表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
僕は異世界で美幼女姫様と刑事をする。〜異世界における科学捜査の手法について〜  作者: GOM
第5章 捜査その5:帝都大動乱!

この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

115/351

第39話 新米捜査官は、邪神と直接対峙する!

「オマエすら囮か。なら遊んでいる暇は無いよな」


 コウタは装着しているイルミネーターから、地下遺跡へ通じる通路に邪神が現れたことを知る。


「ほう、もうバレましたか。狐と狸の化かしあい、まだまだ負けはしません。こちらも遊びはお終い、一気にいきましょう! はぁぁぁ!」


 空を舞う黒き魔族の姿をした邪神は、咆哮を上げる。

 そしてその姿は、「這い寄る混沌(ナイアーラトテップ)」を代表する顕現へと変わる。

 触手状の腕、鋭い鉤爪、円錐状の三本足に大きな蝙蝠(こうもり)の翼。

 3つの燃え盛る真紅の眼を持つ、触手が伸びた円錐状の頭部。


「またワンパターンかよ。さては、空中に居れば俺の必殺剣技を喰らわないで済むと思っているな。甘いよ、愚かな神モドキ!」


 コウタは太刀を左側中段霞の構えから斜め上にいる邪神を狙い、剣先に全魔力を込める。


「ホざケ、コのサルがぁ! シねェ!!」


 邪神は触腕を震わせ、コウタ目掛けて如何なるものを切り裂く次元断層をコウタ目掛けて繰り出した。


「ふうぅぅぅ。秘剣滝登り!!」


 コウタは、太刀を斜め上に突き上げ、剣先に集まった金色の魔力を邪神に撃ち出した。


「ナにぃぃぃ!」


 その金色の槍は、邪神の放った次元断層を簡単に打ち砕き、そのまま逃げる事すら出来なかった邪神を貫き、一撃で粉砕した。

 邪神は負惜しみを言う事も出来ず、金色の煙となり霧散する。


祖父(じい)ちゃん、また新技ありがとうね。さあ、下のバカも倒しに行くかな」


 太刀を右肩に担ぎ、一息を付くコウタ。

 しかしその時、帝都外苑で爆発音と火柱が上がる。


「ありゃ、まだ居るのかよぉ。フォルちゃん、こちらコウタ、邪神Aを撃退。しかし帝都外3時の方向で爆発を確認、詳細情報をちょうだい」


「コウお兄ちゃん、お疲れ様。3時方向の爆発、新手の登場です。邪神C、3m級触手円錐頭部形態。更に小型の邪神を多数発見。外苑の領主私兵と戦闘を開始、このままでは不味いですぅ」


 コウタはイルミネータ越しにフォルに通信をして情報を入手した。


「下はチエちゃんもいるから、そちらに俺行くよ!」


「あら、コウちゃん。貴方は嫁を守りなさい。こっちは、わたしにお任せね」

「え! マユ姉ぇ!!」


 コウタは吃驚する。

 本来、ここに居るはずの無い義母の声を聞いたから。


「どうして?」

「えー、娘達や婿殿の活躍するところ見たいのに、いけずぅ」


「だから、どうやって来たの、マユ姉ぇ?」


 コウタは義母の行動が理解できずに困惑した。


「『(ランス)』クンに頼んだのよ。大暴れできるから、わたしも連れて行ってって。あ、そろそろ戦うからごめんなさいね。あら、(あんず)。そこは危ないよぉ」


「え――! アンズちゃんまで連れてきているのぉ!!」

「だってぇ、ザコ相手ならもう大丈夫だもん」


 コウタは頭を抱える。

 9歳になる義妹(アンズ)まで連れてきている義母(マユコ)に呆れてしまう。


「さあ、コウちゃん。ナナやリタちゃんの方へ行って上げてね」


「うん、怪我しないでね、マユ義母(かあ)さん」

「はーい!」


  ◆ ◇ ◆ ◇


「マユコ、こいつら()えーぞ」


「しょうがないわよ。コイツらなんて、もう出がらし以下だもの」


「そうだね、おかーさん。よいしょっと!」


 長身の魔神将(アークデーモン)が槍を振り回し、1mくらいのプチ邪神達を薙ぎ払う。

 その横でアラフォー手前っぽく見える美魔女が、刀を一閃する。

 そして身長120cmくらい、短いポニーテールを揺らす小学生女子が身長よりも長い薙刀でザコ敵を薙ぎ這う。


「『槍』クン。ウチのアンズと一緒に、こちらの兵士さん達のフォロー御願いね。わたしは、大物食べてくるわね」


「あーマユコは、また大物取るのかよぉ。まー、しょうがねー。アンズちゃん、やるぜ!」

「うん、槍のおにーちゃん!」


 マユコは、娘と魔神将がコンビになってザコを一掃しているのを温かく見守る。


光兼(みつかね)は、ちゃんとアンズに(つか)えているのね。これでわたしも安心ね。ナナとは相性よく無かったから、みっちゃん(光兼)の相続先困っていたのよ」


 マユコは目の前の3m級の邪神が迫るのに、一切慌ててはいない。


「マた、オまえか! このババァがァ」


 邪神は、マユコを(なじ)る。


「アナタ、余ほど苦しんで死にたいのねぇ。わたしにその禁句を言って生き残った敵は居ないのよぉ」


 マユコは、何処か間延びした口調で邪神を見上げる。

 彼女の周囲に風が舞う。

 そして周囲に居たザコ邪神達は、彼女から放たれた殺気を喰らい爆散してゆく。


「ホざケよぉ、このババァザルめぇ」


 邪神は、触腕をマユコ目掛けて振り上げる。


「死ねェ!」


 邪神の触手が次元断層込みでマユコに振り下ろされる。


「アナタがね!」


 しかし、その腕が振り下ろされる地点には何も無い。

 そして、激しい突風が吹き、邪神の背にマユコが現れる。


「ノウマク・サンマンダ・バザラダン・カン! 不動(アチャラナータ)滅殺火炎剣!!」


 マユコは日本刀の鯉口を切り、居合い気味に浄化の火炎を(まと)った一閃を邪神に見舞う。


「はぁぁぁ!」


 マユコの剣閃は、一度では止まらない。

 一秒の間に邪神の防御結界ごと、切り上げ、切り下げ、横薙ぎ、袈裟懸、突きを全て邪神に叩き込んだ。


「ふぅぅ、悪鬼退散!!」


 最後に上段の構えからの大切りを邪神に見まったマユコ。

 残心から剣先を振り払い、火炎と共に邪神の体液を払う。

 そして刀を鞘に戻した。


「お父さんの刀借りて良かったわぁ。さあ、残りを殲滅しましょうか」


 マユコは邪神を一瞥もせず、走り出した。

 立ち尽くしていた邪神、マユコが離れると同時にチリと化した。


  ◆ ◇ ◆ ◇


「この先に邪神が居るんですね」


「フォルちゃん分類だと邪神Bじゃな。先程Aはコウタ殿が仕留めたし、Cは母様(かあさま)と『槍』にアンズ殿が対応中じゃ。母様(マユコ)なら問題あるまいて」


 僕は2人の美幼女と共に城内を地下へと走る。


「その母様とは何者じゃ? まさか魔神の母かや?」


 リーヤはチエに尋ねる。


「母様は母様じゃ。ナナ殿の実母、コウタ殿の叔母であり義母じゃ。ものすごく強いぞぉ。ワシも母様を怒らせたら死にそうになるのじゃ!」


 走りながら身震いをするという器用なチエ。


 ……えーっとナナさんのお母さんだとすると、年齢はアラフィフとかだよね。


「そうそう、母様に年齢ネタは厳禁じゃ。それを言った敵は邪神含めて必ず後悔をしながら死んでおる。くれぐれも注意するのじゃぞ。あ、今それを破った邪神Cが瞬殺・消滅しおったわ」


 僕の思考を読んだのか、チエは注意をしてくれた。


 ……あのナナさんの実母でリタ姫、そしてチエさん、コウタさんが(した)い、(おそ)れる存在だもの。くわばらくわばら。


 邪神を一瞬で殲滅するお母さん、こんな方は味方にしておくに限る。


「タケお兄さん、もうすぐ接敵です。注意してください。マムは現在、陛下の警護中、ヴェイッコさん、ギーゼラさん、ナナお姉ちゃん、リタお姉ちゃんはそちらに合流予定です」

「りょーかい!」


 そして僕達は、地下遺跡に繋がる扉の前に到着した。


「チエか。またワレの邪魔をするのか?」


 そこにはオートマトン達を踏みにじる漆黒の肌の魔族が居た。


「当たり前じゃ。この世界は、この世界に住まうもののモノじゃ。余所者のワシらや、マシテはオマエのモノじゃないのじゃ。さっさと滅ぶのじゃ!」


 チエは邪神にタンカを切る。

 僕は、急いで対物ライフルを構えた。

 リーヤも全力で魔力をチャージする。


 ……邪神よ、許さないぞ!

 マユ姉ぇに、アンズちゃんまで参戦です。

 マユ姉ぇは、そろそろゲフンなお年ですが、まだまだ三十路後半くらいに見える美魔女です。


 アンズちゃん、前世のアンゲリカちゃんから魔力を引き継ぎ、小学3年生にして家宝の「光兼」さんを継承しています。

 彼女達にかかれば、邪神の出がらしでは勝負にならんのです。

 詳細は前作「功刀康太の遺跡探訪」をお読み下さいませ。


 さて、ここからはタケ君やリーヤちゃんの戦闘シーン。

 前作メンバーに食われない戦いを見せてね。


「それは作者次第なのじゃ!」


 はいはい、チエちゃんは突っ込まないでね。(笑)


 では、明日の更新をお楽しみに!

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ