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僕は異世界で美幼女姫様と刑事をする。〜異世界における科学捜査の手法について〜  作者: GOM
第5章 捜査その5:帝都大動乱!

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第41話 美幼女は邪神と戦う!

「タケや、何処に()るのじゃ!」


 わたくしは周囲を見る。

 先ほどの閃光が消えた後、わたくしは白い部屋の中に1人閉じ込められている。


「これはこれは、可愛いお嬢さんだこと。怖いでしょう、泣きますか?」


 部屋全体から声が聞こえる。


「なるほど。此方(こなた)は、邪神とやらに閉じ込められたのじゃな」


「あら、泣かないのですか? 案外、強いのですね。では、これでどうですか?」


 わたくしを嘲笑する声が聞こえた後、いきなり目の前の壁から(とげ)が飛び出し、わたくしに向かってくる。


「ひょいとな!」


 わたくしは転がるように飛び出してきた棘を避ける。


「では、これはどうですか?」


 邪神の(あざけ)る声と同時に、今度は床から棘が飛び出す。


「ほいな!!」


 今度もステップを上手く使って避ける。


「なるほど、この部屋全部が邪神なのじゃな。此方を虐めて遊ぶつもりかや?」


「ははは、ご名答。その通りだよ。さて、お嬢さん。いつまでワレの攻撃を避けられるかな?」


 邪神はわたくしを嘲笑(ちょうしょう)し、馬鹿にする。


「はー。やっぱり其方(そなた)は、『神もどき』じゃ。神を名乗るには愚かで邪悪なのじゃ」


「この期に及んで、強がりますか。では、今度は動けないですよ!」


 邪神はわたくしを馬鹿にするように吼えた後、全方位からわたくしに棘を向けて伸ばした」


「くぅ!」


 わたくしは全身に薄く魔力シールドを張り、棘から身を守った。

 棘は刺さらないものの、全身を押さえ込まれていて、わたくしは一切身動きが出来ない。


「ほう、今のをあえて動かずに防ぎますか。でも、これでチェックメイト。後は一刺しでお終い。楽しかったですよ、お嬢さん。では、さようなら」


 邪神は別れの言葉と共に、大きな棘をわたくしの胸へと伸ばした。


「ああ、其方がな! はぁ!!」


 わたくしは、全身の魔力を励起し、先祖がえり、限界突破(スーパーモード)を起動した。


  ◆ ◇ ◆ ◇


「さて、これから邪神と戦うにおいて、リーヤ殿、ヴェイッコ殿、ギーゼラ殿、タケ殿。4人は、はっきり言って戦力不足じゃ。このままではあっけなくやられてしまうのじゃ。そこで、ワシがそれぞれ策と力を授けるのじゃ!」


 それは、チエがこちらに来た夜の事。

 作戦があらかた決まった時、チエはわたくし達に向けて話し出した。


 ……魔神将(アークデーモン)と比べたら、此方なぞ大した事は無いのは事実じゃ。しかし、力を授けてくれるというのなら、ありがたいのじゃ!


「まずは、一番弱いタケ殿。その弱さを使うのじゃ。相手はタケ殿を見て油断するのじゃ。そこを突くのじゃぞ。それとワシがマム殿に連絡して見繕った対物ライフル、あれを使うのじゃ。さしもの邪神でも至近距離でアレ喰ろうたらイチコロじゃ。ついでに銃にバリア貫通(トランプル)能力を付与しておいたのじゃ!」


 タケには、とても重くて凄い銃(XM109ペイロード)が贈られた。


「マム、こういう裏があったんですね。妙に重武装だと思ったら!」


「ま、まあ、そういう事なのよ。チエちゃん、ありがとうね」

「どう致しましてなのじゃ!」


 タケは、マムに武器購入についての裏を確認していた。

 わたくしが見ても、敵が分からない段階での武器選択が大当りすぎて不思議だったが、策士が裏に居たのなら納得だ。


「次は、一番マシなリーヤ殿じゃ。リーヤ殿は魔力的には十分じゃ。しかし、魔力の練り方が足らぬ。実は、ナナ殿はリーヤ殿よりは魔力が少なくて半分くらい、リタ殿とリーヤ殿は同じくらいなのじゃ!」

「うん、そうなの。ボク、リタちゃんよりは魔力無いよ」


 チエは、わたくしの魔力運用に問題があると指摘する。

 なんとあれだけ強いナナはわたくしの半分、そして邪神を1人で倒せそうなリタ姫とわたくしが同じ魔力量だという。


「此方とリタ姫が同じなら、どうして魔法にこれだけの差が出るのじゃ?!」

「それは魔力圧縮と開放なのじゃ!」


 わたくしが、全く知らない魔力コントロール方法があるらしい。


「魔力は生きておる間、体内に一定量溜まってくるのじゃ。息をするたびに体内チャクラからオドが沸いてくるし、周囲のマナも吸収するのじゃ。そして体内をめぐり、また体外へと出てゆくのじゃ。ここまではリーヤ殿も知っておろう」

「うむ、此方は魔法学校で習ったのじゃ!」


 チエは魔力の基本をわたくしに語る。


「魔力保有量には個人差があり、保有できる以上の魔力は体外へ逃げるのじゃ。時々逃がす方法を知らず、溜まりすぎた魔力が暴走して死ぬ事例もあるのじゃがな」


 一部種族には、魔力を大量に生み出すのに生まれつき魔力放出能力の無い者がおり、幼少期から魔力吸収具を保有していないと死ぬ事があると、わたくしは昔聞いた事がある。


「ここから先が秘密技じゃ。ワシも母様(かあさま)や地球の魔術師から教わった秘儀じゃ。地球人は、本来魔力をそう沢山扱えぬ種族じゃ。しかし、工夫によって保有魔力量そして放出魔力量を増やしたのじゃ!」


 そこから先、チエによって語られた方法は、生まれつき魔力に困らぬ魔族では思いもよらぬ方法だった。


  ◆ ◇ ◆ ◇


「はぁぁぁ!」


 わたくしは咆哮と同時に、それまで内部で圧縮していた魔力を全開で放出した。

 体内に圧縮容器をイメージし、そこに魔力を溜め込む。

 そうする事で魔力保有量を、わたくしはたった半日で倍近くに出来た。

 漫然と体内に魔力を流すのではなく、集めたり薄めたり。

 魔力のコントロールをすることで、より魔法の精度や威力が変わった。


「スーパー魔人じゃぁぁ!」


 限界突破と共に、わたくしの身体は急成長をし、魔神族に近い形になる。

 そして身体を蔽うバリアーも強固になり、身体を押さえ込んでいた棘を簡単にへし折った。


 ……まるでアニメの変身格闘ヒーローみたいなのじゃ! 髪の毛は金色にはならぬがな。


「なにぃぃ!」


 驚く邪神、いきなり幼女が美女悪魔に変身するのだ、しょうがない。

 魔力運用が不完全ながらも出来るようになったわたくし、身体が以前よりも軽く動くし、緑色のバリアーも強固かつ派手に吹き上がり、なぜか放電現象まで起こっている。

 更に変身自体も、以前より楽に出来た気がする。


「あーんぱーんち!」


 わたくしは胸に刺さろうとした棘に左フックを見まう。

 棘は、私のフックパンチで、ぱきり、と簡単に折れ、フックから派生した緑の魔力衝撃波は雷と共に壁に突き刺さった。


「ぐぅぅぅ!」


 わたくしは、拘束をとりはらい、そのまま全速力で先程衝撃波が突き刺さった壁に突進する。


「真あーんぱーーーんちぃぃ!」


 わたくしは、魔力となぜか雷撃を(まと)った全力の右ストレートを壁に撃ち込んだ。

 わたくしの右の拳は、簡単に邪神の障壁を砕き、壁にまるでスポンジを打ち抜く様に突き刺さった。


「ど、どうして次元障壁が破れるのだぁぁ!」

「そんなの、此方は知らぬのじゃ。うるさい神もどきは滅びるのじゃ。分解(ディスインテグレート)!!」


 わたくしは、壁に突き刺さった右腕から、すべてを分解しチリに変える呪文を叩き込んだ。


「うぉぉぉ!!」


 壁は咆哮を上げ、そのまま部屋ごと崩れる。


「正義は勝つのじゃ!!」


 わたくしは大きな胸を張り、ドヤ顔をするのだ!


 ……せっかく張り上げるバストがあるのじゃ。使わぬ手はないのじゃぁあ! 本当ならタケに見てもらいたかったのじゃ。タケ、其方は無事勝ったのかや? 少々心配なのじゃ!

 魔力コントロールをチエちゃんに教えてもらって、パワーアップしたリーヤちゃん。

 スーパーモードも使いこなせるようになっています。


「せっかくワシの2Pキャラなのじゃから、強くなってもらわねば困るのじゃ。是非とも、タケ殿とのイチャコラが見たいのじゃ。またデバガメするのじゃ!」


 はいはい、チエちゃんは少し静かにね。(苦笑)


 では、明日の更新をお楽しみに!

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