですが?」


 借りてきた猫状態のブルーノは、ガチガチになりながらも愚痴を呟く。

 中立派の密偵でもあるブルーノとしては、正体がバレてなお皇帝の前に引きずられているのは、恐怖以外の何者でもあるまい。


「それは僕もそうです。陛下、僕は元怪盗の密偵でございます。かのような席に呼ばれる資格もございませぬ」


 ルカも、かなり緊張状態だ。

 先だっての戦闘では打ち合わせ通り、少年皇帝と連携して戦ったが、あくまで任務として。

 任務外に、こんな席に呼ばれたら困惑しかない。


 ……その上、リーヤさんが陛下と漫才モードなんだから、恐怖だよね。


 僕は、怖がる2人を見て苦笑してしまう。


「ルカお兄さん、大丈夫なのぉ。陛下はお強いだけでなくお優しく慈悲深いし、楽しいお兄ちゃんなの! わたしも一緒に日本へ旅行したもん!」


 ルカの横に座り、フォローするフォル。

 今回、フォルもノリノリでBGM選択をする際に、陛下と随分楽しそうに打ち合わせをしていた。


 ……フォルちゃん、今回は嬉しそうだったよね。幼馴染のお兄さんの無実を晴らせた上に敵討ちも出来たんだし。夜中の襲撃とかもあって大変だったのに、強いよね。僕も見習わなきゃ。


「そうだ。ここに集うものは臣下ではあるが、余の仲間・友でもある。気に食わぬのなら、最初から宴席になぞ呼ぶはずも無い。無礼講とまでは言わぬが、気になる事は余に遠慮せずに話すが良い!」


 少年皇帝は、ドヤ顔で宣言する。

 その様子に給仕をする方々からも苦笑がこぼれる。


「陛下、もう皆様にはバレバレですからお姿を偽らなくても良いですよ。どうせ根掘り葉掘り事件の内容を聞きたいのでしょう?」


 アレクも苦笑しながら陛下に言う。

 先だっての名乗り上げでアレクの正体を知ったのだが、ただの側仕えでは無く、護身・諜報を行うプロだった。

 老獪なツワモノとも剣戟で負けないくらいの強さであったのも見事だ。


「アレク、イイ加減僕が真剣にしようと思うペースを崩さないでくれる? そりゃ今回の事件は僕も存分に息抜きも出来たし、趣味満載だったけど」


 皇帝の仮面を外して、外見相応の幼い表情をしながらアレクに文句を言うミハイル。

 その様子に会場に更に爆笑が広がった。

「締めのエピローグじゃな。ワシも料理食べたいのじゃ!」


 チエちゃんが行くと話がややこしくなるんですが?


「じゃが、ワシも事件解決の功労者なのじゃぞ。フォル殿を守ったり、数々の証拠収集、更には帝都への強襲なぞワシのポータルゲートあってのものじゃろ?」


 自動車でも数日かかる距離を一瞬ですからね。

 なので、敵よりも情報戦においても圧倒的に優位でしたし。


「兵は神速を尊ぶのじゃ! こと情報戦において相手よりも先に情報を得、その上で準備をすれば100戦危うからずなのじゃ。作者殿も目移りせずにデッキ調整するのじゃぞ?」


 ごめんなさいね。

 前日に目移りして、TCGのデッキ変更して負けさらしたのは私ですから。


「何事も精進なのじゃ! これを期に更に励むのじゃ!」


 では、明日の更新をお楽しみ下さいませ。

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