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僕は異世界で美幼女姫様と刑事をする。〜異世界における科学捜査の手法について〜  作者: GOM
第6章 捜査その6:日本ドタバタ観光編

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第30話 美幼女は、嫉妬して溺れそうになる。

挿絵(By みてみん)


「タケや、そーれじゃ!」

「はい、リーヤさん!」


 僕達は、浜辺でピーチボールでまったりバレーをする。


「おりゃー!!」

「のじゃぁー!!」

「こなくそー!」

「拙者負けないでござるぅ」


 向こうではコウタ・ヴェイッコ組とチエ・ギーゼラ組が激しいビーチバレーの試合を繰り広げている。

 パワーのコウタ・ヴェイッコ組、スピードと絡め手のチエ・ギーゼラ組。

 コウタの上手いトスから、ヴェイッコが本皮のバレーボールを破裂しそうな勢いでコート内へ打ち込むも、影を纏ったギーゼラがボールの落下地点へ超高速に動きレシーブ、それを多重影分身で1人フェイントしながら打ち返すチエ。


 あまりにもの超人バレー、名勝負に観客からの声援と拍手が鳴り止まない。


 ……いくらなんでもチエさん、それは不味いですって。人類に多重影分身は出来ませんからぁ。


「此方、アレは真似できないのじゃ!」

「それは僕もですよ。あれが許可されるのなら、地球の国際大会に一人参加で優勝できますって」


 僕はチエ達の様子に眼を奪われて、ビーチボールを受け止めることに失敗する。


「あ! ごめんなさい、リーヤさん。僕、ボール拾ってきますね」


 僕は波間に漂うボールを取りに行く。


「これ、貴方のですよね。どうぞ」


 ボールは若い女性の前に流れ着き、彼女はボールを拾い僕に渡してくれた。


「あ、ありがとうございます」

「いえいえですわ。貴方、もしかして異世界の方ですか?」


 おそらく僕よりも少し歳下に見える乙女、真紅のビキニと見事な胸の谷間に僕の視線は誘導される。


「あ、いえ。僕自身は日本人ですよ。まあ、今日は異世界の方の案内人役ですけど」


 僕は急いで視線を胸から彼女の顔に移し、話す。


「そうよね。先程から見ていたら、羽の生えた可愛い女の子と仲良くしていましたから、もしかしてと思いましたの」


 彼女の笑顔は眩しく、もし僕がリーヤと知り合っていなかったら一目ぼれしていたかもしれない。


「あの子は、向こうで一緒に仕事をしている子です。あのナリですけど、僕よりも随分と歳上ですから」

「まあ、あんなに可愛いのに貴方よりも歳上なの? なんか羨ましいかも」


 コロコロと魅力的な笑い方をする女性に、僕は魅了される。


「タケ、何をしておるのじゃ! 此方(こなた)という婚約者が()りながら、どうして他所の女子(おなご)(うつつ)を抜かしておるのじゃ!!!」


 そんな僕の様子が気に入らないリーヤ。

 どしどし、と音を立てるような歩き方で僕に近付く。


「あ、リーヤさん。そこ深いです!」

「なんじゃと? あ!」


 リーヤは足を深みに入れ、顔が海面下に落ちる。

 僕はボールを放り出してリーヤの元へ走り寄り、背中方向に回り込んで彼女の脇の下へ手を差し入れて、急いでリーヤの顔を海面上へ引き上げた。


「けほけほ! タケぇ、怖かったのじゃぁ」


 リーヤは、身体の向きを変えて僕にしっかり抱きつく。


挿絵(By みてみん)


「ごめんなさい、リーヤさん。僕の不注意でリーヤさんを危険に晒してしまいました」

「タケぇ。タケは此方以外を見るのではないのじゃあ。ずっと一緒に()ってくれるのじゃろ。もう絶対に手を離すのではないのじゃぁぁ!!」


 涙声になりながら、僕に抱きつくリーヤ。


「リーヤさんて言うのかしら。ごめんなさい。貴方のナイトをお借りしていたら、貴方を危ない目に合わせてしまったの。大丈夫、わたしはもうお母さんだから、貴方のタケくんを取ったりしませんからね」


 ボールを持ったビキニの女性は、リーヤに謝る。


 ……え、お母さんって!?


「自己紹介していなかったわね。わたし、金森 千歳(かなもり ちとせ)と言います。多分、タケくんよりは大分(だいぶ)歳上かな? アラサーとだけ言っておくわね。今日は、パパとうちの子と一緒に海水浴なの。子供はパパと一緒に、お昼寝中。あそこのビーチパラソルね」


 イタズラな表情で砂浜の一箇所を指差す、どう見ても結婚してお母さんになっているとは思えない見事なスタイルのチトセ。

 ぼんキュぼん、である。


 ……なんで、僕の周囲の女性って年齢不詳の美魔女ばかりなのぉ?


「わたし、すこし異世界に興味あって、今日はリーヤさん達を見てお話したいなぁと思っていたの。そうしたら、男の子と日本語話して遊んでいるんですもの。だから、ついイタズラしちゃったの。ごめんなさい」


 テヘっていう感じで舌をちょっと出し、笑いながら謝るチトセ。


「そうなのかや? 本当にタケを取らぬのじゃな?」

「はい、約束いたしますわ。リーヤさん」


 上目遣いにチトセの顔を見るリーヤ。

 それに少ししゃがんで目線をリーヤに合わせて、にこやかに答えるチトセ。


「なら良いのじゃ! チトセ殿、此方の事はリーヤちゃんと呼ぶのじゃ! これもナニカの縁なのじゃ!」


「リーヤさん、縁って難しい言葉知っているのね。はい、宜しくね、リーヤちゃん!」


 美女同士が笑いあう。

 そして僕は、リーヤさんの「ふくらみ」がしっかりと僕の裸の胸に押し付けられているのに、今更気が付く。


「あのぉ、リーヤさん。そろそろ離れていただいた方が……」

「なんでじゃ!? ここ、まだ此方の足が届かないのじゃ!」


 更にぎゅーと抱きつくリーヤ。


「あらあら、リーヤちゃん。タケくんは、リーヤちゃんのお身体を押し付けられて困っているのよ。リーヤちゃん、タケくんの事大好きみたいだけど、ここは一応お外だから、ラブシーンはお預けしたら良いわ」


 ニヤニヤしたチトセの話で自分の状態に気が付き、赤面するリーヤ。


「こ、此方、ワザと押し付けて居るのじゃ! 此方、子供じゃないのじゃぁ!」

「子供じゃないから問題なんですぅ! 胸押し付けないでくださーい!」

「ふたつのむねのふくらみは、何でも出来るのじゃぁ!」


 こうやって僕は、恥ずかしい思いを再びしたのであった、まる。


 ……男性の下半身問題、露見しちゃうよぉぉぉ!


 なかばナンパされたタケ君に焼餅をやくリーヤちゃん。

 ここぞとばかりに、「肉体攻撃」を行使します。

 そうなったら、タケ君の下半身「自身」は大変な事になりかねません。


「タケ殿、ここは辛抱なのじゃぞ」


 なお再び、池原阿修羅さまから、素敵で可愛いリーヤちゃんの水着姿頂きました。

 どうぞ、ごらんあれ!


挿絵(By みてみん)



 そういうチエちゃんは、さりげなく分身体の一体をリーヤちゃん達の上に送ってHD撮影中。

 油断も隙も無い魔神様でした。

 では明日の更新を……、


「楽しみにするのじゃぁ!」


 あーん、作者の台詞とらないでぇ!!


(追記)

 池原阿修羅さまから、再び泣き顔が可愛いリーヤちゃんのファンアートを頂きましたので、挿絵に使わせて頂きました。

 どうぞ、ご堪能あれ。


挿絵(By みてみん)

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