第9回配信「湖畔の町」
「ラジオの前の皆様、こんにちは
さちです。」
「・・・・・・ノワよ。」
「そろそろ寒い季節になって参りましたが
負けじとウィッカラジオ、放送して行きたいと思います。」
「聞いてくれてる人は、ありがとう
今回も・・・・・・よろしく。」
「さて、今回の放送ですが
湖畔の町クィーレに来ております。」
「位置的には、市場都市と、水運都市の、中間ぐらい。」
「はい。河を行き来する船が途中休憩に寄る事の多い町ですね。」
「私たちも、水運都市行きの準備を・・・・・・する。」
「ついでにこの町にもラジオを広めておこう
ってことで、今回はここからの配信となります。」
「では、改めて、配信スタート・・・・・・。」
「と言うわけで湖畔の町クィーレからの放送となりますが
まずはこの町についてざっと説明しておきましょうか。」
「河の途中、大きな湖に沿って作られた、町。」
「湖に沿ってるだけに接してる面積が大きく
それに合わせて船着場もかなり大きいですね。」
「河を行き来する船は、多いから
ある程度広くても、常に混雑してる。」
「中継地点としては最大規模の町ですから
寄って行く船も結構な数になるようですね。」
「最大規模と言っても
これまで寄った、街道都市や、市場都市よりは・・・・・・小さい。」
「2つの都市で商売をされる方が多いので
この町には寄っても荷物は下ろさないって方も多いようですし
多くの商人さんが寄るって割には静かな町です。」
「代わりに、農業も、漁業もそれなりに発達してる。」
「ですね。私たちが取った宿でも新鮮な野菜と魚が出ましたし。」
「食事が美味しいのは、やっぱり嬉しい
盗賊は・・・・・・ろくに出してくれなかった。」
「まぁ、半ば強引でしたが
この近くまで送ってくれただけでも感謝しましょう。」
「船旅続きだったから、宿で寝るのも久々
明日は昼まで・・・・・・寝ておきたい。」
「これは、本当にベッドから出てこないパターンですね・・・・・・。」
「他に、この町について、何かある?」
「そうですね・・・・・・
あ、そう言えばこの町、と言うかこの湖には守り神様がいるみたいです。」
「守り神、ね・・・・・・詳しく。」
「私もちらっと聞いただけなのですが
長いお髭の魚が湖には住んでるらしくって
それを見かけると船旅が安全になるとか。」
「よくある類の、伝承ね。」
「実際に見たって人も結構いるらしいですし
あながち馬鹿にはならないですよ。」
「逆に多すぎると、ありがたみが薄れる?」
「えぇ、たしかにそうかもしれないですが・・・・・・。」
「まぁ、信心は大切。私たちも、見れるといいわね・・・・・・。」
「そうですね。せっかくだから見てみたいです。」
「後は・・・・・・特にはないわね。」
「特別な名所みたいなのもない静かな町ですからね。」
「では、近況は・・・・・・以上よ。」
「さて、まだまだ尺が余ってますがどうしましょう?」
「やっぱり、定常コーナーが、欲しい。」
「そうですねぇ
せっかく毎回放送する場所が違いますから、それを生かしたいですね。」
「ラジオだから、声だけで伝えられる、企画ね。」
「各地の名産品アピール合戦
とか思いましたけど、実物が見えないと分かりにくいですね。」
「そもそも、毎回実物を準備すると・・・・・・無駄な荷物が、増える
それに、路銀も厳しい。」
「うぅ、たしかにそうですね・・・・・・。」
「やっぱり、さちが、体を張るのが一番。」
「それは以前却下したはずですっ!」
「仕方ない・・・・・・じゃあ、さちが何か考えて。」
「そうですねぇ・・・・・・
あ、ノワさんTRPGって知ってますか?
あれやってみましょうよ、実際遊んでる風景を配信で。」
「・・・・・・却下。時間も人数も何もかも足りないわ。」
「ですよね。うすうす分かってました。」
「とは言え、ロールプレイは・・・・・・悪くない考え
二人で出来る、小規模な寸劇程度なら・・・・・・。」
「本当ですかっ、ちょっとばかりやってみたいです。」
「登場人物が二人だけの、簡単なシチュエーションを決めて
お互いがそれに沿って、役になりきる・・・・・・無理ではない。」
「じゃあ、候補って事で。」
「・・・・・・やけに乗り気ね。」
「えっ、漫画とか読んでると
登場人物のマネとかしたくなったりしません?
何なら作品の中に入ってあんなことやこんなことしたくなったりとかしません?」
「残念。本は読むけど・・・・・・そこまではないわ。」
「そうですか
てっきり皆そう言う感じだと思ってましたよ
私なんてあれやこれや再現できないかと苦心したほどですし。」
「そう。それで、その苦労は、実ったの?」
「勿論頑張りましたから
おかげで憧れの必殺技は鬼火を使って再現できましたし
漫画の主人公になったみたいに世界を脅かす邪悪なモンスターと・・・・・・。」
「さち、ストップ
興奮しすぎて、鬼火が、漏れてる・・・・・・。」
「はっ、すみません
ついつい制御が緩んでしまいました。」
「珍しく、凄い勢いで喋るから、聞いてみたけど
予想以上の・・・・・・反応だった。」
「すみません
趣味の話になると興奮しすぎて周りが見えなくなるって
以前から注意はされているんですけど、治らなくて。」
「好きなものがあるのは・・・・・・いいことだと思う。」
「はい。フォローありがとうございます。」
「それじゃあ、今度時間が余ったら、寸劇でもやってみると言うことで。」
「分かりました、それで結構です。」
「寸劇のお題については、これもリスナーからの公募がしたい
・・・・・・いつも通り、感想機能から、送ってもらえれば、読んでおく。」
「皆様よろしくお願いしまーす。」
「さて、そろそろ今後の予定に移ろうと思う
・・・・・・けどその前に。」
「何でしょうか?」
「今回も、リスナーからの応援が、2件来てる。」
「おぉ、宣伝の効果か着々と増えてますね。」
「うん・・・・・・いい傾向。このまま続けたい。」
「私たちの旅の励みになりますので
感想を送ってくれたお二方は本当にありがとうございます
それ以外にもいつも聞いて下さっている皆様もありがとうございます。」
「番組への感想、要望などは、いつでも受け付けてる
また、感想機能へと送ってくれると・・・・・・2人とも嬉しい。」
「ついでに先程言ってました、寸劇のお題なんかも送ってくださると
非常に助かります。」
「じゃあ、話を戻して、今後の予定。」
「とりあえずは当初の予定通りに、水運都市セイリアへ向かうんですよね?」
「そうね。まずはセイリアまで乗せてくれる、船を見つけないと。」
「最初の船を見つけるのも苦労しましたからね
この世界だと、どうにもこの外見年齢で冒険者って言うのは信じてもらえないようで。」
「以前の世界は、これぐらいの年でも、普通だったのに・・・・・・。」
「世界ごとの文化の差はどうしようもないですね
私たちみたいな人間以外ってのが一般的じゃないようですし。」
「まぁ、その辺りは、さちに一任
私は見た目の時点で、拒否される。」
「私も言うほど大丈夫な見た目じゃないのですが・・・・・・
と言うか、そもそも知らない方と交渉するのとか凄く苦手なのですが。」
「でも、他に手がないから、頑張って。」
「なら、いっそのこと船が見つからなかったら
ここから陸路でセイリアまでってのはどうでしょう?」
「陸路は、船より数倍の時間がかかる・・・・・・
その上、途中は小さな集落が、あるかないかぐらい
モンスターの襲撃も、ありうる。」
「うぅ、思った以上に厳しそうですね。」
「移動速度と、安全性、どちらを取っても、水路が上ね。」
「では、ノワさんが身体変容の魔法でそれっぽい見た目になって交渉すると言うのはどうでしょう?」
「魔法の効果時間が切れた後、どう説明するのよ?」
「う、それもそうですね。」
仕方ありません。何とかして乗せてくれる船を見つけましょう。」
「まぁ、そんな感じで、セイリアに着いたら・・・・・・次の放送。」
「皆様、無事に着けるように祈っておいて下さい。」
「さて、そろそろいい時間。」
「分かりました、それでは今日はここらで締めましょうか。」
「分かった・・・・・・今回も、聴いてくれてありがとう。」
「よろしければまた次回も聴いて下さい。
お相手はさちと。」
「・・・・・・ノワでした。」
「お疲れ様でした。」
「・・・・・・またね。」