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僕は異世界で美幼女姫様と刑事をする。〜異世界における科学捜査の手法について〜  作者: GOM
第6章 捜査その6:日本ドタバタ観光編

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第68話 「海ほたる」での戦闘:その8「空中からの強襲!」

「では、僕が射撃で窓ガラスを割るのと同時に、リーヤさんは飛び込んでください」

「了解なのじゃ!」


 今、僕とリーヤは「海ほたる」4階大回廊無料休憩室の北側窓の外、空中に居る。

 僕は、5階からルナの糸で吊り下げられて、リーヤは自身の翼で。

 僕が「身隠しのマント」を羽織り、リーヤは自身の魔法による不可視状態だ。


「こちら、チエ。CPがあった船を異空間へ放り込んだのじゃ!」


 チエからの連絡が来た途端、敵の動きが怪しくなる。

 どうやら敵CPとの通信中に突然切れたからだろう。


 ……いくら異空間を経由するチエさん謹製の通信システムでも、チエさん自身が船ごとCPを異空間へ放り出したら、繋がる筈ないよね。


「どうする? このままではオレ達は全滅だ」


 敵集団は大声で泣き言を言い出す。


「落ち着け! さっきも言っただろう。ここが死地なのだ」


 そこで敵現場指揮官らしき男が大声で叫び、仲間達を落ち着かせようとする。


 ……この指揮官を倒したら、後は有象無象だね、こりゃ。


 そして一部兵士が3階へ降りて行く。

 3階では、既にマム達が銃撃戦を開始しており、現在優勢に戦闘を進めている。


「C4の起爆装置は何処だ?」


 指揮官が人質の中央に設置したC4爆弾に繋がっている起爆装置を受け取った。


 ……これを止める!


「リーヤさん、行きます! 僕が起爆装置とケーブルを撃ちますから、突入御願いします!」

「のじゃ!!」


 ……ふっ!


 僕は、両脚を窓ガラスに押し当て体勢を完全に固定してから、指揮官がスイッチを握った手をガラス越しに狙い、愛用の狙撃銃(M110A1)で撃った。


 7.62mm銃弾は、窓の強化ガラスを簡単に貫き、指揮官の左掌をスイッチごと穿(うが)った。


 ……もう一発!


 僕は、脚を元に戻しながら身体の揺れを止め、照準を床にずらし、スイッチから繋がる起爆ケーブルを狙い撃った。

 

 キュン。


 サプレッサーを使用している為に、そう大きな銃声はしないものの、近くで鳴った2回の銃声に流石に人質も敵兵も反応する。


 2発目の銃弾も僕の狙い通り、起爆ケーブルに命中、切断をした。


此方(こなた)、突撃するのじゃ!」


 僕の射撃を確認したリーヤは不可視を解除し、全身に緑色のシールドを纏ったまま窓を突き破り、右手のAKを手離して痛みに苦しむ敵指揮官へ体当たりを敢行した。


「そうはさせぬのじゃ!!」


 指揮官がテナントを区切る壁までリーヤに吹っ飛ばされて気絶するのが、僕に見えた。


 ……よし、今が攻め時!


「ルナさん、僕も中に入ります!」

「らじゃ!」


 僕は、身体を振り子のように揺らして、割れた窓から「海ほたる」4階に突入した。


  ◆ ◇ ◆ ◇


 ……ふぅ。終わってみれば、すっごく怖かったよぉ。僕、懸垂下降なんて練習した事も無いし、バンジージャンプもやった事なかったのに、よくぶっつけ本番で思いついてやったよねぇ。


 CQB(銃器近接戦闘)では、特殊部隊は窓からの突撃で懸垂下降を行うのだが、本来化学検査技師の僕がそんな事の練習をしている筈は無い。

 今回もルナ・リーヤという信頼できる2人の乙女達が守ってくれたのでやれたこと。

 同じ事を、もう一度訓練で1人でやれと言われても、最初からやる気も成功する気も起きない。


 ……しかし、我ながら不安定な体勢でよく当てたものだね。


 絶対当てられるという謎の自信があるのが不思議に思うが、今はその自信が頼りだ。


 ……必ず全員殺さずに捕まえてやる! そして後悔させてやるさ、どれだけ自分達が愚かだったかを。


 僕は「身隠しのマント」を頼りに、テナント間の隙間に隠れて次の射撃チャンスを狙った。


  ◆ ◇ ◆ ◇


「そうはさせぬのじゃ!!」


 わたくしは、敵指揮官を吹き飛ばした爽快感から叫んだ。


 ……まずは作戦成功なのじゃ! 敵指揮官の無力化、そして敵兵と人質の間に立って分断にも成功したのじゃ。


 わたくしは、背後の人質を守るようにシールドを傘上にして前面に展開した。


「リーヤちゃん!!」


 その時、背後の人質の中から聞いた覚えがある女性の声が聞こえた。

 ちらりとそちらに視線を送ると、海水浴でタケをからかった女性が幼子を胸に抱き震えていた。


「あら、チトセ殿かや? 待たせたのじゃ!」


 わたくしは人質達を安心させるべく、大声で助けに来た事を宣言した!


  ◆ ◇ ◆ ◇


「リーヤちゃん!!」

「あら、チトセ殿かや? 待たせたのじゃ!」


 わたしの叫びに、ニコリと笑って大声で答えてくれたリーヤ。

 巨大なコウモリの翼を大きく広げて、私達を背にして武装犯の銃口から守ってきてくれている。

 その姿は悪魔の羽を持ちつつも、わたしの眼には天上から舞い下りてきた天使に見えた。


 ……『ソレスタル(天上)ビーイング()』っていうより、『舞い下りる剣』の『自由』(フリーダム)かしら?


「ママ、この人(?)は一体?」


 パパは、いきなり現れた悪魔っぽい女の子に驚いている。


「この間、話したわよね。海水浴で知り合いになった異世界のお嬢さんなの」


「ままぁ。おねーさんは、れんざーさんなの?」


 マサトは、わたしの顔を見上げて、さっきまでの怯えた顔では無く、きょとんとした顔で聞く。


「そうねぇ、まーくん。正義の味方なのは間違いないわ。そうよね、リーヤちゃん!」


此方(こなた)は、なんたらレンジャーのお姉さんでは無いのじゃが、まーくん達の味方なのじゃ。人質の皆の衆、此方が来たからもう安心なのじゃ!」


 そうリーヤは、にこやかな表情で言って、そっと手を伸ばしてマサトの頭を撫でてくれた。

 そして、表情をキリっと変え、武装犯達を(にら)んだ。


「さあ、愚かな同盟とやらの尖兵ども。此方(こなた)、リリーヤ・ザハーロヴナ・ペトロフスカヤが相手なのじゃ! 大人しく縛に付くのじゃ! さもなくば、生きていることを後悔させてやるのじゃ!!」


 ドヤ顔をして仁王立ちをするリーヤ。


 その様子を見て、マサトはとっても嬉しそうな顔をした。


「おねーさん、がんばれー!!」

「リーヤ殿、大暴れカッコイイのじゃ。タケ殿も見事な射撃テクニックなのじゃ!」


 ええ、ここは第6章でも見せ所の一つですから張り切って書きました。

 しかしチエちゃんも豪快な手を打ちますねぇ


「ワシにも活躍場面欲しかったのじゃ! しかし、チトセ殿も同意見なのかや。やはり、あの時のフリーダムはとってもカッコよかったのじゃ!」


 確かにアレはガンダム史上、屈指の名シーンですね。

 最近は、ガンダムも異世界モフモフ(Re:)+プラモVRMMO(RISE)と面白い展開をしているのがイイですね。


「あの13話にはびっくりしたのじゃ。まさかあそこで衛星砲を撃たれてしまい、多くの犠牲者が出るとはのぉ。ホビーアニメと思っても油断できぬのじゃ! そして最終回辺りの展開にもびっくり、最初から全部伏線が繋がって居ったのじゃな!」


 今後はラノベ小説界も研究の余地ありですね。


「うむなのじゃ! 日夜修行が大事なのじゃ!」


 ということで、明日の更新をお楽しみくださいませ。


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