第28回配信「熱砂の街」
「ラジオの前の皆様、こんにちは
さちです。」
「・・・・・・ノワよ。」
「大変お待たせいたしました、久々のウィッカラジオの時間です。」
「・・・・・・久しぶり。」
「前回から随分時間が空いてしまいましたからね
皆様はこの番組のこと覚えていてくれたでしょうか?」
「もう忘れた、そもそも初めて聴く・・・・・・そんな人のために、説明。」
「はい。この番組はパーソナリティーである私、さちと横にいるノワさんの2人でやってまして
何だか凄い機材で世界の垣根を越えて配信されている番組なのです。」
「だから、今聴いている人が、私たちと同じ世界線に、存在するかは、保証がない。」
「なので、どこか遠くでこんなことやってる人達がいるんだなぁ
ぐらいの軽い気持ちで聴いて下さい。」
「ちなみに、私達が今いる、この世界は、ラジオの概念すらない、ファンタジーな世界。」
「なので、ラジオそのものを布教しつつ放送しつつで
世界中を旅しているところです。」
「まだ、色々と、足りないものも多い、番組だけど・・・・・・興味を持ったら、聴いてくれると、嬉しい。」
「と言うわけで、早速ですがウィッカラジオ、スタートですっ。」
「さて、まずはここまでの旅のあらすじと現在地の紹介です。」
「とある世界のとある大陸・・・・・・街道都市と呼ばれる、街から出た、私たちは
水運都市へと向かい、そこから船で、近辺の小島にある街を巡った。」
「そこから大陸に戻りまして、南部地方を目指したのです。」
「大陸の中央部と、南部を隔てる、セクソゥ連山を抜け、辿り着いた南部地方。」
「海沿いの長い道へ出て、小さな漁村が連なる地域を抜けたり大陸南端の岬を踏破したり
そんなこんなを経て辿り着いたのが火山に覆われたグルケーノ半島です。」
「土地の半分以上が、火山地帯になっている、厳しい環境の半島。」
「そこの山奥にある温泉の村ユフィンで放送したのが前回です。」
「それから、私達は、半島から引き返して、南部地方の新たな土地を、目指した。」
「火山灰に覆われた平原を抜けて、さらに灰はなくても乾いた土に覆われた平原も抜けて
そうこうしている間にまだ行ってない地域へと踏み込みました。」
「ナミハラ砂漠・・・・・・南部でも、屈指の過酷な土地と言われている、砂漠地帯ね。」
「見渡す限り砂ばかりの景色に非常に高い気温、そして夜になると一転して凍えるような寒さ
熟練の冒険者でも一歩間違えれば死ぬかもしれない危険な地域です。」
「事前に、情報収集していたとは言え、道らしい道もなく、街までの道のりは、険しかったわ。」
「えぇ、まずは環境面ですが、ノワさんは環境操作の魔法があるので日差しも気温も影響を受けません。」
「戦闘になると、維持できない、けどね。」
「その上飛ぶこともできるので砂に足を取られる事もなく、砂漠だろうと普段とほぼ変わらないような感じでした。」
「まぁ、実際、平原だろうと、砂漠だろうと・・・・・・大差はない。」
「非常に不公平だと思います。」
「それなら、さちも、魔女術を、覚えたらいい。」
「ノワさんみたいに使いこなせるようになる頃には既に旅が終わってそうですね・・・・・・。」
「・・・・・・そこは、努力次第?」
「そんな感じですが私の方は非常に苦戦しました、暑かったり寒かったりとそれだけで体力が奪われます。」
「そんな中、住んでいる人もいるのだから、人間の力は、凄まじい。」
「ここに来て役に立ったのが長雨の島以来の出番だった魔法の番傘です
雨傘だけど最低限日差しはカットできますし、魔法の力で浮遊することも出来るので砂に足を取られる心配もありません。」
「つまり、魔法や道具で、普通に乗り切れたから、そこまで苦戦しなかった・・・・・・?」
「えぇ、実のところを言いますと普通の冒険者さんより数段楽にここまで来れたでしょうね。」
「持っているものを、生かすのも、冒険者の、力。」
「それでも私は気温に関しては防げませんでしたし、道らしい道がないから街までのルート探しは苦労しましたし
あと、この過酷な環境で育った強力な魔物が多かったのも事実です。」
「砂漠の真ん中で迷って、物資が尽きたら・・・・・・それこそ終わりだからね。」
「えぇ、そうならないためにも小まめにコンパスで方角を確認しながら
目印も何もない砂漠地帯を進むだけでも精神的に疲労しますよ。」
「加えて、魔物の襲撃、だからね。」
「今までの海岸道や平原で出たものより凶暴でしたね。」
「そうね。砂漠だと、獲物も多くないだろうから、数少ない獲物を取れるように、進化したのだろうね。」
「まぁ、それでもノワさんの圧倒的な魔法の前には普通に倒せるわけなのですが。」
「うん・・・・・・苦戦するほどでは、ない。」
「と言う感じで熱砂の街フラオゥまでやって来ました。」
「何か、楽に着いたみたいに、語弊がある、言い方ね。」
「実際のところ、前の世界にいた時に希少戦利品狙いで砂漠ツアーとか行った事ありますから
その辺りと比べるとまだ普通の旅立ったかなぁと。」
「何気に、恐ろしい事、やってるのね・・・・・・。」
「単独だったら絶対やってませんからね、あの人と一緒だから行っただけですよ。」
「まぁいいわ、この街について、話そう・・・・・・。」
「そうですね。この熱砂の街は砂漠の真ん中にあるオアシスを中心に作られた街です。」
「まぁ・・・・・・最低限、水場が近い方が、住みやすい。」
「えぇ、ですので砂漠ですが最低限水は普通に使えます。」
「オアシスの、周辺なら、草木もそれなりに、生えるし・・・・・・食料面も、問題なし。」
「さすがに潤沢とは行きませんが、それなりに野菜なども栽培されてるようですね。」
「寒暖差が、激しいから、生活は大変だけど、住めなくも、ないのね。」
「白石都市の時と同じように、太陽からの熱に強い石材で家を作って凌いでるようですね。」
「砂漠は、生活には適さない・・・・・・ここに来るまでは、そう思ってたけど
意外と、やり方次第では、住めるのね。」
「それでも安定した気候の地域からすると大変そうではありますけどね。」
「そこは、仕方ないね。」
「あと、突発的な砂嵐とか砂漠ならではの災害も大変なようです。」
「頑丈な、石造りの家だから、建物自体は、無事だろうけど・・・・・・。」
「それでもしばらくの間一切外に出れない上に、外にある作物なんかは思いっきり影響受けますからね。」
「家畜ならまだしも、作物は、家の中に非難・・・・・・とか、出来ないからね。」
「まぁ、やっぱりそういう意味では砂漠ならではの苦労は多いようですね。」
「後は、砂漠の横断が危険だから、人の出入りが少ない、ぐらいね。」
「あぁ、観光とかはまず成り立ちませんよね。」
「物好きな、冒険者とかなら、来るだろうけど・・・・・・
ガイドがいたとしても、普通の人は、砂漠を越えるのが、大変。」
「私達も物好きの部類に入るのでしょうか?」
「そもそも、この世界に存在しない、ラジオを、普及させようって時点で、物好き。」
「えぇ・・・・・・。」
「人が来ないとなると、交易なども、しにくいから、不便なところは、色々ある。」
「そう言えばこの街って、お土産の怪しい仮面とか石像とかそう言うの置いてませんでしたもんね。」
「さちの、砂漠のイメージが、若干おかしい気が、する。」
「えぇ、砂漠って何か独自の文明とか発達してて、他じゃ見られないような仮面とか石像を祀ってたりしません?」
「・・・・・・場所にもよる、と思う。」
「そう言うものですか・・・・・・。」
「さて、この街については、それぐらい?」
「じゃあ、この街の特産品とか見所って何ですか?」
「・・・・・・普通に生活できるぐらいで、そこまで、これと言ったものは、ないと思う。」
「えぇ、今までならここでどーんと何か出てきましたのに。」
「砂漠と言う、環境自体が、特殊だから。それを売りに、したらいいのでは?」
「そう言うわけですので、腕に覚えのある皆様は一度砂漠ツアーなんかしてみてはいかがでしょうか?
以上。現地紹介のコーナーでした。」
「さて、何だかんだ喋ってたら思ったより尺がなくなってます。」
「じゃあ、さっさと、次回の予定に、移ろうか・・・・・・。」
「分かりました。次回は何処を目指すのでしょう?」
「南部地方は、大体これで、終わりだから、中央部を目指して、北上して行くよ。」
「おぉ、長かった南部地方もついに終わりなんですね。」
「セクソゥ連山が途切れる、平地側を通って、戻る予定だから、今度は山越えも、なし。」
「山越えの時にちらっと話題に出た迂回ルートの方を通る事になるんですね。」
「そう言う感じね。」
「では、次の放送は大陸中央部に戻ってからになるんですかね?」
「たぶん、そうだと、思う
・・・・・・ただ、詳しいルートは、もう少し調べないと、いけないから・・・・・・予定は、未定。」
「ふむふむ、そう言う事らしいので次回の放送は次の街に着いたらと言うことで
どう言った街かは次回のお楽しみでお願いします。」
「その間に、感想機能から、感想、コーナーへの投稿、要望、などなど
送ってくれると、嬉しい。」
「そう言えばしばらく放送なしが続きましたが、その間にお便りが来たとかは?」
「残念ながら、ゼロね・・・・・・。」
「そうですか・・・・・・。」
「さて、現在募集中の、コーナーの、確認。」
「はい、現在募集強化中のお題は
今年になって自分のここを変えたい場所
冒険の疲れを取るための視聴者さんお勧めの方法
の、2つとなっております。」
「気軽に、どんどん、送って欲しい。」
「私からもお願いしますね。」
「じゃあ、今日はこのぐらいで・・・・・・。」
「はい、ノワさんもここまで聴いてくださった視聴者の皆様もお疲れ様です。」
「久々に、沢山喋ると、やっぱり疲れる・・・・・・。」
「そうですね。久々の放送だったので少し緊張しちゃいました。」
「まぁ、また定期的に、放送出来るように、頑張ろう。」
「はい。そう言うわけですので皆様応援よろしくお願いします。」
「出来れば、感想機能で、送ってくれると、より励みになる。」
「ではでは、本日の放送はこの辺りで
お相手はさちと。」
「・・・・・・ノワでした。」
「また次回の放送で会いましょう。」
「・・・・・・またね。」




