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僕は異世界で美幼女姫様と刑事をする。〜異世界における科学捜査の手法について〜  作者: GOM
第6章 捜査その6:日本ドタバタ観光編

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第37話 新米騎士爵は、テロの事後処理に立ち会う。

「怪我をなさっていらっしゃる方は、こちらへ。ワタクシは医師です! 救急が来るまで応急処置します」

「はい、こちらへどうぞですぅ」


 キャロリンは医師である事を大声で日本語で叫び、その補助をフォルが行っている。


 事件が一旦落ち着いた清水寺。

 そこで僕達は、警察や消防・救急が到着するまでの間、怪我人やパニックを起こしている人々の救護を行っている。

 もちろん少年皇帝は、快く自らの避難よりも救護者の保護を優先させてくれた。


「これこそ、皇帝の嗜みであり慈悲。守るべきものを守らんで自ら逃げてどうする! で、僕は何したらいいの?」

「陛下は大人しくお待ちくださいませ。それがお仕事でございます」


 アレクに大人しくさせられている陛下、毎度の事ながらじっとしていられないらしい。


 ……その腰の軽さと善良さは、素晴らしい美点ですね、陛下。御付は大変ですけど。


 周囲を一望したところ、一番大きな怪我人は犯人達。

 他は、とりあえず大丈夫そうだ。


 ……犯人は死なない程度の治癒で十分。存分に痛い目見てくださいな。


「おじょうちゃん、よく頑張ったね。アタイ、褒めてあげる」

「そうでござるよ! お母様も大丈夫でござるか?」


 ギーゼラは、爆弾犯の足元で転がされていた幼女を母子共にヴェイッコとあやしている。


「皆様、もうここは安全です。わたくしは、異世界の帝国皇帝直属の公安組織のものです。皆様の安全はわたくしたちが、日本警察の到着まで全力をもってお守りいたします。どうか、御安心して待機をお願い致します」


 マムも日本語で丁寧に自らの立場を説明し、群集を落ち着かせている。


「もう安心なのじゃ! 此方(こなた)達が犯人を捕縛したのじゃ!」


 リーヤも、ワザとドヤ顔で皆を安心させようと日本語で叫んだ。


「とりあえずは、落ち着いたのじゃ。他の現場は酷いものらしいのじゃ。死人も出たとの情報じゃ」


 チエは、幼いながらも優美な顔を怒りにゆがめ、僕に小声でそう話す。


「チエさん。一体何が目的で、アイツらは日本でわざわざ連続爆破テロなんてやったのでしょうか?」


 僕も釣られて小声でチエに話す。


「さっきの爆弾バカが言っていた事が本当なら、考えられるのはアメリカ本国への攻撃の実験及び友好国への警告といったところかのぉ。この間の海で見たケラブセオン・エンタープライズの船の動向も気になるところじゃ」


 2001年の9.11テロ以降、アメリカはずっと対テロ戦争を続けていた。

 イスラム過激派との熾烈で終わりの無い戦争。

 10年前に新型ウイルスによる感染症が世界を襲い、イスラム諸国は自国の衛生防衛対策に追われ裏で行っていたテロ支援どころで無くなり、現在彼らの活動は下火になっている。

 もう「イスラム国」も過去の存在なのだ。


 しかし、それに変わるように活動を開始・台頭してきたのが、キリスト教系でも聖書にある神の「奇跡」に(こだわ)り、神の代理人メシア(救世主)による福音、千年王国(ミレニアム)の建国を夢見た過激原理主義集団である。

 彼らは、新型ウイルスを神による「最後の審判」の一環と判断、更には彼らの教義には無い邪神の襲来、異世界との接続が彼らを更に異端、そして暴走へと導いた。

 また、同じく行き場を失っていた、同一の唯一神を信仰しながらも争いあったユダヤ教の保守強硬派、更には資金源を失い活動に苦慮し逃げ回っていたイスラム教過激派などなどの残党までを集め、呉越同舟。

 「神」の名の下に、テロという「福音」を撒き散らすという、とっても迷惑な存在になった。

 それこそが、テログループが名乗った集団名、「メシアによる福音主義同盟」である。


 ……どこに資金源なんてあるのかねぇ? こんな展開、どこかで聞いた事があるけど?


「まるでZ以降のティターンズ残党とネオジオンの融合体じゃな。狩っていたはずのものが、獲物と一緒になって逃げるとはな。走狗は煮られる前に逃亡したのじゃ。あそこは裏にジオン共和国が居ったのがUC(ユニコーン)NT(ナラティブ)で語られておったのじゃ!」


 僕の内心呟きに、チエが某アニメでの説明としてイメージ画像ごと念話で送りつつ話してくれるのだが、今は忙しいので、とりあえず放置する。


「せっかく場を和ませようと思ったのに、無視は寂しいのじゃぁ!」


 事件が収束方向なので、チエも遊びたいのは分かるが、まだ警察に消防も来ていないのではしょうがない。


「はいはい、分かりましたからね、チエさん。イルミネーター情報なら、もうじき警察が来ます。対応は誰がしましょうか、マム?」


 僕は、マムに指揮を仰ぐ。

 今の面子で僕が勝手に動くのも変な話だから。


「では、タケ。貴方が宜しくてよ。貴方は帝国の騎士爵(ナイト)で日本の警察官でしょ? この状況の説明に一番の役向きね!」

「やっぱりそうなりますよねぇ。はい、了解しました」


 マムは、さらっと僕に仕事を回したが、マムの言う通り僕がやるのが一番良いのも確かだ。

 僕は苦笑して命令を承諾した。


「では、マム。こちらはよろしく御願いしますね。リーヤさん、お手伝い願えますか?」

「了解なのじゃ! 此方、タケと一緒にお仕事するのが大好きなのじゃ!!」


 ニコニコ顔のリーヤを伴って、僕はパトカーのドアを蹴破るようにして飛び出してきた警察官の方々に警察手帳を提示した。


  ◆ ◇ ◆ ◇


「で、なんで僕は手錠掛けられて、取調べ室にリーヤさん共々居るんでしょうか?」

「それはこっちが聞きたいわい! オマエ、なんで拳銃を所持していて勝手に発砲したんだよ!」


「タケや、ここが取調室じゃな。確かカツ丼で自供させるのが日本流なのじゃろ?」


 警察の取調室、強面のお兄さんがドンと机を叩く中、リーヤは面白そうにしていた。


 ……どうして、こーなったぁ!!

 お待たせ致しました、本日より毎日連載再開です!


 なぜか京都府警に逮捕されてしまったタケくん。

 そして定番のカツドンネタを、ここで聞くリーヤちゃん。

 では、明日の更新をお楽しみに。


「これからもお見逃し無くなのじゃ!」


 はいはい、チエちゃん宣伝ありがとうね。

 ブックマーク、評価、感想、レビュー、楽しみに待ってまーす。


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