第27回配信「温泉の村」
「ラジオの前の皆様、こんにちは
さちです。」
「・・・・・・ノワよ。」
「さぁ、ウィッカラジオ張り切って始めちゃいますよ。」
「・・・・・・さち、今日はテンション高いね。」
「勿論です、昨日から温泉に入りまくりでしたからね
久々にしっかりリラックスしてテンションも抜群ですよ。」
「そう・・・・・・そこまで浮かれるものなの。」
「こういう時ぐらい浮かれないでどうするんですか
旅の間は楽しみとか少ないんですから。」
「色々な街の、料理やら、景色やら、毎回楽しんでる気が、するけど・・・・・・。」
「それはそれ、これはこれです
とにかくせっかく温泉でゆったりなんて滅多にない機会なんですから満喫しておかないと。」
「まぁ、旅の途中は風呂に入れる事自体、少ない事には、同意ね。」
「野外で野宿とかなると普通は温泉なんて付きませんからね。」
「だからと言って、ここまで騒ぐ必要が、あるかどうかは・・・・・・分からない。」
「細かい事はいいんです。とりあえず始めて行きましょう
ウィッカラジオ、スタートですっ。」
「そう言うわけであらためましてこんにちは
ウィッカラジオ、本日は温泉の村ユフィンよりお送りしております。」
「オープニングで、現在地、言い忘れてたからね。」
「す、すみません。はしゃぎ過ぎました。」
「ここからは、気を取り直して、現地紹介。」
「はい。その前にこの村に着くまでの話でしょうか。」
「火山都市を出て、火山地帯を登って、ここまで来た。」
「平たくと言うとそうですけど、かなり険しい道のりでした。」
「南部に入る時に通った、セクソゥ連山と比べて、どうだった?」
「どっちもどっちだと思いますね。向こうは魔物とか結構出たので大変でしたが
こっちはとにかく道がこの先に村があるのか疑いたくなるぐらい厳しかった感じです。」
「まぁ、セクソゥ連山は、通過する旅人も多いから、道はそれなりに、整備されてた。」
「こっちは本当に整備されてなかったですね。獣道みたいな場所も何度も歩きましたし。」
「この村に、来る人間は、決して少なくはない・・・・・・はずなのに、道は、酷かったね。」
「あと、大規模な噴火は数十年起こってないと聞いてましたが
意外と小規模な爆発や地震は起こるんですね。途中で何度も驚きました。」
「近いから、音も凄かったね。ついでに、小規模でも、小さな火山弾とかは、飛んで来るから、危なくもあった。」
「最低でもここに住みたいとは思えない環境ですね、温泉は嬉しいですが。」
「常にあの音と揺れにさらされてると思うと・・・・・・喜ばしくはないね。」
「まぁ、そう言う感じでごつごつとした岩に覆われた険しい道のりを経て
辿り着いたのがこの温泉の村ユフィンです。」
「勿論、温泉が名物の、村。」
「むしろ温泉以外は取り立てて何もない村ですよね。」
「溶岩が固まった、頑丈な土壌、灰や岩が飛んで来る被害、それなりの頻度の地震
・・・・・・どれを取っても、住むには適さない。」
「たしかに厳しい環境ですね。」
「農業や、畜産も、限られた土地で、やるしかない
・・・・・・半島だから、海に近く、山を降りれば海に出れるけど、港町などに比べると、漁業も弱い。」
「宿の食事もどちらかと言えば質素な方でしたからね。」
「限られた範囲で、手に入る食料を、やりくりしてるのが現状。」
「ふむふむ、では他の産業とかはどうなってるのでしょう?」
「交易は、半島の先端と言う立地上、無理に等しい
工業なども・・・・・・わざわざここに、大規模な工房を作る利便性が、ない。」
「うーん、そうなると本当に何もないですね。」
「だから、観光業。」
「あ、温泉ですか。」
「そう・・・・・・色々と足りない中で、唯一人を呼んで、資金を得る方法
それが、温泉を売りにした、観光。」
「観光で来るには厳しい場所な気もしますけど。」
「私たちみたいな冒険者、護衛を雇える金のある人間、比較的近い南部在住の人
昨日からの滞在で、既に色々な人を見た。」
「言われてみると温泉で他のお客さんと一緒になる事って結構ありましたね。」
「立地はお世辞にもいいとは言えないけど・・・・・・それなりに温泉を売りにした観光は、上手く行っている。」
「温泉だけであの山道を越えようって人は結構いるもんなんですね。」
「温泉だけ、って言うけど、その温泉ではしゃいでたのは、誰?」
「う・・・・・・たしかに、温泉は魅力的です。」
「この世界の、温泉の普及率は、知らないけど・・・・・・ここ以外に、少ないなら
遠方からわざわざ来るのも、納得出来る。」
「最低でもこれまで立ち寄った街には温泉はなかったですからね、普通にお風呂なら入れましたが。」
「珍しさもあれば、色々な人間を呼び込める
そもそもこの村は、温泉があったから作られた可能性が・・・・・・。」
「どう言う事です?」
「村に温泉しか名物がなかった。ではなくて、温泉があったから、ここに住もうって人が出て来た。」
「そうですよね、火山の真っ只中にいきなり住もうって人がいる方が驚きですもんね。」
「多少不便でも、温泉の近くに住めるならいい・・・・・・そう言う人が、集まった結果、村になった
そう考えれば、不自然でもない。」
「まぁ、何にせよ温泉を楽しめる環境が出来たってのは私たちからするとありがたい事ですね。」
「流石に、何もない山奥に、温泉だけある・・・・・・って聞いても、来てなかっただろうからね。」
「まさに秘湯ですね。それはそれで興味がありますが。」
「物好きは、何処にでもいるから、ここも客に困らないのかも・・・・・・。」
「えぇ、そこまで物好きって言われるほどじゃないと思いますよ。」
「温泉一つで、舞い上がれるのは、十分物好きかと、思う。」
「だったらこの村に来てる冒険者とか皆物好きになっちゃいますよ、いいんですか?」
「むしろ、そうだと思ってる。」
「・・・・・・。」
「・・・・・・何か?」
「ノワさん、変なところでドライですよね。」
「・・・・・・さぁ、自分では、分からないわ。」
「こうなるなら予め他のお客さんから情報収集しておいて
温泉に対する一般的な認識をノワさんに突きつけれるようにしておくべきでした。」
「まぁ、興味ある人は興味ある。それでいいんじゃない?」
「何だか納得行きませんが仕方ないですね・・・・・・。」
「さて、この村に関する情報は、これぐらい?」
「あ、温泉以外にもいいものありましたよ。」
「一応聞いておくけど・・・・・・何?」
「温泉まんじゅうです。」
「・・・・・・。」
「何ですか、そのまた食べ物の話か見たいな顔は。」
「いや、そのままの意味よ。」
「いいじゃないですか、名物の食べ物とかを発信するのも旅しながら放送する目的なんですから。」
「それもそうね・・・・・・じゃあ、続けてちょうだい。」
「はい、この地方でも栽培出来るある種の穀物の粉で作った生地を
温泉の水を使って蒸したものらしいです。」
「ふむ・・・・・・。」
「温泉に含まれてる体にいい成分をたっぷり吸収して体にもいいらしいですし
他の地方で食べたまんじゅうの類よりふっくらした感じで美味しいですよ。」
「なるほど、温泉は、入る以外にも、利用法があると言うことね。」
「そうですね。使い道は1つじゃないようです。」
「それは、勉強になったわ。」
「どういたしまして
と言う事で気が付けばほとんどの尺を使ってしまったので、ここらで終わりますか。」
「ちょっと、話しすぎたね・・・・・・。」
「と言うわけで、あっと言う間に時間がなくなってしまったので
次回以降の予定について話して行きたいと思います。」
「ここで・・・・・・残念なお知らせよ。」
「えぇ、残念って、いきなり何ですか?」
「この村で、この半島は行き止まり、先に進む道がないのよ。」
「ってことは、どうなるんです?」
「一度灰原都市辺りまで引き返して、それから別の街道を進む事になるわ。」
「えぇ、結構戻らないとダメなんですね。」
「そう・・・・・・だからその間、新しい旅に関する情報は、無くなるわ。」
「えーっと、次の街に着かないなら放送はどうなるのでしょう?」
「途中で宿を取るついでに、放送してもいいけど・・・・・・
たぶん、次の街へ着くまで、なしになるわね。」
「つまりしばらくお休みって事ですか?」
「そうね、いつもより間を長めに、取る事になるわ。」
「まぁ、仕方がないですね。どうしてもこう言う地域に行くこともあるでしょうし。」
「その間に、感想とか各種コーナーへの投稿とか、あると嬉しいけど。」
「そうですね。皆様気が向いたらでよろしいのでお便りいただけると助かります。」
「ちょっとでも思った事とか、気軽にくれると、嬉しい。」
「ちなみに現在募集強化中のお題は
今年になって自分のここを変えたい場所
冒険の疲れを取るための視聴者さんお勧めの方法
の、2つとなっております。」
「さて、旅の都合上、残念ながら、しばらく間が空いてしまうけど、そこは了承願いたい。」
「はい。申し訳ありませんがしばらく待っていただけると助かります。」
「なお、次の目的地は未定なので、どれぐらいかかるかも、計算できない。」
「頑張って歩きますので、応援よろしくお願いします。」
「さて、お知らせは、以上かな。」
「では明日から次の目的地まで頑張れるように、もうひとっ風呂行って来ます。」
「本当に、それだけ入って、よく飽きないわね。」
「なかなかないチャンスですからね。まだ行ってない温泉も何軒かありますし。」
「まだ行ってないって、温泉に、そこまで違いがあるの?」
「どうやら温泉によって、少しずつ成分とか効能とかが違うらしいので
入り比べをしてるんですよ。」
「どれも同じだと、思ってた。」
「詳しい原理は知りませんけど、この小さな村の中でも何種類かに分かれるそうですよ。」
「温泉は、縁がなかったから、知らない事ばかりね。」
「と言うわけで、今回もここまでお付き合いいただきありがとうございました
本日のお相手はさちと。」
「・・・・・・ノワでした。」
「次回の放送は少し遅くなると思いますが、覚えてたら聴いて貰えると嬉しいです。」
「・・・・・・またね。」




