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僕は異世界で美幼女姫様と刑事をする。〜異世界における科学捜査の手法について〜  作者: GOM
第6章 捜査その6:日本ドタバタ観光編

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第64話 「海ほたる」での戦闘:その5「美幼女、危機一髪!!」

「こちら、ギーちゃん。2階駐車場で警備兵2人確保。いちおー生きているよ! もう上がって来ても大丈夫」


 ギーゼラから嬉しそうな声がイルミネータ越しに聞こえる。


「では、上に注意しながら上がりましょう」

「おー!」


 僕達は止まっているエスカレーターを警戒しながらゆっくり登った。


「こっち!」


 小声でジェスチャーしながらギーゼラが自分の居場所を僕達に知らせる。


「お疲れ様です!」


 僕達がギーゼラの処に行くと、彼女の足元に2人の敵兵が転がっている。


「手足の腱切って、眠りの精霊ぶち込んだから、もう大丈夫だよ」


 ……エゲツナイけど、殺されなかった分感謝して欲しいよね。


「では、失血死しない程度に、『痛いの痛いの、飛んで……キャンセルね!』」


 マムのイイ加減な祈願で、敵兵の傷口からの出血が止まる。


「マム。その祈願呪文って、もしかしてアドリブですか? なんかとても神に祈るって感じじゃないんですけど……」


 僕はいつも思っていた疑問を聞く。


「まあ、そこは詳しくは聞かないでほしいですわぁ。恥ずかしいんですものぉ」


 真っ白な頬やエルフ耳を朱に染めるマム。

 その様子は、とても一児の母とは思えないくらい可愛いな、と僕は思った。


「タケや。マムを口説いてどうするつもりなのじゃ? タケは此方(こなた)の事だけ見ておれば良いのじゃ!」


 リーヤは、頬を膨らませて、ぶーと言いながら、僕の腕を両の腕で抱え込んで自分の胸に押し付けた。


「ちょ、リーヤさんってば。恥ずかしいですよぉ。まだ戦闘中なんですから、気を抜かないように、……」


 僕がそう言った時、何か違和感、いや強烈な寒気を感じた。

 そして、リーヤの額に赤い光点があるのに気がついた。


「リーヤさん!!」


 僕は、すかさずリーヤを抱え込んで、横っ飛びにアスファルトの地面を転がった。

 すると、僕達がさっきまで立っていた処に何かが突き刺さり、その後から銃撃音が駐車場に響いた。


「皆、狙撃です! 周囲警戒、姿勢を低くして物陰に隠れて!!」


 僕はリーヤさんを抱え込んだまま大声で叫んだ!


「タ、タケぇ……」


 リーヤは振るえながら僕に抱きつく。


「リーヤさん、大丈夫。必ず僕がリーヤさんを守ります。まずは落ち着いて、車の陰に隠れますよ」

「わ、分かったのじゃ!」


 僕はリーヤの額に軽くキスをして、リーヤを抱え込んだまま、駐車されている運転席に銃撃を受けた大型バン同士の隙間にもぐりこんだ。


「タケや。今のは狙撃なのかや?」

「ええ、そうですね。射撃方向までは確認出来なかったのですが、おそらくは」


 リーヤは蒼白の顔で僕を見上げる。


 ……このフロアーはギーゼラさんが確認済みのはずだから、上のフロアーからの狙撃かな? この狙撃兵を倒さないと先に進めない。もう上に通報はされただろうし、ここから先は銃撃戦になるな。


「こちらタケ。CPどうぞ!」

「はい、CPコトミです。大丈夫ですか? 状況は大体把握しています。全員のイルミネータ情報から、敵は上の階から狙撃をしています。また敵通信機情報から、タケシ君達との接敵情報が敵CPに連絡されています」


 優秀な情報解析員とオペレーターが居れば、鬼に金棒。

 イルミネーターに先ほどの狙撃方向及び位置が表示される。


 ……これなら、逆狙撃も出来るね。


「ギーゼラさん、聞こえますか?」

「あいよ! CPとの話は聞こえているよ。アタイ、上に行けばいいんだよね?」


 察しの良いギーゼラは、僕の意図を早く汲んでくれた。


「はい、狙撃兵の他にも敵兵は居ると思います。たぶん、エスカレーターから下層にくると思いますので、足止めと出来るだけ倒してください。敵を最悪殺しても構いません。アヤメさん、マム、いいですよね?」


 僕は上官2人に指揮内容を確認してもらう。


「ええ、いいわ。ギーゼラさん、わたしも一緒に影に潜らせてくださいな。少々暴れたいの」

「タケ、了解よ。アヤメ様、わたくしはこちらの指揮をしますので、どうぞいってらっしゃいませ」


 うずうずしているのが声で分かるアヤメ。

 やられっぱなしでは気がすまないのだろうし、殺された警備員の敵討ちはしたいだろう。


「では、お2人とも御願い致します。僕は狙撃兵にカウンターを仕掛けます。リーヤさんはヴェイッコさんと合流して、危なくないところへ……」


 僕がリーヤに逃げる様に言うと、


「イヤなのじゃ! 此方、狙撃は怖いのじゃが、それ以上に此方の目の前からタケが居なくなるほうが怖いのじゃぁ!!」


 そう叫び、僕に飛びかかるように抱きついた。


「もうしょうがないリーヤさんですね。はい、分かりました。では、一緒に敵を倒しましょう!」

「それでこそ、此方が愛するタケなのじゃ!!」


 涙顔で僕を見上げるリーヤ、とっても可愛い。


「じゃあ、ちょっと離れてくださいな。このままでは動けませんから。作戦会議しましょ」


「もー、作戦打ち合わせ中くらいは、このままハグさせて欲しいのじゃ!」


 ぶーたれるリーヤの頭をヘルメットごと撫でる僕。


「さあ、早く狙撃兵を片付けて、捕らえられている人達助けに行きますよ!」

「おうなのじゃ!!」


  ◆ ◇ ◆ ◇


「CP、こちら3階駐車場B。2階に敵兵あり。今、狙撃で足止め中。アイツらカンが良すぎだぞ! 初弾を避けられた。今Aに下へのエスカレータを押さえに行ってもらっている。敵は警察や軍隊なんかじゃない、異世界のバケモノ共だ。一体どうなっていやがる!!」


 3階駐車場に陣取る狙撃兵は銃口を下の階に向けたまま、CP(指令所)に向けて小声の英語で愚痴る。


「こちら、CP。『風の塔』が沈黙状態だ。またドラゴン共も先ほど全滅した。正真正銘の異世界のバケモノ共が攻めてきていやがる。そちらの1階、2階も連絡が取れない。なんとかして敵の足止めと撃破を頼む、上層から応援を至急送る」


 CPからの声、想定外の事態に狼狽気味だ。


「了解。少しでも異世界のバケモノを殺してやる。アイツらは我らが『神』を冒涜している!」


 狙撃兵はスコープを異世界人が隠れているであろう、自動車の陰に向けた。


「お! なんだ、アレは!!」

「いよいよ、銃激戦の始まりなのじゃ! ワシも余裕があれば助っ人に行くのじゃが、今は事故車輌から救護者を助ける事で手一杯なのじゃ。リーヤ殿、タケ殿、がんばるのじゃぞ!」


 チエちゃん、忙しいところ声援ありがとうです。

 これから、戦闘は激しくなっていきます。

 明日の更新をお楽しみ下さいませ。

 ブックマーク、評価、感想、レビュー、更にファンアート等頂けたら、作者は天にも昇りそうになりますぅ。

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