第33回配信「神と守護者」
「ラジオの前の皆様、こんにちは
さちです。」
「・・・・・・ノワよ。」
「本日もウィッカラジオ、放送していきますよ。」
「最後まで、よろしく。」
「なお、本日の放送場所は心臓都市キャントリアとなっております。」
「・・・・・・おかしいと、思った人は、このラジオを、よく聴いてくれている。」
「えぇ、詳しいことは番組が始まってから説明しますね。」
「まぁ、色々と、事故があった・・・・・・と言う事で。」
「旅に想定外は付き物ですからね。気を取り直して行きましょう。」
「・・・・・・うん。それじゃあ、今回も、最後まで、よろしく。」
「はい。よろしくお願いします
そう言うわけでウィッカラジオ、スタートですっ。」
「改めましてこんにちは
ウィッカラジオ、本日は心臓都市キャントリアより放送しております。」
「うん・・・・・・見事に、前回から、動いてないね。」
「厳密には動いたんですけどね。」
「じゃあ、何があったか、説明、よろしく。」
「はい。今回の放送を行う予定だった神聖都市オールデンまでは行く事は行ったんです。」
「何で、戻って来た?」
「それが、人間以外は立ち入り禁止でして門番の方に止められてしまったのです。」
「・・・・・・まぁ、私達は、人間では、ないからね。」
「特にノワさんは羽を隠せないから目立ちますし
今まで寄った街では珍しいからと注目を集めることはありましたが、ここまでの扱いは初めてです。」
「この世界は、前の世界と比べて、人間以外が、混じって生活している事は、少ないからね。」
「たしかに、私みたいにぱっと見では分からないようなのが混じってるかも知れませんが
基本的には羽やら角やら尻尾やらみたいなのが生えてる種族は一般には住んでないようですからね。」
「それを考えると、私の外見が、今まで問題にならなかったのも、僥倖だった。」
「まぁ、番組の放送用に建物とか借りるのに素性を怪しまれて説得に苦労したりとか
放送してない部分での苦労はなきにしもあらずですが。」
「その辺りは、リスナーは、知らなくていい、部分・・・・・・。」
「いいんですよ。たまには番組制作の裏話とかそう言うのが混じっても。」
「何にしても、完全に、立ち入り禁止は、予想外だった。」
「そうですね。とりあえず今後のルートの変更とかも含めて準備のために心臓都市まで帰って来たのはいいですが。」
「次の予定は、番組の最後にでも、また決めるから、今は、別の話。」
「分かりました。とは言え現地紹介もする事ないですし何を話しましょう?」
「入れなかった、神聖都市についての、話?」
「それも入れなかったのでどのような街だったとかは全然分かりませんよ。」
「前回の、次回予告で、言ったぐらいの、情報しか、ないね・・・・・・。」
「たしかこの大陸で一番盛んな宗教の総本山があるところでしたよね?」
「そう・・・・・・信仰の、中心地、らしいね。」
「うーん、それだけじゃ話を広げにくいですね。」
「じゃあ、さちは、神とか、信じる?」
「えっ、えーっと・・・・・・。」
「・・・・・・。」
「やっぱりそう言うのは信じたいところですね
本当にいるにせよいないにせよ、信仰と言うか想いの力って大切だと思いますので。」
「・・・・・・なるほど。」
「それに、やっぱりいた方が夢があるとは思います
色々な伝承やそれを元にした創作。夢は広がりまくりですよ。」
「あぁ、うん・・・・・・そっち方向に、行くのね。」
「と言うかそもそも冒険者には神官の方とかいらっしゃるんですから
信じる信じない以前の問題だと思いますけど。」
「・・・・・・たしかに、言われてみると、そうだったね。」
「ついでに言いますと神様ではありませんが、世界を守る役目を持った人智を超えた存在とか
そう言った方々にも会った事がありますので今更神様の1人や2人いたところで驚きません。」
「う、うん・・・・・・何と言うか、凄い交友関係ね。」
「その辺りはあの人に再会した時に言って下さい。私は着いて行っただけなので。」
「あの人も、相変わらず、大概ね・・・・・・。」
「世界を守ると言えば、そう言った役目を持っていた守護者の方も
非番の月には個人的にあの人の手伝いをしてくれたぐらいですし、もう色々と規格外ですよ。」
「ふむ・・・・・・せっかくだから、その話詳しく。」
「詳しくと言われましても何を話せばいいのか。」
「そもそも、その守護者って、誰?」
「あれ、ノワさん会ったことありませんでしたっけ?
大きな傘持ってて鬼火みたいなのが回りに浮かんでる・・・・・・。」
「・・・・・・その説明だと、さちとも一致するんだけど。」
「はっ、たしかに
えーっとそれじゃあ・・・・・・。」
「見た目とか、もっと、何かないの?」
「あの人と同じデザインの黒いドレス着てて、頭の上に大きな耳が付いてて・・・・・・。」
「あぁ、あの人か、あまり会った記憶がないから、忘れてた。」
「ノワさんもその人も私達のパーティーに入ったのが遅かったですからね、仕方がないかもです。」
「そうね。意外と一緒にいた期間は、短かったかもね。」
「えぇ、半年もしないぐらいでこの世界に飛ばされてしまったんじゃないでしょうか?」
「うん・・・・・・たぶん、それぐらい。」
「よし、何だかしんみりしちゃうのでこの話はここらで・・・・・・。」
「いや、どうせ今日は、話題もないし、せっかくだから、前の世界の話でも聞かせて。」
「うーん。とは言え面白いエピソードみたいなのってないですからねぇ。」
「じゃあ、その守護者さんの事、語れる範囲で?」
「それこそ話せる事ない気がするんですが・・・・・・。」
「さちから見て、その人は、どう言う印象?」
「えぇ、そうですね・・・・・・
何か難しい言い回しとか得意でミステリアスな感じでちょっと憧れます。」
「ふむ・・・・・・。」
「それでいて落ち着いてて誰にでも優しい感じでしたし、ある意味隙がない人でしたね。」
「何だろう、さちの周りって、規格外ばっかり?」
「えぇ、たしかに凄い人は多いですけど・・・・・・。」
「その割りに、さちって、普通と言うか、むしろしょぼい・・・・・・。」
「酷いですっ、そう言うノワさんだって・・・・・・すみません。能力が規格外でした。」
「ふふ・・・・・・。」
「むぅ、たしかに勝てるところはないかもしれませんがいいんです。」
「まぁ、勝ち負けじゃないから、気にし過ぎは、良くない。」
「最初に煽ってきたのノワさんじゃないですかー。」
「むしろ、残念なところが、さちの、魅力?」
「えぇ・・・・・・。」
「こうやって、気安く、からかったり出来るのも、さちの、人柄があってこそ、だと思う。」
「ノワさん・・・・・・。」
「・・・・・・ん?」
「何かいい話の方向へ持って行こうとしてますけど、騙されませんよ。」
「・・・・・・。」
「何で明後日の方向に顔を向けるんですか!?」
「・・・・・・さて、そろそろ、いい時間。」
「またはぐらかそうとしてますし。」
「では、次のコーナーへ。」
「さて・・・・・・気を取り直して、次回の予定。」
「何だか納得行きませんが、それは放送終わってからにしましょう。」
「で、今後の目的地だけど・・・・・・。」
「はい。もう決まってはいるんですか?」
「本来、神聖都市に着いた後、街道をそのまま先へ、進む予定だったから。」
「それが、肝心の神聖都市に入れなくなってしまいましたからね。」
「だから、多めに、食料とかを、準備して、神聖都市で、補充をせずに、先に進む。」
「また強行軍になりそうですね。」
「あんみつに、多めに積めば、もう1つ先の街までぐらい、足りるはず。」
「で、進んだ先は何があるのでしょう?」
「青草の村ゴディン・・・・・・草原に作られた、小さな、集落。」
「お、村ですか。しばらく大きい街が続いたのでどんな場所か楽しみですね。」
「そうね・・・・・・何か、面白いものが、あるといいね。」
「では、次回の放送はその青草の村に着いたらと言う事で。」
「少し遠いから・・・・・・間が空いてしまったら、ごめん。」
「本来なら間に神聖都市が入るぐらいですからね。長旅になるのは覚悟しましょう。」
「じゃあ、今日は、この辺りで。」
「何だか内容がとっちらかってしまってすみません。次回は平常運転で放送出来るように頑張ります。」
「まぁ、想定外な状況の中、お疲れ。」
「はい。ノワさんも視聴者の皆様もお疲れ様です。」
「次回の放送までに、感想機能から、お便りをくれると、嬉しい。」
「現在募集強化中のお題は
今年になって自分のここを変えたい場所
冒険の疲れを取るための視聴者さんお勧めの方法
の、2つとなっております。」
「気軽に、送ってくれるのを、待ってる。」
「では、本日の放送はここらで
お相手はさちと。」
「・・・・・・ノワでした。」
「次回の放送でお会いいたしましょう。」
「・・・・・・またね。」




