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僕は異世界で美幼女姫様と刑事をする。〜異世界における科学捜査の手法について〜  作者: GOM
第5章 捜査その5:帝都大動乱!

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第40話 新米捜査官は、邪神に閉じこめられる!

「『這い寄る混沌(ナイアーラトテップ)』とやら、此方人等(こちとら)の世界に迷惑をかけるではないのじゃ!」


 リーヤは、右手に光の魔力弾を作る。


「もうすでに貴君の作戦は崩壊しています。ここで投降するなり、二度とこちらの世界に干渉しないでください。もちろん抵抗するなら容赦なく倒します!」


 僕は腰を下げ、両足を開いて踏ん張り、腰ダメに対物ライフルを構える。


 ……こいつ、試射はしたけど実戦でぶっぱなすのは初めてだから、当ると良いけど。


 いつも使っているライフルよりも4倍近く大きな砲口を邪神に僕は向ける。


「ワレがサルの言う事を聞くとでも思うのか?」


 邪神は、足元に転がるオートマトンを踏み砕く。


「聞いてもらわねば、困るでござる!」

「そうでい。闇の力の(しもべ)は、とっととおウチに帰りなさい!」


 ヴェイッコとギーゼラが到着し、邪神に銃口を向ける。


 ……ギーゼラさんの台詞、どっかで聞いた事があるよーな?


「そうなの、もうコッチに来ないで欲しいの!」

「という事だから、ボク達はアンタを倒すよ!」


 リタ姫やナナも到着し、武器を構える。

 そんなに狭くはない廊下でも、僕達で一杯になる。


 ……あれ、これ不味くない? 攻撃避けられないんじゃ?


「ほう、コウタ以外は揃ったのか、では、一網打尽に出来るな」


「不味いのじゃ! 皆、ワシの後ろに隠れるのじゃぁ」


 チエは前に飛び出し、自分の前にシールドを張る。


「甘いのぉ! これでオシマイさ」


 邪神は僕達の方を睨み、次の瞬間僕達は閃光に包まれた。


  ◆ ◇ ◆ ◇


「オマエ、皆を何処に送ったのじゃ? その答え次第では、生きておる時間が延びるのじゃ」


 自分以外、居なくなったのを見たチエ。

 怒りに満ちた目で邪神を睨みつける。


「ふふふ。簡単には殺さぬから安心するが良い。皆はワレの分身と戦ってもらう。勝てば、この世界に帰ってこよう」


 邪神はドヤ顔でチエを見下す。


「そうか。ならば、今オマエを倒しても問題ないのじゃな!」


 次の瞬間、チエは魔神将本来の姿となる。


「なに!?」

「遅いのじゃ!」


 チエによる漆黒の魔力を込めた右水平抜き手が、漆黒の魔族の胴体を貫いた。

 2mの長身と均整の取れた手足から繰り出された一撃は、邪神の防御結界を容易(たやす)く貫き、邪神のコアを打ち抜いた。


「お、オマエは、弱いのでなかったのか? ワレの結界を破った事は今まで無いはず……」

「それはおごり高ぶる神モドキの思い込みじゃ。魔神将のワシが弱い訳ないのじゃ! ワシが、でしゃばらないのは後継者の教育の為じゃ。さあ、さっさと消えるのじゃぁ!」


 チエは、邪神を貫いた青黒い肌の手刀に魔力を込め、抜き手を捻り縦にすると上に切り上げた。


「消えよ、愚かな神モドキ!」


 チエはそのまま振り上げた右手に漆黒の魔力ドリルを作り上げ、半分になった邪神に叩き付けた。


「ぎがどりるぅ・ぶれいくぅーー!!」


 漆黒の輝きが(きらめ)いた後、そこには床に大穴が開いた跡以外は何も残らなかった。


「ふぅ、後は皆の衆の頑張り次第じゃ。ナナ殿やリタ殿は楽勝じゃし、他の皆にも策はあらかじめ授けておる。大丈夫じゃろ。後は、この穴開けたのを怒られないように謝るだけじゃ」


 3眼の悪魔形態のまま、チエは金色の目で上を見上げて呟いた。


「あれ、皆は? それにチエちゃん珍しいね、悪魔形態なんて」


 そんな中にコウタが飛び込んできた。


「この遅刻のバカがぁ! コウタ殿が遅いから邪神Bはワシが倒したのじゃ。他の皆は異空間で邪神B’1から6と対戦中じゃぁ!」


 チエは悪魔形体のまま、コウタを叱りつけた。


  ◆ ◇ ◆ ◇


「ここは一体何処なのかな? あれ、リーヤさん。他の皆も何処ですか?」


 僕は周囲を見回した。

 ここは一辺が5mくらいの直方体の真っ白な部屋。

 部屋全体に妙な魔力が充満していて、気配が読みにくい。


「もしかして、僕達は分散させられたのかな?」


 僕はまず落ち着くために、銃を構えた。

 銃の重さがスリング越しの肩と腕に食い込む。


「邪神。どうせオマエは、ここの様子をみているんだろうな。どうやって僕を殺すんだい?」


 僕は四方に眼と感覚を散らす。

 こういう時こそ、「後頭部にみかん」。

 どこから攻撃されても問題ないよう、ゆっくり身体を右回りさせる。


 ……死角を作らず、油断しない。あ、床と天井も危ないよね。思い込みが一番危険だよ。


 視線を天井と床にも向ける。


「ほう、床にも警戒されておるか。見事だな」

「お褒めに頂き、どうもです。で、いつ顔を出してくれるんですか?」


 邪神は僕を嘲笑気味に()める。

 そこで僕は誘いをしてみる。


 ……気配が部屋全体に分散しすぎているんだよね。あ、もしかして!


「なに! 一体何をする!」

「ナニってオマエを撃つのさ」


 僕は対物ライフルの銃口を床に付けた。


「いっけー!」


 僕は、ライフルの引き金を引く。

 そして、僕はライフルからの圧倒的な反動で空中に撃ち出された。


「ぐわぁぁ!」


 僕の撃ちこんだ25mm徹甲焼夷弾は床に大穴を開け、そこから炎が吹き出た。


 今回僕が使っている対物ライフル、XM109ペイロードは、有名なM92バレットの一バリエーション、なんと25×59mmB弾という大砲の弾(グレネード)を撃てる一品だ。

 5発しか連射できないが、2km以内の装甲車両や航空機等を一撃で撃破できるバケモノ銃。

 対人ではオーバーキルも良いところだけれども、邪神相手なら手加減の必要は無い。


 僕は、着地に失敗して尻餅をついた状態から急いで立ち上がる。


「どうして分かったぁ!」

「だって、気配が部屋全体からするんですもの。なら、部屋全体がオマエだと考えられるでしょ」


 急に部屋の壁や床が歪みだす。

 そして白い部分が一箇所に集まりだす。


「もういっちょ!」


 僕はすかさず、集中する部分へ追撃をした。。


「ぐわぁぁ!!」


 ヒトガタに集まりかけた白い塊は、25mm弾を喰らって、再び四散した。


「ふぅぅ。この銃、威力十分だけど、腰ダメに打てるもんじゃないよぉ。それに重いって。16kgもあるんだもん」


 僕は、再び尻餅をしたお尻をさすりながら立ち上がる。

 銃を繋いでいるスリングが、肩にずっしり食い込んでいる。

 そういえば、あのコは作中で15kgの対物ライフル(PGMヘカートII)を振り回していたけど、現実では女の子が振り回せる重量じゃないはず。


「ふ、普通、集まるのを待つだろうぉぉ。お約束を知らぬのか?!」

「そんなの待てません!」


 散らばったモノが再び集まって、床から盛り上がったモノに僕は容赦なく砲弾を撃ちこむ。


「ぐぁぁぁ!!」


「あ痛ぁたぁ。これ撃つ時用に肩パッドとお尻パッド買わなきゃだね」


 僕は尻餅から急いで立ち上がり、体中に銃撃、いや砲撃の反動から来る痛みを感じながら、油断せずに砲口を邪神に向ける。


「あら、もう限界かな?」


 床に散らばるモノはピクピクして、もう集まる元気すら無い。

 そして、その中に光る紅玉を見つける。


「これがコアですね。ではトドメ!」


 僕は、「水戸黄門」ゴッコの時に陛下に借りたままだった紋章が盛り込まれた短剣を懐から出し、サクっと紅玉に突き刺した。


「ぐぉぉぉぉぉ!」


 部屋全体が咆哮を上げ、そして崩れだした。


「流石は帝国の秘宝ですね。早く陛下に返さなきゃ」


 僕が使った短剣、それは帝国皇帝に代々伝わる秘宝、+ボーナスが5も付くという魔剣だそうな。


 ……ナニが+かは知らないけど。


 徐々に壁が崩れていき、壁の向こう側にさっきまで見えていた通路やチエが見え出した。


「やっほー! 僕、勝ちましたぁ!」

 さしもの邪神もお約束破りで25mm砲弾を連打されたら溜まったものじゃないです。

 変身中とか変形中に話している時、隙を作っているですから攻撃されて当たり前。

 お約束破り、も「お約束」なのです!


「ワシが先手打って大砲を注文するようにマムにナシ付けておいて良かったのじゃ。戦闘は火力なのじゃ! ついでにバリア貫通特性付きなのじゃ。スパロボバンザイなのじゃ!」


 どうやらマムの武器仕入れには、チエちゃんが暗躍していたんだそうな。

 まったく困ったチエちゃんだこと。(苦笑)


 では、明日の更新をお楽しみに!


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