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第30回配信「音楽都市」


「ラジオの前の皆様、こんにちは

 さちです。」


「・・・・・・ノワよ。」


「本日もウィッカラジオ放送して行きたいと思います

 是非聴いていって下さい。」


「・・・・・・最後まで、よろしく。」


「なお、本日は音楽都市ミディティよりお送りしております

 聞こえますでしょうか? 夜になっても鳴り止まない様々な音楽が。」


「・・・・・・聞こえてないと、思う。この建物は、防音設備が、ばっちり。」


「えぇ、何となくそれっぽく言ってみましたのに。」


「無駄に、それっぽくしないでも、いいから・・・・・・。」


「いいんです、気分です。盛り上がった方がいいじゃないですか?」


「さちが、1人で盛り上がっても、大差ない?」


「えぇ・・・・・・。」


「さて、そろそろ、始めるよ。」


「分かりました。気を取り直して

 ウィッカラジオ、スタートですっ。」






「はい。それでは気を取り直しまして

 ウィッカラジオ、本日は音楽都市ミディティからの放送となります。」


「まずは、現地紹介。」


「この音楽都市ミディティは大陸の中央部にある都市でして

 世界中から音楽家が集まる大変栄えた街となっております。」


「なんでも、世界中を旅して、音楽を伝えて歩いた・・・・・・有名な、吟遊詩人の、出生地、らしい。」


「世界中を旅して何かを伝える、私達に繋がるものを感じますね。」


「その点だけ、見たら、似たようなものね。」


「つまり、ラジオがこれからこの世界で有名になれば私達も有名人に

 そして出発点となった街道都市はラジオの街として売り出す事に・・・・・・。」


「うん、まぁ・・・・・・ないだろうね。」


「えぇ、それぐらい夢見てもいいじゃないですか。」


「感想の1件も来ないような、マイナー番組じゃ、有名人どころの、話じゃない。」


「う、それを言われると厳しいです。」


「さて、街の、紹介に、戻るよ。」


「はい。そんな感じでいつしか音楽の道を志す人が集まるようになったようですね。」


「今では、野外演奏をするための、公園や、楽器屋、大きな劇場など

 音楽に関して、特化した街へと、発展した。」


「やっぱりきっかけって大事ですね、何かしら名物とか作ろうと思ったら。」


「そうね、有名な人物を排出した・・・・・・と言うのは、大きかったのでしょうね。」


「そんなこの街ですが、当然名産も音楽関連ですね。」


「有名楽団の演奏などによる、観光業

 様々な地域の伝統楽器などによる、製造業

 そう言ったものが、大半ね。」


「まぁ、そうなりますよね。」


「農業、漁業などは、そこまで盛んではないから、食に関しては、交易頼り、だね。」


「このところ乾燥地帯とかが続いてましたが、ここは気候に関しても問題なさそうですしね。」


「中央部に入ったから、普通に四季も、存在するし

 偏った気候でも、ないね。」


「中央部でも随分暖かくなりましたね。冬の間南部に逃げてて正解でした。」


「1番寒い時期は、年中暑い地方に、いたからね。」


「さて、ここまでシンプルに音楽の街。って形でまとまられると

 逆に紹介しづらいですね。」


「たしかに、音楽が、盛んなのは、分かるけど・・・・・・それ以上、説明しにくい。」


「とりあえず、右も左も音楽1色って事で分かっていただけたら幸いです。」


「無理矢理、締めたね・・・・・・。」






「さて、現地紹介が思ったより苦戦したために尺がかなり余りました。」


「大丈夫、そんな事も、あるかと思って・・・・・・。」


「えぇ、何か出て来ました

 これは・・・・・・見た感じ笛のようですけど。」


「そう・・・・・・リリッタと言う、とある地方から、広まった横笛の、1種

 今回の放送の件を、説明したら、貸して貰えた。」


「ふむふむ、それで、これをどうするのですか?」


「勿論、さちに、吹いてもらう。」


「えぇ!?」


「ちなみに、口の部分が、独特の形状になっていて、コツを掴まないと、音が出ない

 ・・・・・・そう聞いた。」


「いや、それをいきなり吹けって無茶じゃないです?」


「綺麗な演奏が聴けたら、リスナーさんも、ラッキーだし

 失敗しても、それはそれで、おいしい。」


「な、何かはめられている気がしない事もないですが、分かりました。」


「・・・・・・頑張って。」


「では、行きます・・・・・・。」


「・・・・・・。」


「プ、プフォォ~・・・・・・。」


「・・・・・・。」


「ヒュッ、プフッ・・・・・・。」


「・・・・・・何と言うか、空気が抜けるような、音しか、しない。」


「これ絶対ちゃんと音が出てないですよね? こんな楽器じゃないですよね?」


「違う・・・・・・はず。」


「むぅ、そうなると私の吹き方の問題ですか・・・・・・。」


「コツがいるらしいから、ちゃんと吹けてないん、だろうね。」


「くっ、何か非常に悔しいです。初心者には無理な気がしますが負けた気分です?」


「・・・・・・もう少し、挑戦する?」


「よしっ、やってみましょう。」


「頑張って・・・・・・。」


「・・・・・・プフォッ。」


「・・・・・・やっぱり、ダメそうだね。」


「プフ・・・・・・ピ~♪」


「・・・・・・おっ!?」


「ポヒュゥ・・・・・・。」


「・・・・・・。」


「や、やりました。一瞬ですがちゃんと音が出ました。」


「今のは、やったうちに、入るの?」


「は、入るんです。紛れもなくちゃんとしたこの楽器の音でした。」


「一瞬過ぎて、リスナーは、上手く聴き取れなかった、かも。」


「大丈夫です。私は視聴者さん達を信じていますから。」


「まぁ、さちが、満足したなら、それでいい。」


「満足には程遠いですよ。せめてちゃんと音楽に聴こえるぐらいには吹きたいです。」


「じゃあ、これは借り物だけど、後で、ちゃんと購入、する?」


「いえ、吹けるようになるまで続けられる自信がないのでやめておきます。」


「残念・・・・・・?」


「と言うか、さっきから私を見て笑ってるだけのノワさんも吹いてみて下さいよ。」


「以上、さちの、挑戦コーナー、でした。」


「えぇ・・・・・・。」






「では、そろそろ時間も来ましたので次回の予定に参りたいと思います。」


「・・・・・・分かった。」


「次の目的地はもう決まってるのでしょうか?」


「うん・・・・・・心臓都市キャントリア、この大陸の、中央に位置する、最大の都市。」


「おぉ、街道都市でごろごろしてた時から聞いたことがあります。」


「この大陸で最も大きな国の、首都にもあたる都市で、王城を中心に、大きな街が広がっている。」


「ついに来るところまで来たって感じですね。」


「まぁ、都市の大きさに関わらず、宣伝をするのが、私達だけど

 最大の都市となると、流石に、身が引き締まる・・・・・・。」


「次回も上手く行くといいですね。」


「そもそも、今までも、上手く行ってるかと、聞かれると、なんとも・・・・・・。」


「えぇ、放送事故とかはないじゃないですか。」


「事故に近い、ぐだぐだな、放送は、した事ある気が、する。」


「・・・・・・悔しいですが言い返せません。」


「まぁ、少しでも、多くの人に、聴いて貰えるように、頑張ろう。」


「そうですね

 ところでルート自体は大丈夫なんですか?」


「流石に、中心となる、都市なだけあって、繋がるのは、どこも大きな街道

 だから、特別苦労するようなことは、ないと思う。」


「分かりました。では心臓都市に着き次第次の放送と行きましょう。」


「・・・・・・。」


「あれ、ノワさん?」


「・・・・・・うん、そうだね

 とりあえず、それまでに、いつも通り、感想機能による、お便り募集。」


「現在募集強化中のお題は

 今年になって自分のここを変えたい場所

 冒険の疲れを取るための視聴者さんお勧めの方法

 の、2つとなっております。」


「それ以外でも、気軽に送ってくれると・・・・・・嬉しい

 ずっと、来てないから、そろそろ、さちも飢えてる。」


「ま、まぁ、否定はしません。」


「さて、今日はこれぐらいで。」


「そうですね。ここまで聴いて下さってありがとうございました。」


「さちも、お疲れ。」


「はい。お疲れ様です

 本日のウィッカラジオ、いかがだったでしょうか?」


「楽しんでもらえたなら、幸い。」


「それではこの辺りで

 お相手はさちと。」


「・・・・・・ノワでした。」


「次回の放送でお会いしましょう。」


「・・・・・・またね。」


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