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第36回配信「言霊の村」


「ラジオの前の皆様、こんにちは

 さちです。」


「・・・・・・ノワよ。」


「それでは、本日のウィッカラジオ放送開始です

 皆様拍手ー。」


「・・・・・・皆様、って言うほど、人がいないよね。」


「えぇ、私とノワさんの2人だけですねこの部屋。」


「その他の、手伝いスタッフ・・・・・・みたいなのも、いないからね。」


「いいじゃないですか、雰囲気出しなんですから。」


「まぁ・・・・・・何でも、いいけれど。」


「とりあえず、本日は言霊の村ヒトコからお送りしております

 詳しくはいつも通りこの後のコーナーで。」


「それじゃあ、早く始めましょう?」


「そうですね。オープニングで長々と喋るようなこともないですし

 ウィッカラジオ、スタートですっ。」






「改めましてこんにちは

 ウィッカラジオ、本日は言霊の村ヒトコより放送中。」


「まずは・・・・・・現地紹介。」


「はい。この言霊の村ヒトコは前回の放送場所である防塞都市トロホードより街道を進み

 言の葉の森と呼ばれる森林地帯の端をかすめるように通り抜けた先にある小さな村です。」


「そう説明するだけなら、簡単だけど・・・・・・結構、苦労したね。」


「えぇ、端を通るだけだった言の葉の森が思った以上の難敵でした。」


「言の葉の森は、そこまで鬱蒼(うっそう)と、木に覆われているわけではなく

 木々の合間から、光が差し込むような、明るい森では、あったのだけれど。」


「明るくて空気もきれいで、どちらかと言えば森林浴とかでゆったり出来るような森でしたね。」


「ただ、土地の問題なのか、植生の問題なのか

 森全体が、薄っすらと魔力に覆われていて、非常に厄介だったわ。」


「覆われていると言っても肌で感じるとかそう言うのはなかったんですけどね。」


「森の魔力に影響されてか、やたらと、魔法を使う時に、抵抗のようなものを、感じたわ。」


「私はほとんど魔法を使わないからいいですけど、ノワさんが大きく影響されてしまって・・・・・・。」


環境操作フィールドコントロールは維持できない、戦闘でも、詠唱から発動まで、タイムラグを感じる

 そもそも大型の魔法は、制御すら厳しい・・・・・・。」


「基本的に道中で魔物に襲われる時は圧倒的な性能のノワさんの魔法に頼りっきりなので

 いざ使えないとなると予想以上に苦戦させられるんですね。」


「ついでに、魔道器も、正常に作動しないから、コンパスが、まさかの無力化。」


「はい。道の分からない森の中で方向確認すら出来なくなって危うく迷子になるところでした。」


「運が悪ければ、そのまま、餓死もあり得たわ。」


「大丈夫です。森には食べられそうな動物も植物もありましたから、いざとなれば・・・・・・。」


「そんな状況には、陥りたく、ないね。」


「そうですね、危険は出来る限り避けたいものです。」


「これは余談でしか、ないけど・・・・・・コンパスとかが、影響を受けて、機能を停止したついでに

 この番組の、放送機材も、影響を受けて、少しメンテナンスに、時間がかかった。」


「村に着いてからずっと部屋にこもって何かしてると思ったら機材の準備をしてくれてたんですね

 ありがとうございます。」


「これは、さちには、任せられないから、仕方ない。」


「未だにラジオの原理とかまったく分かってませんからね。」


「で、その代わりに、この村で、面白い情報とかは、拾って来たのよね?」


「えぇ、何ですかそれ!?」


「勿論、私が放送の準備を、している間・・・・・・さぼってたわけでも、ないでしょ?」


「それが、この村本当に何もないんですよね。」


「・・・・・・。」


「いや、そんな顔されてもないものはないんですよ

 特別名物があるわけでもなければ、冒険者とかの補給拠点になってるってわけでもなくて。」


「・・・・・・じゃあ、そんな、何もないところに、何で、村があるの?」


「そこなんですけど、どうにも言の葉の森が関係してるようなんです。」


「森が? どう言う事・・・・・・?」


「私達が通った時も分かったように、あの森には魔力が満ちてますし

 住んでいる動物とかも攻撃的(アクティブ)なものから非攻撃的(ノンアクティブ)なものまで色々います。」


「そうね・・・・・・こちらの魔力が、制限されてるから、かなりてこずったわ。」


「さらに、そう言ったものだけじゃなくて森の主と言われる人語を解する狼が住んでるそうなんです。」


「まぁ、ありがちな、伝承ね。」


「それがただの伝承ではなくて、定期的に村の代表が森へ出向いて会ってるそうなんですよ。」


「伝承どころか、今も実在、してるのね?」


「えぇ、それで互いに領土の不可侵を取り決めているようなんです。」


「それと・・・・・・この村の、関係は?」


「まず、森の主に対して人間側の代表としての窓口の役割です。」


「ふむ・・・・・・。」


「さらに、定期的に村の人が森へ入って他の人間が荒らしてないかなどを見回っているそうなんです。」


「じゃあ、この村は、森側との、取り決めのためだけに、存在すると?」


「簡単に言うとそんな感じですね。」


「なるほど、あくまで人間側の、利便性とかは、関係ないのね。」


「そうですね。森との約束を誰かが破らないようにするためだけに人が必要で

 その人らが住むために村と言う形になっただけみたいです。」


「それなら、人間側に、何のメリットもないのが、納得ね。」


「はい。特産品とか名所とかがあろうがなかろうが森の動物には関係ないでしょうからね。」


「ふむ、それなら・・・・・・。」


「はい?」


「その、主の狼とやらに、インタビューに行きたいわね。」


「えぇ!?」


「まぁ、無理なのだけれど。」


「そうですよね、勝手に森に入ったらそれこそ見回りの方に怒られそうですし。」


「それ以前に、森だと、機材が使えないから、インタビューしても、放送出来ない。」


「あっ、そうでしたね・・・・・・。」


「せっかく半日かけて、メンテナンスした、機材を、また壊したくないから、森には入りたく、ない。」


「本当にお疲れ様です。」


「そう言うわけだから、この村で、やる事は・・・・・・これ以上は、なさそうね。」


「そうですね。最低限の補給を済ませたら先に向かいますか?」


「えぇ、そうしましょう。」


「ではでは、とりあえず現地紹介はここまでで。」






「さて、時間が半端に余りました

 1コーナー分もないけれどエンティングには早いです。」


「じゃあ、これからの、企画だけど。」


「はい、何か良い案でも出ましたか?」


「さちは、漫画が好きだったよね?」


「えぇ、そうですけど。」


「じゃあ、実際に、描いてみましょう。」


「描くって、漫画をですか!?

 しかも私が?」


「そう・・・・・・さちが漫画を描いて、放送ごとに進捗(しんちょく)を、報告。」


「何かとても大変そうな気がするんですが・・・・・・。」


「番組を、盛り上げるためなら、多少の苦労は、仕方ない。」


「たしかにそうですね。」


「と、言うわけで、どうかな?」


「んっ、ちょっと待って下さい。」


「・・・・・・何?」


「ラジオでどうやって漫画を見せるのでしょう?

 映像とか画像って送れないんですよね?」


「・・・・・・ばれたか。」


「えぇ、ばれたって何ですか、また私を騙して遊ぼうとしてたんですか!?」


「さて、適度に、時間を消費できたので、エンディングに、移る。」


「酷すぎます・・・・・・。」






「さて・・・・・・そう言うわけで、次回の、予定。」


「はい、この村ではあまり情報収集をしてないようですけど決まってるんです?」


「大丈夫、この村から、さらに進めば、暖海の港エイゲが、ある。」


「港町ですか、ここって結構大陸の内部だと思ってましたが。」


「湾になっている部分を、利用して、外海まで出られる場所に、港があるらしい。」


「なるほど、海が内陸の方まで入って来てるんですね。」


「そうね・・・・・・とりあえず、そう言う理由で、港町があるから、そこへ行ってみる。」


「分かりました、しばらく陸路が続いたから海へ出てみるのも良さそうです。」


「じゃあ・・・・・・次回の、放送は、暖海の港エイゲに、着いたら。」


「はい。それまでにお便りをたくさんお待ちしております。」


「詳しくは、番組の末尾にある、感想機能から、私達への、お便りが、送信出来るから、そこから、送ってくれると、嬉しい。」


「現在募集強化中のお題は

 今年になって自分のここを変えたい場所

 冒険の疲れを取るための視聴者さんお勧めの方法

 の、2つとなっております。」


「結局、まだ1通も、来てないから、お題が来るのを、楽しみに、してる。」


「皆様のご協力お願いいたします。」


「さて、それじゃあ、今日は、このぐらいで。」


「はい、今回も最後まで聴いて下さってありがとうございます。」


「次回も、楽しみに、してくれたら、嬉しい。」


「それではウィッカラジオ、本日はここまで

 お相手はさちと。」


「・・・・・・ノワでした。」


「ノワさんも視聴者さんもお疲れ様でした。」


「・・・・・・またね。」


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