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第38回配信「観覧の島」


「ラジオの前の皆様、こんにちは

 さちです。」


「・・・・・・ノワよ。」


「えー、前回はこちらの不手際により放送を途中で中断する事になってしまい

 申し訳ありませんでした。」


「これは、機材の管理を、やってる・・・・・・私の、責任。」


「とは言え放送前にちゃんとメンテナンスをやってなお起きた事故ですから

 仕方ないと言えば仕方ない気もしますが。」


「いや・・・・・・魔力波を、送受信する、本体や、別の世界と繋げるための、複雑な機材とかは、入念にチェックしたけど

 まさか、私やさちの、声を拾うだけの、集音装置に、不具合があったとは、気が付かなかった。」


「無事に原因は解明出来たんですね、よかったです。」


「構造も単純だし、重要性も薄い、機材だから・・・・・・チェックを(おこた)ってた、私の、怠慢(たいまん)。」


「ま、まぁ、直ったんですしそこまで思い詰めなくても。」


「いや、これは、私の責任だから、ちゃんと、謝っておきたい

 ・・・・・・ごめんなさい。」


「ノワさん・・・・・・。」


「さて、いつまでも、失敗を、引きずってても仕方ないから、始めるよ、さち。」


「分かりました、今日は最後までやり切りましょう

 ウィッカラジオ、スタートですっ。」






「改めましてこんにちは、ウィッカラジオ

 本日は観覧の島アナテイよりお送りしております。」


「前回、次の目的地を、言えなかったから、ここまでの、道のりなども、補足。」


「分かりました

 とりあえず前回の放送地点である暖海の港町から船に乗って、内海を進みました。」


「内海にある、とある島に、作られた街が、ここ、観覧の島アナテイ。」


「街の規模として見るとかなり小さめです、そしてとても暖かい島です。」


「南部にいた頃より、季節が進んだせいで、単純には、比較できないけど・・・・・・

 ここも、負けず劣らず、暖かいと、思う。」


「広い海に暖かい気候、さらに人の多い街とは違った落ち着いた雰囲気

 これはもしかしなくてもバカンスに最適な街なのでは!?」


「さち、よくバカンスなんて言葉、知ってたね。」


「はい、日常モノでは夏休みに水着回とかそう言ったのが定番ですから。」


「・・・・・・相変わらず、知識が偏ってるわね。」


「ノワさんだって人の事言えないぐらい偏ってるじゃないですかー。」


「まぁ・・・・・・一般的な、知識が欠けてるのは、認める。」


「まぁ、それは置いといてこの機に私達も水着を・・・・・・。」


「却下。」


「えー、いいじゃないですか、前の世界では海水浴とか禁止だったんですから。」


「海水浴と言う、行為に・・・・・・必要性が、感じられない。」


「私もやった事がないから何とも言えませんが、きっと楽しいですよ。」


「・・・・・・やりたいなら、一人でどうぞ。」


「えぇ、じゃあせめて水着だけでも。」


「あんな、面積が薄いだけの、服を着て、何が楽しいの?」


「えっと、雰囲気を楽しむとか?」


「興味ないわ。」


「ばっさり斬り捨てられましたー

 こうなれば視聴者の皆様の力を借りるしかありません。」


「・・・・・・。」


「ノワさんは是非水着を着るべきだと言う意見の方は今こそ感想機能からお便りをお願いします。」


「着たところで、映像は、配信出来ないから、無意味よ。」


「えぇ、そうでした・・・・・・。」


「さて、現地紹介に、戻るよ。」


「仕方ありません。そうしましょう。」


「この島は、オリヴァと言う木が、島中に、生えている。」


「ふむふむ・・・・・・。」


「これは、いくつもの実を付け、そこから質の良い、油が精製出来る。」


「油と言えば雨乾都市で豆から採ったのがありましたね。」


「そうね、今回は、木の実由来だから、少し成分等も、違うはず。」


「あそこで買った肌ケアのクリームは現状とても役に立ってますね。」


「あれ、使ってたのね。」


「買ったからには使いますよ

 と言うかノワさんも使ってくれていいんですよ?」


「いいわ、特に緊急性があるものでも、ないし。」


「そこはちゃんと日頃から外見とか意識しておきましょうよ。」


「今日は、やけに、色々と、(こだわ)るね。」


「ノワさんが女子力不足だからです

 魔力とか冒険者としての実力を高めるのもいいですけど、女子力ももっとつけましょうよ。」


「・・・・・・そもそも、女子力が、どう言う能力なのか、今一、理解しがたい。」


「こうなればあれです。ノワさんの女子力アップをコーナーにしましょう

 視聴者の皆様、今こそ女子力アップのためのあれこれをお便りにして送って下さい

 出来る限り企画としてノワさんに実践させます。」


「・・・・・・大丈夫、他のコーナーも、来ないぐらいだから、これが成り立つとは、思えない。」


「そう言って後で大量のお便り貰って慌てても知りませんからね。」


「・・・・・・。」


「さて、話を進めましょう。」


「・・・・・・そうね、いつまでも、余計な事に、気を取られてても、仕方ない

 オリヴァの実は、油を採るだけでなく、そのまま食用にも、使用できる。」


「お昼のパンの間に挟まってた黒っぽい実がそれですね?」


「そうね・・・・・・

 ちなみに、油も、食用油としての、使用が、多いらしい。」


「実は野菜や果物と言うよりかは、ハーブとかに近い風味でしたね。」


「主菜にするよりは、香り付けとかの方が、合いそうだったね。」


「ついでに油にもなるんですね、油と言えば前の世界で使ってたのはブドウの種から採った奴でしたが

 こっちは種じゃなくて実から採れるんですね。」


「そうね、種よりも大きいから、1度に大量に採れそうだし、効率はいいのかも。」


「なるほど、味の違いも気になるところなのでオリヴァの実の油を使った料理も食べておかないとですね。」


「さらに、実だけでなく、木そのものも、硬くて、色々と加工されて、使われているとか。」


「素材を余すところなく使えるなんて便利な木ですね。」


「日用品や食器みたいに、普段から使われるものから、冒険者の装備品まで、硬さを生かして、使われているみたい。」


「使用頻度の高いものは耐久性が重要ですからね、ついでに装備品も。」


「まぁ、戦闘中に、いきなり壊れて、使い物にならなくなったら、目も当てられない。」


「大群相手の狩りとか続けてると気が付けばかなり磨り減るんですよね、装備って。」


「手入れは、常に怠らず、だね。」


「えぇ、特に替えの利かない希少な装備は日常の狩りには使わないようにするとか

 メリハリも大切です。」


「複数の装備を、持ち歩くのも、大変だけど、予備や状況に応じた、切り替えも必要だから、悩ましいね。」


「今の私たちは最低限道すがらに襲って来る魔物と戦うだけだからそこまで気にしなくてもいいですけどね。」


「そうね・・・・・・さて、紹介は以上かしら?」


「私からは特に言う事はないですね。」


「じゃあ、以上、現地紹介、でした。」






「さて、結構話し込んだので今日は間のコーナーを入れる時間がありません

 早速この先の予定について話しましょう。」


「次は・・・・・・とりあえず、ここから歩いて行ける場所には、街はないから

 1度、暖海の港町に戻って、そこから、陸路に、なるかな。」


「他に何かありそうな島とかもなしですか?」


「今のところ、そう言う、情報は、ないね。」


「では戻るのを前提としておきましょう。」


「陸路だと、帝国の首都、帝都方面へ向かう、道があるはずだから

 帝都に着くまで、ひたすら、それを進む事に、なりそう。」


「おぉ、帝国の首都、一体どんな場所が待ってるのでしょうか!?」


「何にせよ、1度、暖海の港町に、戻るなら・・・・・・次の放送までは、少し、間が空いてしまいそう。」


「戻って、さらにそこから次の道を進んでですから仕方がないですね。」


「なので、次回の放送は、少し遅れてしまうかも、ご了承、よろしく。」


「その間にたっぷりお便りを募集しておきましょう。」


「じゃあ、さち、内容の、確認を、よろしく。」


「はい、現在募集強化中のお題は

 今年になって自分のここを変えたい場所

 冒険の疲れを取るための視聴者さんお勧めの方法

 ノワさんの女子力をどうやって上げたら良いか

 の、3つとなっております。」


「何か・・・・・・増えてるし。」


「そりゃ、言ったからにはやりますよ、やってやりますとも。」


「まぁ、実際に、お便りが来たら、考えてあげる。」


「やった、視聴者の皆様お願いしますね。」


「では、今日は、ここまで。」


「はい、今回も最後までお疲れ様でした。」


「次回は、ちょっと送れるけど、次の街に、着いたらやるから、しばらく待ってて。」


「ではでは、ウィッカラジオを聴いて下さってありがとうございました

 お相手はさちと。」


「・・・・・・ノワでした。」


「次回もよろしくおねがいします。」


「・・・・・・またね。」


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