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僕は異世界で美幼女姫様と刑事をする。〜異世界における科学捜査の手法について〜  作者: GOM
第6章 捜査その6:日本ドタバタ観光編

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コラボ企画! 番外編「京都での邂逅!」

 今回、サンボン様の作品

「戦隊ヒロインのこよみさんは、いつもごはんを邪魔される! ~君の想いが、料理が、ウチを強くする~」

と「異世界CSI」がコラボをする事になりました。


サンボン様の作品は以下

https://ncode.syosetu.com/n0206gj/


 舞台は京都、時間軸はIF、外伝なので細かい事はお気になさらずに。

 いつもよりも、イチャコラ成分増量でお送り致しております。


 では、こよみさんとリーヤちゃんの対決(?)、どうぞお楽しみ下さいませ。


「ここが、金平糖(こんぺいとう)とやらがある店かや?」


 僕とリーヤは今、京都祇園にある金平糖専門店に来ている。

 連続自爆事件の後、少ない時間だけど僕達は京都での観光を愉しんでいるのだ。


「で、金平糖とは何なのじゃ?」


「えっとですね。金平糖とは砂糖菓子の一種です。元は戦国時代にポルトガルという国から渡って来た菓子です。氷砂糖を煮詰めた密に核となるもの、今はザラメを使うそうですね、それを入れて一週間くらいゆっくり成長させると、こんな風にイガイガの棘が出来た形になるそうです」


 僕はネットで情報を調べて、リーヤに説明した。

 確か、織田信長公はお酒があまり呑めず、甘党だったというのが最近の学説。

 たぶん、この金平糖も信長公は食べて感動したのだろう。


「甘い菓子なのじゃな。此方(こなた)、食べるのが楽しみなのじゃ!」


 僕達は多くの客で、ごった返しているお店に入った。


「うわぁ、タケや! これは本当に食べても良い菓子なのかや? まるで宝石みたいなのじゃ!」


 流石は専門店、まるで宝石の様に色とりどりの金平糖がショーケース内で鎮座している。

 客層を良く見ると海外からの客も多く、案外僕達は浮いていない。


「ええ、これは食べ物ですよ。あ、ここに試食があるので、どうぞ」


 僕は小さな容器に入った試食用の金平糖を取り出し、リーヤに渡す。


「ふむ……! これは甘いのじゃ! 宝石みたいじゃが、甘いのじゃぁ!」


 リーヤは尻尾と羽をブンブン動かして喜ぶ。


 ……コレ、周囲の視線が痛くなったんですけどぉ。ちょっとリーヤさん、興奮しすぎ。


 妙な視線を沢山感じる僕。


 ……後ろの大学生男子と中学生女子っぽい2人連れ。年齢差あるっぽいけど、カップルなのかなぁ。まあ、僕の方も100歳は歳の差あるけど。


「うわぁ、タケや見るのじゃ! どれもこれも綺麗でおいしそうなのじゃ!」


「そうですねぇ。 ……あ、リーヤさん。集合時間が近いです。そろそろ戻らないとマム達が暴れだしかねないですよ? 皆さん欠食児童の方々ですから」


 僕は、待っているであろうマムの怒った顔を想像した。


「むぅ。イヤなのじゃぁ。此方は、もう少しタケとデートするのじゃ! ……タケは、此方と2人っきりで居たくは無いのかや?」


 リーヤは、ぶーたれた顔で僕を睨む。

 そんなリーヤが可愛くてしょうがない。


「え!? そ、そんなの……。僕だってリーヤさんとは2人で一緒に居たいですよ」


 僕は真顔で答える。


 ……だって、ヘンに意識してニヤケた顔なんてリーヤさんに見せたく無いもの。


「えへへ……此方、やっぱりタケが大好きなのじゃ!!」


 そう叫んでお店の中にも係らず、リーヤは僕に抱きついた。


 ……あーん、周囲の視線が無茶苦茶痛いよぉぉぉ! あ、さっきの大学生くらいの男の子に呆れられたよぉ。


 僕は赤面する店員さんやお客さんの中で、リーヤさんに抱きつかれたまま棒立ちするしかなかった。


  ◆ ◇ ◆ ◇


「もうリーヤさんたらぁ」


 僕は無理やり腕を組んでくるリーヤに呆れつつも、彼女の歩幅に合わせて歩く。


「すまんかったのじゃ。後から考えれば、此方も恥ずかしくなったのじゃ」


 金平糖専門店で皆へのお土産を買った僕達、マムに連絡をすると、あちらも陛下が「とあるお店」で気に入った商品を見つけて、今も値段交渉中だとか。

 しばらくは時間が掛かりそうだから、もう少し遊んできても良いとの許可をもらった。


「はいはい。リーヤさんが可愛いのは当たり前ですから、周囲の反応は気にしてくださいね」

「分かったのじゃぁ。で、タケ。此方達は何処に向かっているのじゃ?」


 リーヤは僕を見上げ、小首を傾けて聞いてくる。


 ……その仕草、慣れないと、ずきゅんと萌え死しちゃいそうなんですけど。


「えっとですね、この先に葛切(くずき)りで有名なお店があるんです。葛切りは葛粉(くずこ)、デンプンの粉を水に溶かして型に入れた後で、麺の様に細く切った食べ物です。冷やして黒蜜等ををかけて食べますね」


 僕自身、西日本出身だけど、まだ本格的な葛切りは食べたことが無い。

 葛粉も本来の100%葛からのものは、まず売っていない。


 ……そういえば、海外で日本から流れ着いた葛が大量発生して建物を飲み込んでしまう等の被害が出ているんだそうな。食べてしまえと言うのは、無茶だよね。葛粉を作るのには、確か根を掘り出して何回もさらす必要があるって話しだし。


「それは楽しみなのじゃ! あ、あそこの店かや?」


 リーヤは確かに葛切りを名物にしている店を指し示した。


「え、リーヤさん! よく分かりましたね」

「此方、少々の漢字は読めるのじゃ!」


 僕の手をひっぱり自慢げな顔で先導するリーヤ。


「お、ここじゃ、ここじゃ!」

「ちょ、ちょっとリーヤさん!? 恥ずかしいんですってばぁ!」


 僕は赤面しているであろう姿で、リーヤに引きずられる形でお店に入った。


「お、見るのじゃタケ! あの席が空いているのじゃ!」

「あ、本当ですね」


 リーヤが指し示した先には2人席が空いている。


 ……隣のカップル、確かさっきの金平糖のお店にも居なかったっけ?


 僕はリーヤに急かされる形で席に着いた。


「さあて! タケ、このお店は何が美味しいのじゃ?」


 リーヤは、羽をぴこぴこさぜて嬉しそうに僕に聞く。


「ええと、ここは葛切りで有名なお店ですので、やっぱり葛切りにしましょうか」


「葛切り、とは、さっき話していたモノなのかや?」


 リーヤは小首をかしげてみる。


 ……リーヤさん、今日は妙に攻撃的な可愛さだよねぇ。白いワンピースが良く似合っているし。


「ああホラ、お隣のお客さんが食べているアレですよ」


 僕は隣のカップルが葛切りを食べていたので、視線をそちらに向けた。


「なんだかチュルチュルしてるのじゃ!」


 リーヤは、お隣さんをマジマシと見る。


 ……あんまり見すぎたら、お隣さん可哀想ですよ。


「ですね」


 僕は早く注文してお隣さんを安心させたいので軽く流す。


「うん、此方もアレにするのじゃ!」


 ……ふぅ。これで大丈夫かな。


「はい。すいませーん!」


 僕は一安心して店員さんを呼んだ。

 しかし、リーヤは事件を起こしてしまった。


「ところでタケ、日本にも此方のように外見と年齢が合わぬ長寿の者がおるのかや?」


 リーヤは隣の女の子に視線を向けたまま、妙なことを聞いてきた。


「どうしてですか?」


 僕はリーヤの質問の意図が理解できずに、聞き返した。


じゃって(だって)、お隣の女子(おなご)、どう見ても子どもみたいじゃが、此方人等(こちとら)と同じようにデートしておるのじゃぞ?」


 リーヤは、ジト眼で横の女の子を見ながらとんでもない発言をした。


「ち、チョット!? リーヤさん!?」


 僕はリーヤを抑えようとした瞬間、隣の席から怒号が響いた。


「ちょ「ちょっと待たんかい!」」


 見ると大学生っぽい男の子が、中学生くらいに見える女の子を抑えようとしているが、女の子はすっかりキレている。


「む、なんじゃ?」


 その怒りを向けられても気にしていないリーヤは、憮然とした顔で聞き返す。


「ウチはアンタと(ちご)うて子どもちゃうわ! れっきとした二十三歳のピチピチのお姉さんや!」


 袖をまくり上げ、女の子はリーヤに啖呵を切った。


 ……へー、この子成人しているんだぁ。僕の周囲には年齢不詳の女性しか居ないんだけど、この子もその部類かな?


「何じゃ、やっぱり若いのじゃな。ちなみに此方は既に百歳を超えておるぞ?」


 リーヤはマウントを取るべく、実年齢を自慢げに語る。


 ……こういう処がリーヤさん、お子ちゃまなんだよねぇ。無理に張り合う必要も無いのに。


「わはははは! 子どもがそんなウソ吐いたらアカンで! どう見ても小学生くらいのチンチクリンやないか!」


挿絵(By みてみん)


 向こうの女の子、リーヤの言う事が信じられず、リーヤを指差して笑う。


 ……この子も、年齢に似合わぬタイプなのかも。まるで小学生同士の喧嘩じゃないか?


「なんじゃと! 其方(そなた)もチンチクリンなのじゃ!」

「なんやて!」


 2人は尚も店内で火花を散らしあう。


 ……お互い、関西方面の言葉での喧嘩。こりゃ、早く止めないと不味いよね。


「「あああああ……け、ケンカはやめてください!」」


 僕と大学生っぽい男の仲裁の声がハモった。


「か、彼女がすいません……」

「い、いえ、こちらこそ……」


僕と男の子は顔を見合わせ、お互いにペコペコとお辞儀をした。


「なんじゃタケ! こんな無礼者に頭を下げるなど無用なのじゃ!」

「耕太くん! こんなん相手にせんかてええ!」


 すると2人の女の子達の怒りの矛先は、僕らに向かった。


「す、すいません本当に……」

「あ、い、いえ、こちらこそ……」


 そう言って、また僕達は頭を下げあった。


「タケ!」

「耕太くん!」


 尚も、気に入らない二人は、声を荒げて僕達の名前を呼ぶ。


「……お互い苦労しますね」

「はは、そうですね……ですが……」

「「好きになっちゃったからしょうがない」」


 そして再び僕達の声はハモった。


 ……お互い難儀な彼女を持ったんだねぇ。


「ははは、僕は守部武士。気づいてるかもしれないですけれど、異世界ポータムから仲間と一緒に観光に来てるんです」


 僕は思わず笑って右手を差し出して、名を名乗った。


「あ、僕は上代耕太です。同じく観光に……」


 コウタは僕の右手を握り返してくれた。


 ……どっかの同名英雄(功刀康太)も、彼女(ナナ)の尻に敷かれていたっけ?


「へえ、地元の学生さんかと思ったんだけど?」


 年恰好から大学生だとは思っていたが、まさか地元ではないとは。

 彼女の話す言葉からして、関西方面に住んでいると僕はてっきり思っていた。


「学生というのは合ってます。東京の大学二年生です」

「そっかー、よろしく」

「はい、よろしくお願いします」


 僕達がお互い握手を交わして自己紹介をすると、不満なのか、二人は揃って頬をふくらませていた。


 ……妙なところ、この2人似ているよね。


「ほらほらリーヤさん、これ以上邪魔したら……」

「こよみさん、ほら、葛切りの残りを食べて……」


 僕達は、お互いの彼女が迷惑をかけないように相手をした。


 ドオオオオオオオンンン!!


 そんな時、地響きと共に大きな爆発音が外から聞こえてきた。


「い、一体何なのじゃ!?」

「とにかく外へ!」


 僕とリーヤは、音の発生源を確認するためにお店の外に飛び出した。


 ……まさか、この間の残党がまだ居たのか?


「ブブブブブ! コノ京都ノ街ハ、我々ダークスフィアト!」

「メシアによる福音主義同盟が占拠する!」


「「「「はあああああ!?」」」」


 僕とリーヤ、そして後からついてきたコウタとコヨミは思わず疑問符をハモらせた。


「な、なあタケや! あの気持ち悪い金ピカの奴は何者なのじゃ!?」

「わ、分かりません! で、ですが、あのAK(カラシニコフ)を持っている連中……この前の連中の仲間ですよ!」


 まるで戦隊モノの怪人に見える金色のバケモノ、そしてその周囲には戦闘員の変わりに先だって捕まえたはずのテロ集団が10人程居る。


 ……まてよ、確かどこかで聞いたよね。政府が対秘密結社相手の秘密の戦隊組織を構築しているって。これがその敵なのかな?


「耕太くん! ダークスフィアの怪人がなんでここに!?」

「分かりません……ですが、あの武装集団と手を結んでいるようですね……」


 コウタ達は何かを話し込んでいる。


 ……ダークスフィア? それが敵組織の名前かな? でも何この2人は、そんな事を知っているんだろうか? 警察機構に居る僕でも、詳細は知らないのに?


「こよみさん!」

「うん!」


 コウタとコヨミは、向かい合ってうなずきあった。

 そしてコヨミは左腕の時計らしきモノをかざし、ダイヤルを回した。


「変身!」


 一瞬の閃光が消えた後、コヨミは白を基調としてピンク色を差し色にした戦隊ヒロインへと変身した。


「ダークスフィア! アンタ達はこのヴレイピンク=ヴァルキュリアが叩き潰したる!」


 そしてコヨミは右手に巨大なランス(馬上槍)を抱え、金色の怪人に向かって飛びかかった。


「えー! リーヤさん、あれって?」

「なんと、コヨミ殿は戦隊ヒロインじゃったのじゃ! 此方、初めてホンモノを見たのじゃ! いけー、コヨミ殿!!」


 僕は、想定外の事態に驚く。

 そして、リーヤは、すっかり興奮状態。

 先ほどまでしていた喧嘩相手を応援に入っている。


「守部さん! あの怪人は僕達が対処します! お二人は非難……」


 コウタは僕達の方を見て、避難を指示する。

 しかし、戦うべき力を持つ僕達が何もしない訳にはいかない。


「リーヤさん! 行きますよ!」

「おー! コウタ殿、ザコは此方人等に任せるのじゃ!」


 僕達は顔を見合わせて、うなずき合う。


 ……コヨミさんが苦戦しないように、ザコを片付けた方が良いよね。それに、こいつらとっ捕まえて、背後関係聞きたいしね。


 僕らは、早速戦闘準備をする。


「二人とも! 危ないですから!」


 コウタは僕達を心配してくれる。


「上代くん大丈夫! こう見えて僕達は荒事が専門、得意なんでね!」


 ……僕の本当の専門は科学捜査なんだけど、今そんな事を言う必要も無いよね。


 僕は、懐から拳銃(P365)を取り出し、初弾をチャンバーに送り、安全装置を解除した。


 ……今日は予備カートリッジが2個だけ。合計30発だけど、リーヤさんの援護で撃つのなら1人辺り3発。まあ十分かな?


 僕が拳銃を取り出したのをびっくりした眼で見るコウタを横目に見つつ、僕は先行するリーヤに追従した。


「此方は敵を撹乱するのじゃ。その隙にタケは確実に1人ずつ倒すのじゃ!」

「了解!」


 僕はしっかりと愛銃を握り、リーヤの可愛い後姿を見て思わず笑みが溢れた。


 ……リーヤさんの為なら僕は、いくらでも強くなりますよ。


  ◆ ◇ ◆ ◇


「あーんぱーんち!」


 リーヤは緑色のシールドを全面に展開して敵集団に突撃してゆく。

 テロ集団は、想像外の攻撃に一瞬躊躇をするもリーヤに銃口を集める。


「光と影の舞なのじゃああ!!」


 リーヤは敵集団の中央で止まると、強烈な閃光を放ち、シールドを細かい破片にして周囲に撒き散らした。


「うわぁぁ」


 眼が眩んだテログループは混乱をしてデタラメに撃つが、銃弾はリーヤが撒き散らしたシールドで弾かれ、全弾誰にも当らない空の上に流される。


「隙アリ!」


 予め眼を守っていた僕は棒立ちになった敵兵の銃、そして左膝を1人ずつ正確に撃ち抜いた。


  ◆ ◇ ◆ ◇


「フン、ただの怪人がウチの相手になる訳ないやろ!」

「ブブブ!? マ、マズイ! ニゲ……!」

「終わりやあああああ!」


 向こうでは無事にコヨミが逃げる怪人に背中からトドメを刺している。

 リーヤの閃光は効果範囲及び方向を絞っていたので、コヨミやコウタの邪魔にはならなかった。


 ……リーヤさん、器用だよね。閃光目潰しもそうだけど、敵の弾だけ邪魔して、僕の射撃は通すんだもの。


 僕は、マジマジとコヨミの動きを観察した。


 ……ほう、コヨミさん。見事な動きだね。あれ、ウチだとギーゼラさんとサイズからしてイイ勝負しそう。


「ブブブブブブブアアアアアアア!?」


 コヨミが断末魔をあげる怪人の身体から突き刺した巨大なランスを引き抜くと、怪人はそのまま地面へと崩れ落ち、チリとなって消え去った。


「フン、大したことないのじゃ!」


 リーヤはドヤ顔をしてお得意の、あまり無い「胸」張りをした仁王立ちだ。

 僕が撃ち倒した敵をリーヤは、全員昏睡魔法で完全無力化した。


「ふう……とりあえずこれで全員無力化できましたね」


 僕は周囲を確認して、撃ち漏らしが無い事を確認した。


 ……前の連中よりもずいぶん練度が低い気がするなぁ。もしかして、作戦参加レベルに至らなかった連中が、仲間が全員逮捕されて行先き無くして、変な組織に拾われたのかな?


 僕が敵兵について疑問に思っていると、遅ればせにパトカーのサイレンが聞こえてきた。


「おっと、警察が来たぞ」


 コウタが少し焦った様子を見せる。

 仮面を被ったままのコヨミは、敵を倒して放心状態っぽい。


「上代くん!」

 

  僕は手を振り、コウタに歩み寄った。


「君達のアレはいったい何だったんだい!?」


 念のために、僕は2人に聞いてみる。


 ……まあ、お約束として話してはくれないだろうけどね。


「あ、ええと……」


 案の定、予想通りに言いよどむコウタ。


「ああ……なんとなく分かったよ。まあ、僕達も同じようなものだからね」


 予想通りの反応だったので、僕は軽く流した。

 何せ、こちらも本来の職務範囲以外での拳銃の使用という、スネに傷持つ者。

 後からマム達に叱られるのは、間違い無いのだから。


「す、すいません。察してくれて助かります」


 コウタはペコリと頭を下げる。

 誠にお約束どおりである。


「ははは、いいよいいよ。それより警察が来たけど、君達は大丈夫?」


 僕は心配になって、警察が来るのをコウタに知らせた。

 さっき、チエにこっそり確認したら、もうすでに僕達の活躍はSNSに流されていて、マムはカンカンだそう。


 ……はぁ。後で始末書書かされるのかなぁ。


「はは、僕達には京都府警に知り合いの刑事さんもいるから大丈夫。君達は早くどこかに行った方が良いよ」


 僕はコウタを安心させるべく、内心を隠して笑って逃げる事を勧める。


 ……ああ、乾いた笑いになってるよ。また今回もオオムラさんに頭下げなきゃ。こりゃ、事件の顛末書も僕の仕事になりそう。


「は、はい! それじゃお言葉に甘えて! 失礼します!」


 コウタは急ぐように僕に挨拶をして、変身をしたままのコヨミの手を握り足早に立ち去る。


「こよみさん! 早くここから立ち去りましょう!」

「はわ!? え!?」

「こよみさん、ここは京都ですよ!」

「あ、そやった! ホ、ホナ早いとこ退散や!」


 賑やかそうにイチャコラしながら去って行く2人を僕は見送った。


「はあ、とんだ京都観光になりましたね。リーヤさん」


 僕はパトカーのサイレンが大きくなるのを聞きながら、リーヤに愚痴った。


「コヨミ殿は、実に凄かったのじゃ! 此方、ああいう暴れ方もいつかはしてみたいのじゃ! 空の上から舞い降りるのもカッコいいのじゃ!! しかし此方、残念にも葛切りを食べられなかったのじゃぁ。持ち帰りにしてもろうて、取調室で食べられないのかや?」


 リーヤの困った顔に僕は苦笑する。


 ……コウタ君。キミも大変な彼女を持ったみたいだけど、頑張れよ!


「此方、葛切り、もっと食べたかったのじゃぁぁぁぁ!」


 僕はリーヤの悲鳴とサイレンを聞きながら、戦隊ヒロインを彼女に持つ「勇者」の幸せを祈った。


 ……また何処かで会えたらイイね。

「今回は、サンボン殿とのコラボ企画。時間軸無視のスパロボ展開なのじゃな?」


 まあ、そういう事ですね。

 私の一言から、急に始まったコラボでした。


「しかし、ワシが思うにいつもよりもタケ殿がピンク脳では無いのかや?」


 少しコヨミさんに(あて)られたかもですね。

 今回は、サンボン様が基本シナリオを書いてくださり、それのタケ視点バージョンを書いた形になっています。


「なるほどなのじゃ! さあ、ワシもコヨミ殿の活躍は楽しく読んで居るのじゃ! あちらの黒幕は国が絡んでおりそうじゃが、真の敵は誰なのかや? これからの展開が楽しみなのじゃ!」


 と、チエちゃんも申しております。

 サンボン様、急な申し出に快く了解を頂き、ありがとうございました。

 また、機会があれば、コラボまた御願い致しますね。


 では、皆さん、「こよみさん」を読んでねぇ!!


挿絵(By みてみん)


(追記)

 いつもイラストでお世話になっています、池原阿修羅さまから、こよみさんとリーヤちゃんのイラストを早速頂きました。

 挿絵として使わせて頂きましたので、どうぞご覧下さいませ。


挿絵(By みてみん)

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― 新着の感想 ―
[一言] GOM様 今回のコラボ、非常に楽しくできました! またぜひともコラボしましょう! ありがとうございました!
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