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僕は異世界で美幼女姫様と刑事をする。〜異世界における科学捜査の手法について〜  作者: GOM
第6章 捜査その6:日本ドタバタ観光編

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第67話 「海ほたる」での戦闘:その8「すとーきんぐ!」

「では、どういう作戦で行くのじゃ、タケや?」


 今、リーヤと僕は4階への侵攻作戦会議をしている。


「そうですねぇ? ルナさん、このイルミネーター映像ですと人質の方々は北側無料休憩所に集められているんですね」


 僕は情報が欲しいので、先ほどまで現場を監視していたルナに話を聞く。


「そうだよ。わたしが見たときは、窓から離れた地面に全員座らさせれて、中央に爆弾が置いてあったの。その周囲、窓から反対側に悪者達が銃持って見張っている形だね」


 ルナは現場の状況を説明してくれ、それを聞いたCPは簡単なCGで現場状況を再現、イルミネーターで表示してくれる。


「ふむ、これはあまり狙撃に対しては、警戒していませんね」

「こちらCPフォルですぅ。ドローン映像からも警備兵は窓の外には殆ど警戒していません」


 魔法により見えなくなっているドローンが、今事件現場の各所を飛びまわり情報を集めてくれている。


「今までは(ドラゴン)亜竜(ドレイク)が上空や近付く船舶に対して警戒していたので、少なくとも近くに建物が無い北側から狙撃されるとは思っていないのでしょう。ならば、そこが狙い目ですね」


 僕はイルミネーターの映像から作戦を立案した。


「では、3階での戦闘開始と同時に動きましょう。敵兵が自爆や人質を使う前に殲滅です。まあ、出来るだけ殺さずですけどね」


 今回、僕達は警察のお手伝い、殺人許可書(マーダーライセンス)なんて持っていないから大手を振って意図的に殺人を出来る立場には無い。

 できる限り穏便に事件を解決させて、ついでに組織のバックに居る真の敵を捕まえるのが目的だ。


「こちら、チエ。ならば敵のCPを先に潰したいのぉ。CPや、敵のCPの場所は把握済みかや?」


 「風の塔」での仕事がひと段落したらしいチエ、まだ暴れ足りないらしい。


「ドローンからの多点電波計測により、敵のCPは東京湾上の船舶と推定。現在の推定位置を提示します」


 フォルの声でイルミネーター上の東京湾地図の上に光点が現れる。


「風の塔から約3kmといったところかや。では、これはワシが仕留めるのじゃ。警察では力不足、軍やリタ殿では船ごと吹き飛ばしてしまうじゃろうしな」


 既にリタ姫も魔神将(アークデーモン)(ランス)」と共に、コウタ達と合流、やる事がないのでぶーたれているんだとか。


「では、ワシが敵CPを封じ次第作戦決行じゃ。アヤメ殿やマム殿には、先ほど伝えておいたのじゃ!」


 実に段取りが良い魔神将だ。


「では、作戦開始なのじゃ!」

「のじゃ!!」

「おー!」


 僕達の最終作戦が開始された。


  ◆ ◇ ◆ ◇


「おいおい、この作戦楽勝じゃなかったのかよぉ。これじゃ、連度不足で京都の待機部隊に居たほうがマシだったじゃないかよぉ」


 5階展望台に1人残り愚痴る白人青年。

 まだ若く、大学生という雰囲気だ。

 AKを慣れない雰囲気で構える。


「あー、こんな事じゃ作戦参加、いや、同盟なんて入らなきゃ良かったよぉ」


 青年は、左手で頭を掻き毟り、自らの行動を後悔する。


「上手い話があるって思ったんだよなぁ。正義の味方になれるとか、何人もの処女を相手できるとか。まさか入会した大学サークルが同盟の団員収集用の下部組織だったなんて……」


「俺だけ投降……、いや下の連中は自爆さえ願う狂信者達だぞ。どうやったら助かるんだよぉ……」


 青年は天を見上げた。

 空は雲が厚くなり、今にも雨が降りそうになっている。


「では、今投降しますか?」


 青年は背中に棒が押し当てられた感触を感じたと同時に、若い男性の言葉(英語)を聞いた。


  ◆ ◇ ◆ ◇


「あれ、あの子。すっかり途方に暮れていますね。あれ、撃っちゃうの可哀想かも」

「とはいえ、無音で無力化せねば、作戦に支障が出るのじゃぁ」


 今、僕とリーヤは空中。

 以前の鉱山の時同様、リーヤに限界突破(スーパーモード)してもらい、僕を抱いて飛行中。

 リーヤの誘拐事件の時の敵、ユーリの形見「身隠しのマント」をリーヤに被ってもらい、誰からも気が付かれずに飛行をしている。


「では、ゆっくり背後に(せま)って無力化しますか?」

「タケ、撃つのかや?」

「出来るだけ撃たない方向で」


 僕はもっとも穏便な作戦に出た。


 ……頼むから無駄な抵抗しないでよぉ。


  ◆ ◇ ◆ ◇


「では、今投降しますか?」


 青年は驚く、先ほどまで何も見えず何の音もしなかったはずなのに、背後に敵が廻っているのだから。


「あ、動いたら貴方を殺さなくてはなりません。それに僕1人ではないですから、抵抗をしても無駄です」


 のん気そうな声で投降勧告をしてくる背後の敵。


「先ほどまでの貴方の後悔を聞いています。今、僕達に投降すれば悪いようにはしませんよ」


 まるでピクニックの提案をするように気軽に声をかけてくる敵、青年はそのあまりのギャップに困惑する。


「ほれ、早う投降せねば、此方(こなた)が少々痛い目にあわせるのじゃ!」


 今度は幼い女の子の声だ。

 青年は更に困惑した、自分達の敵は一体なんだったのかと。


「リーヤさん、あまり脅かさないで上げてくださいな。ほら、震えちゃっているでしょ」


 青年は気が付いた。

 自分の手足が震えて、まるでいう事を効かないことを。

 そんな事を言わずにさっさと殺した方が早いはず、自分ならそうした。


「ですから、投降しますか?」


 青年は、後ろの敵があまりにお人好しなのに呆れて、銃を手離し両手を上に上げた。


  ◆ ◇ ◆ ◇


「助かりました。僕も撃ち合いになって下に気が付かれるとやっかいでしたから」


 僕は投降してくれた敵の若者を一応拘束して、礼を言った。


「これだから、タケはダダ甘なのじゃ。まあ、此方はそういうタケが大好きなのじゃがな!」


 リーヤはいつもの幼女スタイル、いや羽だけは大きくしたままだ。

 そして眼を見張り呆れている敵兵の前で、僕に抱きついた。

 

「もー、今そんな事を言っている場合じゃないでしょ。あれ、その羽はどうしたのですか? まさか部分的にスーパーモードになれるんですか?」


 僕はリーヤの姿に疑問を持ち、聞いてみた。


「これは陛下に教えてもらった限定解除(リミテッドモード)なのじゃ。魔力コントロールが少々難しいのじゃが、一部だけをパワーアップできるのじゃ!」


 自慢げに僕に羽をアピールするリーヤ、実に可愛い。


「では、行きますよリーヤさん!」

「はいなのじゃ!!」


 作戦はまだまだ続く!


「時間を少し巻き戻したのじゃな?」


 はい、チエちゃん。

 4階強襲前の打ち合わせ&5階制圧の話です。

 あと、敵CPの通信が異空間経由なのになぜ遮断されたかの答え合せです。


「そんなのワシがこの後、制圧したからに決まって居るのじゃ!」


 という訳です。


 そうそう5階にいた彼が話した、連度不足で京都に待機していた部隊、第170話「こよみさん」のコラボ企画に出ていた彼らです。

 京都にいた他部隊は自爆か逮捕されてしまい、行き先をなくして何故か現れたダークスフィアと結託した訳です。

 どうやらダークスフィアには政府に食い込んでいる幹部が居るようで、同盟のウラに居る真の敵ともなんらかの関係がある……のかもね。

 詳細は以下、サンボン先生の「こよみさん」読んでね。


https://ncode.syosetu.com/n0206gj/


「そういえば、最近は最初の話から後書きで解説を追加しておるのじゃな?」


 はい、銃関係が分からないという読者感想がありまして、なら他の専門用語も解説しようとしました。

 因みに今回のサブタイトルですが、ストーキング。

 軍事用語としては、相手に気づかれずに接近して無力化するという意味。

 なので、ちゃんと意味はあっているんです。


「まあ、これで読者やPVが増えれば十分なのじゃ。とりあえずブックマークも100人越えたし、今後が期待なのじゃ!」


 という事で、皆様応援の程、宜しく御願い致します。


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