表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
34/49

第34回配信「青草の村」


「ラジオの前の皆様、こんにちは

 さちです。」


「・・・・・・ノワよ。」


「ウィッカラジオ、本日の放送を開始したいと思います

 今回も最後までよろしくお願いしますね。」


「・・・・・・よろしく。」


「さて、本日の放送ですが青草の村ゴディンより行っております。」


「とりあえず、予定通りの、放送ね。」


「えぇ、神聖都市に入れない時はどうなるかと思いましたけど

 何とかここまで行けましたね。」


「この村では、そこまで悪い扱いじゃ、ないね。」


「そうですね。相変わらず多少普通の人間とは外見が違うノワさんも普通に接してくれてますね。」


「この世界だと、人間に近い種族が、どれぐらい多いか、正確に分からないから・・・・・・

 この前みたいな事がないか、どうしても、心配になるね。」


「私も外見こそ普通の人間とほぼほぼ変わらないですが、実態はあれなので気が休まりません。」


「でも・・・・・・この部屋も、貸してくれたし、普通に放送する分には、心配しなくて、良さそう。」


「そうですね、これから先の街でもいい人達に出会えると信じて

 とりあえず今は放送に集中しますか。」


「うん・・・・・・それじゃあ、開始の合図、よろしく。」


「はいっ。ウィッカラジオ、スタートですっ。」






「と言うわけでウィッカラジオ、本日は青草の村ゴディンより放送中

 まずは現地紹介からやって行きたいと思います。」


「神聖都市から、数日ほど歩いた、草原にある村

 規模的には、大きくはないけど、貧しいとかではなく、純然と、静かな場所。」


「大都市が近いのもあってか、特に物が不足してるとかそう言う感じではないですね。」


「宿も、他の街や村と比較して、悪いわけでもないし、食事も十分だった。」


「えぇ、チーズをたっぷりと包んで焼いたパンが美味しかったです。」


「草原地帯の真ん中に立っていて、放牧地に困らないから、畜産業が主流の村

 ・・・・・・だから、乳製品、特にチーズが有名。」


「なるほど。それであんなに美味しかったんですね。」


「チーズをベースにしたソースを絡めた、牛のソテーも、美味しかった

 ・・・・・・さちほどではないけど、やっぱり、美味しい物を食べられるのは、嬉しい。」


「相変わらず道中の食事はあれですからね・・・・・・。」


「これでも、少しは、料理は上手くなった・・・・・・と、思いたい。」


「それでも旅に持ち歩ける調理器具には限界がありますし、それ以上に食材だって制限が多いです。」


「足の早いものは、どうしても、旅歩きには向かないから、干し肉とか、そう言うのが、主流に、なるね。」


「どうしても新鮮なお肉には劣るんですよね、その辺り。」


「そこは・・・・・・街に着いた時に、より美味しく感じると思って、受け入れるしか、ない。」


「えぇ、そうします。現にこの村の料理は美味しかったですし。」


「チーズなら、それなりに、日持ちもするし・・・・・・少し買っておこうか?」


「そうしましょう。と、食べ物の話題ばかりになってしまいましたが、他にこの村に何かあったりします?」


「そうね・・・・・・見所は、地上の青海とも言われる、周辺に広がる大草原地帯。」


「街道はちゃんと手入れされてますけど、それ以外の場所は一面背の高い草で埋まってますからね。」


「デュウリーフ、この地方独自の植物で、他にはない、青緑色の葉が特徴

 食用、薬用などには使えないため、現地では、主に家畜の飼料として、使われる。」


「ふむふむ、それがこの草原の正体ですか。」


「そんなところね・・・・・・ただ、言ったように、他の地方では見られない植物だから、その独特の風景は、見所にもなる。」


「葉の色艶が良いのも含めて、これだけ一面に広がってると壮大ですよね。」


「今まで見たことがある、草原地帯とは、違った景色である事は、たしかね。」


「そこは素直に感動しておきましょうよ。」


「まぁ・・・・・・何も思わなかった。と言えば、嘘になるわ。」


「むぅ、素直じゃないんですから。」


「さて、現地紹介は、これぐらいかな?」


「そうですね。私からは何もないです。」


「じゃあ、以上。少しでも、この村の事が、広まったなら、良かった。」






「さて、今日は尺が余りました。何をしましょう?」


「・・・・・・困ったわね、何も考えて、ないわ。」


「じゃあ、久しぶりに何か小話でもしましょう。」


「テーマは?」


「え、あ、そうですね、考えてなかったです。」


「何かやりたいなら、急いで考えて。」


「分かりました、考えますっ。」


「・・・・・・。」


「えーっと・・・・・・。」


「・・・・・・残り10秒。」


「えぇ、短くないですか!?」


「・・・・・・5、4・・・・・・。」


「えっと、大根と農家で!」


「・・・・・・じゃあ、さち、大根の役、やってね?」


「あぁぁぁぁっ、何で勢いでこんな事言ってしまったんでしょう私。」


「それじゃあ、スタート。」




「・・・・・・さて、本日の、農家3分クッキング。」


「えっ!?」


「まず、大根の、皮を剥きます。」


「ちょっと待って下さい、いきなり食べないで下さい。」


「この地方の大根は、こうやって、命乞いをしてくるので、心を無にして、作業しましょう。」


「そこはちゃんと聞きましょうよ、と言うか私が食べられたら話が進まない気がするんですけど!?」


「では、このピーラーで、剥きます。」


「ぎゃぁぁぁぁぁっ!」




「って、何やらすんですか!?」


「以上、さちの、迫真の、悲鳴でした。」


「と言うかもうちょっとシチュエーションとかどうにかならなかったんですか?」


「大根を、やるって、言ったのは、さちだよ?」


「う、確かにそうですけど。いきなり食べられるだけの役ってどうしようもないじゃないですか。」


「じゃあ、真面目に、やるとして、どう言う展開が、良かった?」


「まだ元気に生きてる収穫される前の頃とか。」


「それ、たぶん、剥かれる代わりに、引っこ抜かれて、悲鳴を上げるだけだと・・・・・・。」


「結局何も変わってないじゃないですかそれー。」


「そもそも、テーマを、大根にした時点で、どうしようもないかと、思うわ。」


「えぇ、いくら思い浮かばなくて焦ったとは言えどうしてあんな事を言ってしまったんでしょう。」


「その辺りは、自分に、聞いて。」


「数分前の私、一体何であんな事を・・・・・・。」


「さて、さちが自問自答に陥って、フリーズしたので、このコーナーは、ここまで。」






「・・・・・・さて、そろそろ、次回の予定。」


「うぅ、私は何で大根なんかに・・・・・・。」


「・・・・・・さっきのコーナーの、ダメージを、まだ引き摺ってる。」


「大根・・・・・・湿地帯の馬の魔物・・・・・・。」


「さち・・・・・・いい加減、話進めるよ。」


「はっ、すみません。意識が何処か飛んでいました。」


「で、次回の予定、だけど・・・・・・。」


「はい、このまま街道を進むんですか?」


「そうね、このまま進むと、スティルグルド帝国への、国境がある。」


「帝国、何か話が壮大になって来ましたね。」


「まぁ、どう言う国かは、正確には、知らないけど

 今のところ、他の冒険者からも、悪い話は、聞いてない。」


「と、なると。旅自体は今まで通りの感じなんです?」


「そうね。帝国内の各街や村を巡りながら、随時放送する

 そこは変わらない。」


「分かりました。後は神聖都市の時みたいな不測の事態が出ない事を祈るだけですか。」


「そこまで構える必要はない。南部に行った時みたいに、少し、地方が変わるだけ。」


「そんなぐらいで大丈夫なんですか、何か帝国って響きでびびってましたけど。」


「うん・・・・・・特に、冒険者間で、問題があった、みたいな話は出てない

 普通の国みたいに、入れるはず。」


「なら安心です。」


「じゃあ、次の放送は、国境を抜けて、最初の街か村に、着いたら。」


「分かりました。国境越えとなると距離がありそうですから準備がまたいりますね。」


「その間に、いつも通り、感想機能から、お便りを、募集。」


「現在募集強化中のお題は

 今年になって自分のここを変えたい場所

 冒険の疲れを取るための視聴者さんお勧めの方法

 の、2つとなっております。」


「それじゃあ、今日はこのぐらいで。」


「はい。ノワさんも視聴者の皆様もお疲れ様です。」


「また次回。それまでに、気軽に、お便りを、送ってくれると、嬉しい。」


「はい。最近めっきり来てないので気軽にお願いしますね。」


「・・・・・・じゃあ、今回のウィッカラジオは、ここまで。」


「お相手はさちと。」


「・・・・・・ノワでした。」


「最後までご視聴ありがとうございました。」


「・・・・・・またね。」


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ