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僕は異世界で美幼女姫様と刑事をする。〜異世界における科学捜査の手法について〜  作者: GOM
第6章 捜査その6:日本ドタバタ観光編

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第47話 新米騎士爵は、仲間達と一緒に地元を歩く。

「つまり、カナが僕の異世界行きを呟いた時にチエさんが反応して、お互いに詳しい事話し出したんだよね」


「そうだよ。おにーちゃんの事心配になって呟いたら、DMがチエさんから飛んできて、後は話した通りなの」


 僕達は、僕と(カナ)を先頭に駅から北に伸びる寂れた商店街を歩く。


「ここは人通りが少ないのじゃ!」


「今、地方の商店街は、何処もこんな感じですね。郊外型の大型店舗が主流になり、こういう昔ながらの商店街は寂れる一方ですね」


 僕は久しぶりに見る街並みが、シャッター街になっているのを悲しく思う。


「今じゃ、モナカのお菓子屋とスポーツ用品店、鶏肉屋さんくらいしか儲かっていないよ!」


 カナは、残念そうに話す。


「まだ、あそこは元気なんだ」

「うん、今日のお茶菓子にモナカ買ってきたから、皆食べてね」


 頑張って生き残っているお店を思い、僕は商売の難しさを実感した。


「タケ、モナカとはなんだ? 通訳越しでは話しが分からぬ?」


「陛下、モナカとはお菓子にございます。このお店のモナカは元々、江戸時代に四国は高知、土佐藩のお殿様が将軍様への献上品に使っていたお菓子だと聞いています」


「ほう、あの将軍も食べたかもしれぬ菓子とは興味深い。ぜひとも食べるぞ」


 少年皇帝は、僕の説明で興味を持ったらしい。


此方(こなた)、急いで食べたいのじゃ! 早うタケの家に案内するのじゃ!」


「はいはい。ではリーヤさんは僕の母さんに会うときの挨拶考えておいて下さいね」


「あう、それは困ったのじゃぁ!!」


 リーヤ、お菓子を食べたいと思うも、その前に僕の母との顔合わせにドキマギする。


「リーヤちゃん、大丈夫だよ。母さんはもう色々知っているし、いつも通りのリーヤちゃんを見せたら良いの!」


「そうなのかや? うみゅぅ、いつもの此方とは、どういう此方なのじゃぁ!?」


 カナがフォローしてくれるが、まだ不安そうなリーヤ。

 その悩む様子も可愛いとは表立っては言えまい。


「まあ、可愛い姿見せたらいいんじゃないですか? 大抵の人はリーヤさんのお姿でイチコロですよ!」


「タ、タケぇ! 恥ずかしい事を言うのではないのじゃぁ!!」


 僕の指摘に顔を真っ赤にして激しく羽と尻尾を動かすリーヤ。


「おにーちゃん、知らない間にジゴロになっていない? それ、殺し文句だよ!」


「拙者、タケ殿が恐ろしくなってきたでござるよ。恥ずかしがらずに、そんなノロケ言える様になっているのが、たまらんでござるぅ」


「そうよねぇ。この間のアレ以降、タケも積極的にリーヤに恥ずかしい事を素で言える様になるなんて。わたくし、少し恥ずかしいですわぁ」


 僕の一言で、リーヤだけでなく、カナ、ヴェイッコ、マムまで恥ずかしがる。


「うむ、余も恋愛関係はタケで勉強しよう!」


「御意でございます。ただ、お互い上品な付き合い方をなさりますよう、お願い致します」


 そして陛下や御付のアレクまでの僕達を(いじ)る。


「ちょ、皆さん。あんまり僕を弄らないで下さいなぁ」


「だって面白いからなのじゃ! 因みにさっきの会話もワシ録画済なのじゃ!」


 チエも容赦なく僕達の痴話を撮影記録している。


「もー勘弁してぇ!」

「タケ、此方も困ったのじゃぁ!」


 2人の叫びが重なったのは、もはやお約束なのか。


  ◆ ◇ ◆ ◇


 商店街を抜け、国道を渡り、狭い路地を通って、古い家屋が並ぶ中にある実家に僕達は着いた。


「ここがタケの実家かや? 東京とかではあまり見ないタイプの家じゃな?」


「ええ、築40年越えの木造日本家屋です。中身は比較的最近リフォームしているので見た目よりは今風ですよ」


 久しぶりに見た我が家、家同士が隣接しているので建築許可が今の建築基準法では降りず、新築に出来なかったのでリフォームとして柱と屋根組みだけ残して一度解体、そして組み上げなおしたのが今の家だ。


 ……家の前に4m道路が必要とか、家との間の距離がどうとか、結構めんどくさいんだよね。ちょっと前、家のリフォーム番組が流行ったのって、建築基準法上、新築できないからだったはず。


「では、皆さん家に入ってください。あ、中に入ったら靴は脱いでくださいね」

「はーい」


 そして僕は玄関を開けた。


「ただいま、母さん!!」


  ◆ ◇ ◆ ◇


「皆様、遠いところをようこそいらして下さいました。ウチのタケシ、皆様にご迷惑をおかけしていませんでしょうか?」


 母は、皆を応接間に案内してお菓子と麦茶を配ってくれた。


「いえいえ、タケにはいつも助けてもらっていますの。彼が居なければ解決できなかった事件も多いのです」


 マム、フェアを膝の上に乗せ、綺麗な正座で母に話す。


「そうなのですか? ウチの子、どうも詰めが甘いし、気弱なところが多いから心配していたんです」


 母は僕の顔を見ながら、心配そうな顔をする。


「母さん、僕だってもうオトナなんだから、無理しない程度には頑張っているよ」


「そうだよ、お母様。この間もタケのお陰でアタイの両親や村の皆助けてもらったし」


 僕の答えにギーゼラがフォローしてくれる。


「そうなの? こんなのでもお役に立てているのなら安心だわ。ギーゼラちゃんって言ったわよね。これからもウチの子を宜しくね」

「はい!」


 母は、ギーゼラに笑いかけて話した。


「それなら、此方もタケにはお父様を助けてもろうたし、此方自身はいつも助けてもろうたのじゃ! お母様、わたくしからお話しがございます」


 リーヤはちゃんと正座をして、母に向いて話し出した。


「お母様、わたくしリーリヤ・ザハーロヴナ・ペトロフスカヤ、かのような幼き姿にして、地球人類とは寿命も大きく異なる身ではあります。しかしながら、タケ殿を愛している事には間違いありませんし、一生をかけてタケ殿を守りたいと思っております。お母様に連絡も無く、異世界にて勝手にタケ殿との婚約等をしてしまい申し訳ありませんでした。正直なところ、わたくしではタケ殿との御子を成せるか分かりませぬ。ですので状況次第では、ヒト族から第二夫人をもうけ、タケ殿の血筋を残せるよう行う所存であります」


 リーヤ、丁寧な日本語で切々と母に話す。

 母も真剣な表情でリーヤの話を聞いている。


「ですので、出来ますればお母様にもタケ殿とわたくしの婚約を認めていただきたいのです」


 リーヤは座布団から立ち、畳の間に直接正座をして、三つ指を突き頭を下げた。


「ちょ、リーヤさん!」

「タケシ、貴方は少し黙っていて!」


 リーヤの謝罪にびっくりした僕は、リーヤに声をかけるも母さんの一声で黙らさせてしまう。


「リーヤさん、貴方は本当にタケシと結婚したいのですか?」


 母はリーヤに向けて鋭い目線を送った。

 タケくんのお母様とリーヤさんの顔合わせ始まりました。

 書いている作者も、自分の時の事を思い出して思わず緊張してしまいました。


「リーヤ殿、勝負に出たのじゃな。本来言わなくてもいいだろう、タケ殿との御子についてまで話しおった。これが吉と出るか、凶とでるか。ワシ、助言する暇も無かったのじゃ。どうも、タケ殿のご母堂から妙なプレッシャーが放たれていて、念話するチャンス逃したじゃ! もしやご母堂も能力者かや?」


 母は強いですからねぇ。

 では、明日の更新をお楽しみに。

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