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僕は異世界で美幼女姫様と刑事をする。〜異世界における科学捜査の手法について〜  作者: GOM
第5章 捜査その5:帝都大動乱!

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第27話 新米捜査官は、異種族姉妹に度肝を抜かれる!

(けい)、本当に実行なさるのですか? さすれば、卿は反逆者。歴史に名が残る大罪を犯した極悪人となりますぞ」


 貴族の側近と思われる者が、仕える貴族に行いを問う。


「それは構わぬ。今の帝国はゆるみきっておる。地球との交流ですっかり牙を抜かれたのだ。今再び、9年前の災害が訪れば多くの民が何もせぬまま死んでゆく。なれば、制御された災害を起こし、被害を抑えつつ陛下に危機感を与えるのだ。その役目は忠臣たるワシでなければ出来ぬのだ」


 悲痛な顔で思いを呟く老齢の魔族種貴族。


「では、こちらの(いしずえ)を壊してください。そうすれば封印されている異界の魔物達が開放されます。大丈夫、ここには大災害時の残党がいるだけですので、以前ほど大変な事になりません」


 嘲笑(ちょうしょう)を貼り付けた、肌が黒い魔族青年が遺跡内中央に安置されている祭壇を指し示す。

 ここは超古代、「古のもの」に対して使役されていた者達が、彼等からの支配を脱すべく異界の邪神に生贄を差し出した場所である。


「そうか。この行いの責任は全てワシにある。お前達は早くここから去り、ワシの所業を陛下に知らせるのだ」


 思いつめた表情で「礎」を見つめるジェミラ伯オレーク。


エルフのお嬢ちゃん(リタ姫)には悪い事をしたな。あれで辺境伯を頼りすぎるのが良くないと陛下に通じれば良かったのだが、まさか全部ワシの策を台無しにするとは。雇ったのも悪党だから殺した方が世の為と思っていたが、彼らすら助ける。所詮、ワシに悪巧みは出来ぬのかもな。」


 自虐気味に自分の策が捜査室に(ことごと)く潰された事を苦笑して話すオレーク。


「さあ、オレーク一生一代のご奉公。とくとご覧あれ!」


 そんなオレークの苦悩する姿を見て心配する配下、そしてほくそ笑む黒き魔族。


「さあ、これで『私』の解放がまた近付くのです。今度こそは妨害させませんぞ、コウタ!」


 張り付いたような嘲笑を浮かべた黒き魔族が、そっと呟いた。


  ◆ ◇ ◆ ◇


「ちょ、これはキツイのでござるが」


「アタイもしんどいよぉ」


 榴弾や徹甲弾すら撃ちつくし、無反動砲はタダの筒になった。

 今はグレネードをどんどん撃っているけれども、こちらも残弾が少なめだ。

 ギーゼラもPDWを撃っているが、こちらは射程が短めだし弾数も多くは無い。

 めったに使わない火炎系の精霊術も撃っている。


「こ、此方(こなた)は、ま、まだ大丈夫じゃぞぉ。はぁ、はぁ」


 口では強気な事をいうリーヤ。

 しかし、こちらも息を切らし、肩で大きく息をしている。


「これは悲しいけど、引き時なのか」


 街壁の下では守備隊が必死に時間を稼いでいる。


「危ない!」


 足を(もつ)れさせ倒れた兵士を襲う一つ目巨人(アルスカリ)の頭蓋に、僕は二連発(ダブルタップ)ライフル弾(7.62mm弾)を撃ち込み倒す。

 僕の手持ち残弾も20発の1カートリッジのみ。

 僕は空の弾倉を引き抜き、最後の弾倉と入れ替えた。


「ごめんなさい。皆、もう持ちこたえられないよ。悲しいけど、ここが引き時。撤退するよ」


「タケ、ここで戦っておる守備隊を捨て置くのか! 此方は、まだまだ戦えるのじゃ!」


 僕の撤退命令にリーヤは吼える。

 口惜しいのか、手がぷるぷる震えている。


「リーヤ殿、悔しいのはタケ殿もでござる。一番甘いタケ殿が悔やまぬはず無いでござるよ」


「リーヤん、アタイらは生き残るのが仕事なんだ。悲しいけど、ここで死ぬ訳にはいかないんだ」


 ヴェイッコもギーゼラも半泣きで惜しがる。


「ごめんね。僕にもっと力があれば助けられたのに……」


「しょ、しょうがないのじゃ。それは此方も同じじゃ。もっと強ければ、リタ殿くらい強ければ……」


 しゅんとする僕達。


「と、とにかく撤退ししょう。ではマムに連絡を……」


「はーい、お母さんです。お待たせ。今から追加戦力投入するから、支援御願いね」


 マムに撤退を御願いしようと思った瞬間、マムから驚く命令が来た。


「一体、誰が?」


「わたしだよー! タケシお兄ちゃん、リーヤちゃんおまたせー!」

「ボクも来たよー! 皆一気にいくよー!」


 ……え、異種族姉妹(ナナ・リタ)なのぉ!


 僕達はイルミネーター越しに入った、ある意味能天気な乙女達の声に驚いた。


 そして次の瞬間、敵集団の中央が地面(ごと)吹き上がった。


「どっかーん、たまやー!」


 それはグリゴリーを吹き飛ばした術を数十倍に増幅したものだった。

 門前まで迫っていた地上を這う敵の第一集団の大半が、一瞬で数百メートルも上空に打ち上げられた。

 そして、それらは無常にも重力の女神の手により地上に叩きつけられる。

 ぐちゃりという音で潰れるバケモノ達。


「次はボクの番だよ。空のヤツを殲滅させるね。行け、ビット(九十九神)達!」


 ナナの掛け声で中を舞う小物達。


「行け、ファンネル(漏斗)! 貫け、ソード(小柄)! 切り裂け、シザー(和鋏)! 焼き払え、レーザー(望遠鏡)! 吹き飛ばせ、バズーカー(花火打上げ筒)!」


 ふと、街の壁上から門を見下ろすと、そこにナナとリタが居る。

 2人の周囲にはタイル(シールド)が無数に舞い、2匹の狛犬らしき2m級の聖獣が彼女たちを守護している。


「ははは、タケよ。アレ、Gダムじゃ! ファンネルじゃぁ!」


 リーヤが突然笑い出す。

 何かと思い、僕はリーヤの視線の先を見た。


「は、はぁぁぁ??」


 先程のナナの掛け声は、意味があった。

 そう、高機動に空中を舞い、ビームで空飛ぶ敵を焼く漏斗(ファンネル)

 敵を貫いてバラバラにする小柄(ソード)

 目に留まらぬ速度で空を飛び切り裂く和バサミ(シザー)

 望遠鏡(レーザー)のレンズからは、高出力のレーザーを吐き、敵集団を焼き払う。

 更に、爆裂弾を吐き出して、敵を吹き飛ばす花火筒(バズーカー)

 空を舞うナナの九十九神小物(ビット)により瞬く間に、敵の空中兵力は壊滅した。


 ……おーい、まんまじゃないか。どういう事なのぉ!


「これは敵の脚が止まっているでござるな。あの2人の投入で一気に変わったでござる」


「すっげー。アタイ、何をみているんだろー」


 ……うん、すっごいね。

 敵の正体が徐々に見えてきました。


 そしてタケ君、リーヤちゃん達を救うべく、ナナちゃん、リタちゃん大暴れ!

 2人が手加減無しに術を使うと、大虐殺ショーとなるのです。

 ああ、今作のキャラを過去キャラが食っちゃったらダメなのにぃ。


 では、明日の更新をお楽しみに!


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