第4回配信「ノワ」
「ラジオの前の皆様。こんにちは
さちです。」
「・・・・・・ノワよ。」
「本日もご視聴いただきありがとうございます
ウィッカラジオ、第4回放送開始です。」
「最後まで聞いてくれると、嬉しい。」
「しかし、近日中に放送したいって
前回の放送のラストに言ってましたが、本当に早かったですね。」
「予定通り、良かった。」
「で、こんなに急いで一体何をするんですか?」
「・・・・・・自己紹介。」
「えぇ、それ前回もやりましたよね?」
「・・・・・・主に私の。」
「あ、そう言うことでしたか
たしかに私だけ前回やって理不尽とは若干思ってましたが。」
「気は乗らないけど、私もやっといた方が妥当
・・・・・・だから今回は、少しだけ話す。」
「では、早速行ってみましょうか。」
「・・・・・・それじゃあ早速私のこと
名前はノワ。性別は女性。」
「そりゃ、魔女だから女性でしょうね
いや、男の魔女がいる可能性だってなきにしもあらずですが。」
「ちなみに前回言い忘れてるけど、さちも女性ね。」
「まさかそこを勘違いされてないとは思いたいです。」
「種族は魔女よ。」
「あれ?
職業じゃなくて種族が魔女なんですか?」
「・・・・・・生まれた時から自分は魔女だと言う自覚がある
ついでに、幼い頃の記憶とか両親とかもないから
正確に自分の種族が分からない・・・・・・。」
「えぇ、ノワさんって記憶喪失だったんですか!?」
「記憶喪失なのか・・・・・・そもそもそんなもの最初から存在しないのか
定義のしようがないから、正確には・・・・・・不明。」
「それって、とてつもなく大変なことなのでは?」
「そうでもない・・・・・・
必要な知識は持っていたから、困りはしなかった。」
「そう言うものなのですか・・・・・・。」
「ただ、魔術とかの知識に偏って、一般常識は足りなかった
おかげで苦労はない・・・・・・とは言い切れない。」
「一般常識不足は誰もが通る道なんですね。」
「あの世界は、異種族が人間社会に混じるの珍しくなかった
だから仕方ない・・・・・・。」
「皆様の世界はその辺りどうなんでしょうね?
色々な世界に放送してるのでしたら
その辺り、こんな面白い決まりがあるよ。みたいなのも聞きたいですね。」
「・・・・・・たしかに、この世界も今までと違う規則とか、ある
だからその企画は面白いかも。」
「そもそも私たちみたいな異種族がいないですからね、この世界。」
「さちは外見が人間と一緒だからいい。私は、羽が目立つ。」
「じゃあ、せっかくなのでその辺りノワさんの容姿についても話してみますか。」
「容姿は・・・・・・ラジオじゃ姿が見えないから、伝わりにくい。」
「だからこそどんな感じかイメージが沸くように
触れてみようと思うんですよ。」
「・・・・・・まぁ、好きにしたらいい。」
「とりあえずまず目に付くのが
さっきから話題にも出てる羽ですね
真っ黒の細い羽です。体の大きさに対してかなり小さいですけど飛べるのですか?」
「実際に飛ぶのは魔力
羽は補助的なものに過ぎないわ・・・・・・。」
「そもそも魔女って羽が生えてるのが普通なのですか?」
「他の魔女を見たことないから、一概には言えない。」
「意外とノワさんの種族の解明に重要なファクターな気がしますね。」
「私は私・・・・・・だから、種族が何だろうと興味ない。」
「ない分の記憶とかご両親のこととか
知りたいとか思ったりしなかったんですか?」
「調べようがないし、今の生活で満足してるわ。」
「なるほど。では次です
羽以外の部分に目を向けても、ドレスもブーツも黒一色ですね。」
「だからフォレノワール・・・・・・
どこかの国の言葉で黒い森って意味らしい。」
「名前にはそう言う意味があったんですね。なるほどです。」
「名前もなかったから、一緒に旅する時に付けてもらった。」
「私たちのパーティーに入った時に付けてもらったんですね
あれ? でしたらそれまではどうしてたんです?」
「・・・・・・そもそも名前に必要性がなかった。」
「えぇ、それまでどういう生活してたか気になります。」
「そもそも、記憶にある範囲からさちたちに会うまでが短かったから
特に何もなかった・・・・・・。」
「よくそれで一緒に冒険者になろうと思いましたね。」
「・・・・・・別に、他にやりたいこととかもなかったし、偶然よ。」
「でもご一緒できてよかったです
今もこうやって別世界に一緒に飛ばされてラジオなんてやってますし。」
「礼はいいから、次に行きましょう・・・・・・。」
「分かりました
ではさらに容姿について突っ込んでいきますよ
服装とかは黒のイメージの割に、黒髪じゃなくて綺麗な銀髪なんですね。」
「染めてたりするわけじゃないわ、元々よ。」
「そこで目を惹くのが顔の真っ赤な眼帯です
長い紐は頭の後ろで大きな蝶々結びにしてるのが可愛いですね。」
「魔法のリボンね
・・・・・・一応魔眼を抑えてる。」
「魔眼って何ですか
そんな設定あったんですか!?」
「設定って・・・・・・私が設定作ってる痛い子みたいじゃない。」
「すみません。失礼しました。」
「・・・・・・とりあえず直視すると色々大変なことになるの
だから魔法のリボンを普段から着けてるわ。」
「普段から着けっぱなしって、不便じゃないです?」
「他人がいない時は偶に外してる・・・・・・だから問題ない。」
「あ、それでお風呂とか一人で入りたがるんですね、納得です。」
「流石に着けたままは入りにくいのよ。」
「それ以外は目だった特徴や装飾品とかもないですし
こんなものでしょうか?」
「・・・・・・まったく、誰得の情報よ、これ。」
「何だかんだで関係する話とか色々聞けましたし
結果オーライですよ。」
「・・・・・・はぁ。」
「さて、そろそろ次の話に移りたいと思います。」
「次は何?」
「趣味とか特技とかそう言うのいっちゃいましょう。」
「・・・・・・これは初回配信でも言ったけど
好きなことは紅茶を飲むこと。」
「毎回配信中も自分の分だけしっかり準備してますもんね。」
「飲みながらじゃないとこんなに話してられない。」
「ノワさんが大変紅茶好きなのはとりあえず分かりました。
じゃあ特技の方は何かありますか?」
「・・・・・・これも初回に言ったけど
魔女なだけに魔法全般ね。」
「たしかに凄いですよね
どれぐらい使えるんですか?」
「主に魔女術、神聖魔法、暗黒魔法辺りは一通り行使できるわ
逆に精霊魔法辺りは苦手の分野ね。」
「とりあえず魔法に詳しくなくても
非常に幅が広いと言うことは分かりました。」
「ついでに魔道器の製作、メンテナンスなども最低限こなせる。」
「現に放送機材は全部ノワさんに丸投げ状態ですからね
これって最低限に含まれる物なんですか?」
「比較対象がないから、詳細は不明・・・・・・。」
「ついでに聞いておきますけど
魔法の方は最低限。ってレベルじゃないですよね?」
「そっちに関しては、初歩的なものから、人間やめたレベルの最上位の術師が使うものまで
大体は行使できる。」
「・・・・・・ノワさんの性能が桁違い過ぎて着いて行けません。」
「生まれながらにそういうものだから。仕方ない・・・・・・。」
「種族:魔女の面目躍如ってところですね。」
「まぁ、そうかもしれない・・・・・・。」
「では逆に、苦手なこととかってあります?」
「力仕事は、苦手
魔力はあるけど、腕力とかは・・・・・・見かけ相応。」
「ノワさん見た目だけなら私より年下の女の子ですからね。」
「ついでに朝早いのは、ダメ。」
「あぁ、たしかに宿のベッドから出てこないことありますよね
出てきてもぼーっとしたまま動かなかったり。」
「朝は頭が回らない。甘い紅茶の一杯でもないと、無理。」
「人並みの部分もあってある意味安心です
あんまり完璧すぎると私の立つ瀬がなくなってしまいますし・・・・・・。」
「そもそもこの番組の進行とかも、任せてる
私だけでは、無理だった。」
「この番組に関しては、お互いに協力しましょう。」
「そうね・・・・・・
そろそろ話すのにも疲れた、終わる。」
「えぇ、まだまだノワさんの私生活とか踏み込んでない部分がありますよ。」
「プライバシーの、侵害。」
「昨日私の私生活はばんばん聞いてきましたよね?」
「・・・・・・ほとんどティータイムで、過ごしてる。」
「さも当たり前のように言いましたけど
宿にいない時間とかいっぱいありますよね?
あれも全部ティータイムなんですか?」
「外で、お茶してる。」
「・・・・・・。」
「・・・・・・疑ってる?」
「えぇ、そもそもそのお茶代がどこから出てるかの時点で怪しいです。」
「・・・・・・ギルド。」
「ギルドって何ですか、ギルドって!?」
「魔術師ギルドで魔道器の整備、製作依頼・・・・・・
冒険者ギルドでモンスターの討伐依頼・・・・・・
その他多岐に渡るクエスト・・・・・・。」
「滅茶苦茶仕事してるじゃないですか
しかもモンスターの一人討伐とか危ないの混じってますし。」
「・・・・・・大丈夫、この辺りは強いモンスターが出ない
私一人でも十分すぎる。」
「ちょっと前にも言ってましたけど
身体能力は非戦闘職の子供並なんですよね
事故ったらどうするんですか?」
「さちは・・・・・・心配性。」
「そりゃ心配しますよ。」
「でも、ここで放送時間がなくなって来た。」
「あぁ、また話そらそうとして。」
「今日も・・・・・・聞いてくれてありがとう
こんな二人だけど、また聞いてくれると嬉しい。」
「ちょっと、勝手に締めないで下さいー。」
「次回の配信日は未定だけど、次もよろしく。」
「と、とりあえずお疲れ様でした
お相手はさちと。」
「・・・・・・ノワでした
またね。」