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僕は異世界で美幼女姫様と刑事をする。〜異世界における科学捜査の手法について〜  作者: GOM
第7章 捜査その7:怪盗紳士「アローペークス」登場!

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第24話 新米騎士爵は、後輩ができた。

「タケ殿、俺を雇ってくれない? 俺、ボリス様に正直に報告したら首になっちまった」


 捜査室の事務所に、ブルーノが来ている。


「ほう、やはりバカではスパイは出来ないという事じゃな」


 リーヤは、ブルーノを馬鹿にするようにドヤ顔をする。


「リリーヤお嬢様、いくらなんでもそれは……」


 どうしても下手に出ざるを得ないブルーノは、リーヤに酷い事を言われても怒る事が出来ない。


「まあ、リーヤさん。そこまで責めちゃブルーノさんが可愛そうですよ。さて、どうしましょうか? 一応、身元調査済みですけどねぇ。マム、ご判断を御願いします」


 僕は話をマムに降った。

 なぜなら、捜査室としては僕は平捜査員で、雇用に関する事には一切関与していないからだ。


「そうねぇ。タケ、それに皆さん。これが罠だとは思わないかしら?」


 マムは、ブルーノに聞かせたくないのか、日本語で話す。


「普通はそうですよね。こうやって中に入って僕達の情報を子爵様に流すのに決まっていますし」


「バカな風を見せた有能なスパイというのも考えられなくも無いのじゃ。案外優秀なスパイは、油断を誘って情報を得るとも聞いた事があるのじゃ!」


 リーヤも僕と同意見の様だ。


「拙者は、邪魔者は居て欲しくはないでござる」


「アタイもヴェイっちに同意見。消しちゃう訳にはいかないけど、中にはいれたくないね」


 ヴェイッコ、ギーゼラは、最初から論外との判断。


「アタクシとしては、精一杯油断させて、ダブルスパイに仕上げても面白いかも」


「皆さん、ブルーノさんを信じてあげないんですか? 困った人を助けるのが、わたし達じゃないんですか?」


 キャロリンは、ただ面白がるばかり。

 そして、フォルは周囲の反応を信じられないのか、半分涙目だ。


「フォルちゃん。別にわたくしは、彼を拒否するとまでは言っていませんわよ。第一、わたくし達の仕事情報が中間派に流れたところで、敵対する気が無くなるばかりでしょう。何せ、こちらにはチエ様やリタ姫、ナナ様、コウタ様などの『恐ろしい方々』が居ますのですから」


 マムはフォルに寄り添い、慰めるように話す。


 〝ワシ、怖くないのじゃ!〟


 魔神将(チエ)からの苦情念話(テレパス)が飛んでくるが、全員無視をする。


 〝全員で放置プレーなのかやぁ! ワシ、寂しいのじゃぁ。せっかくブルーノ殿の背後関係を教えてやろうと思うたのにぃ〟


 ……はいはい、チエさん。分かりました。また遊んであげますから、ブルーノの件、教えて頂けませんか?


 〝タケ殿! 今度、日本に帰ったらリーヤ殿と一緒にケーキバイキングへ連れて行くのじゃ。それでチャラなのじゃ! さて、ブルーノ殿じゃが、首にはなっておらん。スダレンコフ子爵から捜査室に潜入命令が出ておるのじゃ。どうやら中間派は、保守派へ取引の為に流す情報を得たいのと、こちらに付く算段を考えておるようじゃ〟


 ……ケーキバイキングの件、了解しました。ブルーノの件、ありがとうございます。


 僕はため息を付くが、周囲の仲間はニヤニヤ顔で僕を見るし、リーヤに到ればワクワク顔だ。


「タケや! ケーキバイキングとは何なのじゃ! 此方(こなた)、何か楽しそうな気がするのじゃ!」


「リーヤさん、また後で説明しますね。と、いう事でマム。これ、ここで雇わなくても、情報は抜かれそうですね。なら、手元で監視しながら与える情報をコントロールした方がマシかもですね」


 ワクワクしているリーヤの頭を撫でて一端落ち着かせた僕は、マムに提案した。


「そうね。こちらに被害を与えたら、その時点で痛い目にあってもらえばいいかしら? 少なくとも、こちらから中間派に攻撃しなければ実害は与えては来ないわよね。ということで、下働きの雑用係として監視しましょう」


「りょーかい!」


「あのー。どうなったのですか? 俺には皆さんが話す日本語が分からないんですけど?」


 ブルーノは自分が分からない言語で自分の運命について話されているのが不安そうだ。


「アホな隠密がここにおろうとはなぁ。己の正体はバレバレなのじゃ!」


 リーヤは、ブルーノに対してワザと日本語で(あお)った。


「リリーヤお嬢様、一体何をお話しなのですか?」


 リーヤの煽り文句に対して無反応なブルーノ。


 〝こやつ、本当に日本語が分からんようなのじゃ。思考の表面的に見える範囲では、困惑以外読めんのじゃ〟


 僕に接触念話で話すリーヤ。


 僕はマムに対して一頷きすると、マムは異世界共通語でブルーノに話す。


「ブルーノ・フィオリーニ。貴方を捜査室の下働き、雑用係として採用します。ここでは、他の皆さんは皇帝陛下直属保安官であり、貴族階級を持っています。それを忘れずに働いてください」


「あ、ありがとうございます。エレンウェ様!」


 ペコペコとしているブルーノ。


「では、シタッパーのブルーノに命令なのじゃ! 全員分の菓子を近所の地球人向けスーパーで買ってくるのじゃ。タケはお目付けでいくのじゃ! なお、経費はタケが支払うのじゃ!」


 そこにいきなりリーヤが命令を下す。


「ちょ、なんで僕のお財布から全員分のお菓子買わなきゃいけないのー!」


「そんなの、二番目にシタッパーなタケが厄介事拾いこんだのが悪いのじゃ!」


 ニタニタ顔のリーヤ、ブルーノを雇い入れる切っ掛けになった僕をからかっているようだ。


「しょ、しょうがないか。お金を持っていないブルーノ君に無理は言えないからね。ブルーノ君、僕の事は先輩と呼びなさいね」


「タケ殿、いえセンパイ。了解です。でも、確か先輩とは歳上とか組織に入った順番が先の人の事でしたよね。確かにタケ先輩の方が捜査室では先輩ですが、いかにも年下の坊やに言うのは……」


 どうやらブルーノは、勘違いをしているようだ。

 これも日本人の年齢不詳具合と僕の童顔が悪い。


「さっきからキミの事を君付けで呼んでいるのに気が付いていないんだね。既に身元調査をした段階で年齢は分かっているんだ。ブルーノ君、キミより僕の方が1歳歳上だよ?」


「えー! うそぉ!」


 捜査室にアゴがハズレそうなブルーノの叫び声が聞こえた。

「さて、次の機会までに美味しいケーキが食べられるお店を調査なのじゃ!」


 もー、チエちゃんってば。

 物語に介入しちゃってますよ?


「なに、先に答え合わせをしただけなのじゃ! これで物語の展開が速くなったのじゃ!」


 確かに、今後の布石として「異物」を捜査室に入れてみるのも面白い試みではありますけどね。

 さて、では明日の更新をお楽しみに。

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