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僕は異世界で美幼女姫様と刑事をする。〜異世界における科学捜査の手法について〜  作者: GOM
第6章 捜査その6:日本ドタバタ観光編

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第49話 新米騎士爵は、改めて仲間達を母親に紹介する。

「タケシ、とりあえず落ち着いたら皆さんの事、ちゃんと紹介してくれないかしら?」


 母は、僕とリーヤが揉み合っているのを、(あき)れて見ながら話す。

 もちろん陛下含めて僕の仲間達も呆れている。


「リーヤちゃん、いやリーヤお義姉(ねえ)ちゃん! そろそろしっかりしてよね。義妹(いもうと)として、そろそろ恥ずかしいんだけどぉ」


 (カナ)はそう言って、リーヤの首元をひょいと掴み、リーヤを軽々と持ち上げた。


 ……さすが、強力(ごうりき)カナ。華奢に見えて、力強いからねぇ。


「カナや。もう少しタケを抱かせるのじゃ! ん! あれ? カナ、此方(こなた)の事を義姉(あね)と呼んでくれるのかや?」


「当たり前でしょ? おにーちゃんのお嫁さんなら、わたしのおねーちゃんだもん」


 リーヤは不思議そうにカナの顔を見るが、カナはあっけらかんとしている。


 ……この場合、カナの単純かつ怖いもの知らずが上手くいって、いきなり現れた魔族かつ異世界貴族の小さな子を義姉と認めたんだよね。普通、もう少し躊躇(ちゅうちょ)するよ。


「あー、此方嬉しいのじゃ! 初めて義妹(いもうと)が出来たのじゃぁ!!」


 リーヤ、今度は嬉しそうにカナに抱きつく。


「はいはい、おねーちゃんは、少し落ち着いてね。あ、一緒にお菓子食べようよ。美味しいモナカだよ」


「うん、一緒に食べるんじゃ、カナ! しかし、カナのお胸はすごいのじゃ!」


 2人は一緒になって自分の席に移動してゆく。


「はー、カナありがとう。リーヤさんを御願いね」

「りょーかい。こんなかわいーおねーちゃん出来て、わたしもうれしー!」


 リーヤを膝に乗せたカナは仲良く一緒にモナカを食べる。


「これはすごいのじゃ! 甘すぎず、しっとりとした餡がたまらんのじゃ!」


 リーヤはカナとモナカに夢中になったので、ひとまずは安心。


「さあ、タケ。余のことをご母堂に紹介するのだ!」

「はい、了解しました」


 僕は陛下に異世界語で返答した後、日本語に切り替えて母に紹介を始める。


「お待たせ、母さん。では1人ずつ紹介するね。母さん、驚かないでよね。こちらの男の子、彼が異世界帝国皇帝 ミハイル2世陛下」


 僕は陛下を母に紹介後、異世界語に切り替える。


「陛下、では宜しくお願いします」


「うむ。余はミハイル・ウラジーミロヴィッチ・オルロフである。タケには、随分と世話になっておるし、友達にもなってくれた。公私共に余のかけがえのない仲間である。お母上、よくぞお一人で立派にタケを育ててくれた。また、ご主人の事はタケから聞いて知っておる。実に勇敢で素晴らしい人物だったのだと。あの時、余がもう少し早く敵の首魁を討ち取っておれば、ご主人が亡くなることも無かったやも知れぬ。お母上には誠に申し訳ない」


 僕はびっくりしつつも、陛下が話したように日本語訳をした。


「本当に陛下がそんな事をおっしゃっているのかい、タケシ?」


「本当なのじゃ! 此方も保証するのじゃ!」

「お母様、陛下は本当にタケに感謝しておるし、お父様の事を謝っておられるのじゃ!」


 母は、皇帝陛下というのは理解しているようだけど、その言葉にびっくりしているらしい。


「リーヤちゃんやチエちゃんがそう言うのなら間違いないね。陛下、主人の事はもう既に過ぎてしまいましたこと。あの人、また空の上で喜んでますわ。息子が異世界帝国皇帝の友達になって、自分のことまで褒めてくれたって。それと、タケシの事も貴族、そして直属の部下にまでにしてくれたとの事、ありがとうございます。未熟で不束者の息子ですが、今後とも宜しくお願い致します」


 母が今度は座布団から脚を外し、畳の上で三つ指ついて陛下に頭を下げた。


「お母上、お顔をお挙げ下さい」


 陛下は、母に歩み寄り、その両手で母の手を握った。


「タケは、立派な男でございます。彼が帝国に住まう限り、余が全力を持って友として守ります。この事は帝国皇帝の名の下に宣言します」


 陛下、自分自身の言葉として母に接触念話(テレパス)で話している様だ。


「は、はい、ありがとうございます。宜しくお願い致します、陛下」


 母は、涙を(こぼ)しながら陛下に礼を言った。


「あれ? 母さん、チエさんの事知っているの? さっきの口ぶりなら信用しているようだけど」


 僕は母に疑問を問う。


「あ、チエちゃんね。カナ経由で知り合いになったの。いい子、いや魔神さんよね。今回も丁寧に現在の状況を随時丁寧に教えてくれたわ。まあ、京都の事件の事は教えてくれたかったけど」


 母は陛下が元の席に戻るのを確認後、眼元の涙を拭って座布団に座りなおした。


 ……そういう事ね。なら、東京での飛竜(ワイバーン)事件は僕が関係しているのは知らないんだね。


「お母様、すまんかったのじゃ! 心配をすると思い、無事に解決した事件については話さなかったのじゃ。もう終った事じゃから話すが、東京のワイバーン事件もタケ殿が活躍して退治したのじゃ!」


 チエ、とうとう飛竜事件まで母に話してしまう。


「あら、そうだったのね。タケシ、アンタ大活躍じゃないの! 母さん嬉しいわ!」


 ……あちゃー、これは困った。母さんには隠し事できないけど、チエさんまで母さんには隠せないのかも。


「おにーちゃん! ますます、すっごーい!」

「カナや、此方も飛竜退治や爆弾犯を捕まえるのに活躍したのじゃ!」

「そうなんだ! リーヤおねーちゃんもすっごーい!」


 カナは膝に乗せたリーヤの頭をナデナデ。


 ……どっちがお姉さんか、分からないんですけど。


「あ、紹介を続けますね。こちらの男性が陛下の護衛兼側近のアレクさん」

「はい、お母様。タケ殿には陛下がお世話になっております。宜しくお願いいたします」


「あら、いいオトコね。タケシが陛下に問題行動起こしそうなら叱ってやってくださいね」


 ……母さんてば、僕は陛下には悪い事はした事が……。あ! デスソースがあったっけ? でも、アレは陛下を助ける為だったもん。


「次は、もうお話しをしていますが、僕の帝国での直属上司。異界技術捜査室、室長のマムことエレンウェ・ルーシエンです。マムどうぞ!」


「はい、お母様。いつもタケにはお世話になっています。もう今ではタケ無しでは事件解決も出来ないくらいなんですよ。で、これがわたくしの1人息子のフェアノールです。フェアご挨拶は?」

「はい、おかーたま。ぼくは、ふぇあのーるといいます」


「フェア君ね。はい、宜しくね」


 母はフェアの小さくてモミジの様な手を軽く握って挨拶を返した。


「ルーシエン様、いつも息子がお世話になっております。日本語がお上手なんですね。失礼ながら貴方様もシングルマザーとの事。お仕事が大変な上にお子様の面倒までとは大変ですね」


「ええ、そうなの。少し前まではわたくしが単身赴任で息子とは会えなかったのですが、最近はチエ様のおかげで実家へは一瞬で帰れるから、毎日息子とは一緒に暮らせているんです」


「それはよかったですわ。こんな可愛いお子様とは一緒に暮らしたいですものね」


 母は慈愛の表情でフェアがモナカに苦戦しているのを眺める。


「はい、そうなんですよぉ。この間まではフェアが居なくて寂しかったから、タケを代わりに抱っこしていましたの」


「あら、ルーシエン様も! わたしも寂しい時はタケシをよく抱っこしましたのよ!」


 なんか、母親トークが暴走している気がする。


「おほん、母さん次行くね。リーヤさんやチエさんはもう省略して……」


「タケのいけずぅ」

「タケ殿、連れないのじゃぁ!」


 のじゃ幼女2人は放置して、


「同僚のヴェイッコさん、ギーゼラさん、キャロリンさん、フォルちゃんです」


「ご母堂殿、拙者、ポータムでサムライをやっておるヴェイッコ・スシ・カルヒでござる! タケ殿には幾度も助けてもらったでござるよ!」


「お母様、アタイはギーゼラ・マルレーネ・ギンスターでい。タケっちにはさっき話したとおり、家族を助けてもらったの」


「ワタクシ、キャロリン・ジョスリン・ショーネシー、監察医ですの。タケには美味しいご飯をいつもご馳走になっていますのよ」


「わたし、フォルトゥーナ・フェーリスって言います。たぶんカナさんとは同い年になります。タケお兄さんには、色々可愛がってもらっていますぅ」


「あらあら。皆さん聞いていた通り、日本語が上手いわね。しかし、凄いメンバーよね。皆さん全員種族がバラバラ。でも仲良さそうで安心しました」


 母は、皆ににっこりと笑い返した。

 なんかカナちゃんとリーヤちゃん、マムとお母様、守部 智代(もりべ ともよ)さんの暴走で少し文面増えてしまいました。


「守部家の女性はパワフルなのじゃ。さっそくリーヤ殿を懐柔したのじゃ!」


 懐柔とは聞こえが悪いけど、仲良いのはイイ事だと思いますよ、チエちゃん。

 さあ、では続きは明日へ!

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