第3回配信「さち」
「ラジオの前の皆様。こんにちは
さちです。」
「・・・・・・ノワよ。」
「本日も、ウィッカラジオの放送はじめますよ。」
「今回も、よろしく・・・・・・。」
「で、今日は何を話すんですか?」
「・・・・・・自己紹介。」
「え? それって初回にやったじゃないですか?」
「さちを、もっと掘り下げる。」
「えぇ、掘り下げるって何するんですか?
しかも私限定ですか!?」
「・・・・・・もっと、知ってもらった方が、親しみやすい。」
「まぁそうですけど
だからって私オンリーにする必要なくありません?」
「1回辺りの情報量は、控えめに。」
「また尺が足りなくなっても知りませんよ。」
「・・・・・・足りなくなってから考える
だから、ウィッカラジオ・・・・・・スタート。」
「で、掘り下げるとオープニングで言いましたけど
結局何を話したらいいんです?」
「さちって一体何?
ってところから。」
「また随分と大雑把ですね。」
「とりあえず・・・・・・名前、種族、性別、ぐらいから?」
「名前は、さちってさっきから呼んでるじゃないですか。」
「フルネーム、もっと長いかも。」
「ないです。ノワさんみたいにあだ名とかでもありません。」
「・・・・・・じゃあ次。」
「えーっと、次は種族ですか?」
「そうね。人間じゃないし
そろそろ説明・・・・・・必要。」
「前回の放送で友好的なモンスターが人間に化けて
人間社会に住み着くって言ったじゃないですか。」
「言ってた、と思う。」
「実は私、あれなんです。」
「うん・・・・・・知ってる。」
「ですよね。でも視聴者さんは知らないでしょうから
きちんと説明しますけど。」
「どんな、モンスターだった?」
「人魂みたないなのがふわふわ浮いてる奴です。」
「ウィル・オ・ウィスプ、イグニス・ファタス・・・・・・
その手のは割とメジャーね。」
「そんな感じでダンジョン内に浮かんでたんですよ。」
「何で、出てきた?」
「時折ダンジョンに挑戦する冒険者さんに出会って
倒したらアイテムとかドロップするじゃないですか?」
「アイテムのドロップは、倒した相手が持ち物を落とすこと
この場合は落としたものを手に入れることまで指すわ。」
「えぇ、そうやって落とした物とか見てると
見たことないような物ばっかりで。」
「・・・・・・それで?」
「ついでにパーティー組んでわいわいやってて楽しそうだったし
そういうの見てたら人間社会って楽しそうだなー
なんて思っちゃって。」
「そのまま出てきたと?」
「はい。ただ人間社会のこととか何も知らずに出たので
一般常識とかマナーとか全然分からなくて苦労しましたけど。」
「大変だったのね・・・・・・。」
「えぇ、他にも何も持たずに行ったので
欲しい物とか買う以前に生活費が足りなかったりとか。」
「最近は本ばっかり買ってるように見えるわ。」
「楽しいから仕方ないじゃないですか
この世界に漫画がないとは予想外でしたけど。」
「漫画、好きよね?」
「文章ばっかりの本より楽しいじゃないですか
ついでに堅苦しくもなくて気軽に読めますし
何より絵がメインだからこそできるあの表現は
誰だってついつい惹き込まれちゃいますよ。」
「・・・・・・ちょっと、急に早口でそんなに喋られても
対応に困る。」
「はっ、すみません。
ついつい熱くなってしまいました。」
「好きなことの話になると止まらないタイプね。」
「うぅ、否定できない。」
「・・・・・・そう言うさちは、苦手なジャンルとかあるの?」
「そうですね・・・・・・
魔道書とかみたいな専門書はあまり読みませんね
あくまで読書は娯楽だと思ってます。」
「・・・・・・息抜きは、重要。」
「と言うわけで皆様もお勧めの本とかあったら紹介して欲しい
なんて思いますけど、この世界で手に入るんですかね?」
「流石に別世界の書物、とかならお取り寄せできない。」
「ですよね。せっかくの機会なのに残念です。」
「とりあえずざっと種族とか趣味とか喋りましたけど
こんな感じで大丈夫です?」
「・・・・・・まだ時間はあるわね。」
「えぇ、ラジオの尺って結構きついですね。」
「まだまだ聞けばいい・・・・・・。」
「つ、次は何を話すんですか?」
「せっかくのファンタジー世界
ジョブとか、スキルとか、その辺りの要素?」
「ジョブですか?
冒険者さんのお供をやってましたし、一応私も冒険者扱い?」
「冒険者の中にも色々いる・・・・・・剣士とか、魔法使いとか
細かい分類だと、何に入る?」
「え、えーっと・・・・・・
私って、何ができるのでしょう?」
「・・・・・・私に聞かれても困る。」
「どうしましょう
これってのがありません。」
「じゃあ、この前も話題に出た格闘家・・・・・・って線は?」
「あれも見よう見まねの我流ですから
本職さんの足元にも及ばない程度ですよ。」
「・・・・・・他に武器が扱えたり、魔法が使えたりとかは?」
「種族が種族ですから鬼火とか人魂とか
それっぽいのは出したり飛ばしたり出来ますけど。」
「・・・・・・これも厳しい
なら生産スキルみたいなの?」
「残念ながら読み専です。」
「使えないわね。」
「今、さらっと酷いこと言われた気がします。」
「仕方ないから次に行くわ。」
「えぇ、もうそうしちゃって下さい。」
「この放送以外で最近やってることとか?」
「そうですね・・・・・・
普通に睡眠や食事はとってますし
毎日いたって健康的な生活を送ってると思いますよ?」
「・・・・・・それ以外の自由時間は?」
「前の世界から持って来た本を読んでるか
この世界に来てから買った本を読んでるか
街の図書館に行って本を読んでるかぐらいですかね?」
「見事に全部読書ね・・・・・・。」
「あ、それだけだと生活できないので
最初に人間の街に来た時にやってたノウハウを生かして
職人さんの素材集めの手伝いとか荷物の運搬とか
そういうちょっとしたお仕事は手伝ってますよ。」
「本代はそこから出てたのね。」
「えぇ、宿泊費に食費と考えるとあまり本には回せませんが
このラジオを始めるまではその辺りでなんとかまかなってました。」
「宿にいない時間、そう言うことだったのね・・・・・・。」
「そう言うノワさんだって自力で生活費何とかしてるんじゃないですか?」
「・・・・・・さて、次の話題だけど・・・・・・。」
「あっ、露骨にそらしましたね。」
「・・・・・・せっかくだから、これからの意気込みとか、ある?」
「意気込み? ですか。」
「・・・・・・ラジオでやりたいこととか。」
「そうですね
とりあえず初めての人と話すのとか苦手ですので
少しずつでもこういう形で色々な人とお喋りをして
そういうところをちょっとでも克服出来たらいいなぁ、なんて。」
「その割に、最初から結構喋ってた・・・・・・。」
「ほら、あれですよ
ラジオですと直接顔を合わせて喋ったりするわけじゃないから
その分少し気が楽なんですよ。」
「逆に誰が聞いてるか分からない
下手なことを言ったら危険かも・・・・・・。」
「お、驚かさないで下さい
たしかについつい余計な発言とかしちゃうかもしれないですが。」
「・・・・・・私も、話すのは得意な方じゃない
だからさちには、期待してる・・・・・・。」
「ノワさんはどっちかと言うと無口なタイプですからね。」
「だから・・・・・・メインの進行は頑張って。」
「そう言われるとちょっと心配になりますが
頑張ってやっていきたいのでリスナーの皆様もよろしくです。」
「私からも・・・・・・よろしく。」
「さて、きりがいい感じですしここらで締めちゃいますか?」
「そうね
・・・・・・今日はさち中心に進めてみたけどどうだった?」
「もう何言っていいか分からないし難しかったですよ
それに自分のことを一方的に話すのって何か緊張しますし。」
「でも、これでさちのこと皆に分かってもらえたなら、良かった。」
「どれぐらい伝わったかは分かりませんが
とりあえずお疲れ様でした。」
「お疲れ
・・・・・・次回は近日中にやると思う。」
「近日中?
何かやりたいこととか決まってるんです?」
「・・・・・・さちがないと思ってるのなら、いい。」
「えぇ、どう言う意味ですかそれ?
何か隠してたりとかしませんよね?」
「さち主体でやるなら、このままでもいいか・・・・・・。」
「二人でやるんですよね、ね?」
「・・・・・・ここまで付き合ってくれてありがとう
また次も、聞いてくれると嬉しい。」
「さらっとスルーして締めに入らないで下さい。」
「お相手はノワと・・・・・・。」
「さちでした
今回もご視聴ありがとうございます。」
「・・・・・・またね。」
余談
主役の二人はモチーフになったキャラクターが存在します
あ、この設定どこかで見たことある
とか思った人はそれが元ネタの可能性があります
気付いてもそっとしておいてあげて下さい