表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
12/49

第12回配信「火岩と聖龍の島」


「ラジオの前の皆様、こんにちは

 さちです。」


「・・・・・・ノワよ。」


「これよりウィッカラジオの放送を始めたいと思います

 皆様、最後までお付き合いのほどよろしくお願いします。」


「今回も・・・・・・よろしく。」


「さて、本日の放送場所は聖龍の島スラクタからとなっております。」


「まだ・・・・・・島巡りの、最中ね。」


「そうですね、詳しい旅の様子はこの後説明しますが。」


「それじゃあ・・・・・・さっさと始めましょう。」


「はい。それではウィッカラジオ

 本日もスタートですっ。」






「と言うわけで聖龍の島スラクタからお送り中のウィッカラジオ

 まずは現在地と行程の紹介から行きましょうか。」


「数日前、長雨の島を出た私たちは

 まず火岩の島バルケに向かったわ。」


「はい。この島は大きな火山が島の中心にあって

 その噴火で流れ出た溶岩によって作られた島です。」


「島の大半が、硬い溶岩に覆われているから

 非常に住みにくそうな、土地だったわ。」


「家を建てるぐらいならまだしも、畑を作れるような土壌がほぼなかったですからね。」


「それでも人が住んでいるのは、逞しいからか

 ・・・・・・それとも移住も出来ない偏屈だからか、悩ましいわね。」


「島の外の生活を知らないからって可能性はありますが

 一応周辺の島から船は定期的に来てますからねぇ。」


「それでも限られた土地で、不便な生活をしているのは

 あまり理解出来ない・・・・・・。」


「現地の人にしか分からないような理由があるのかもしれませんし

 もう少しその辺り調べてから移動した方がよかったですかね?」


「あまり見るものもない島だったし・・・・・・時間を掛けても仕方がなかった。」


「一応火口付近やカルデラ湖など、それっぽい場所は回りましたけどね。」


「火口はそもそも、あまり近付けなかった。」


「ノワさんの環境操作フィールドコントロールで熱や煙を遮断して近付きましたけど

 それでもそこそこの距離で眺めるのが精一杯でしたね。」


「今は活動が大人しいのか、マグマ溜まりみたいなものは、見えなかった。」


「えぇ、とても大きな穴。ぐらいの印象でしたね。」


「カルデラ湖の方は、景色的には悪くはなかったけど

 感想と言われると、何とも説明しにくい・・・・・・。」


「湖畔の町で見た湖ほど広くはなかったですけど

 火山の成分が溶け出してるのか、独特な色合いで味があったと思いますよ。」


「火岩の島はそれぐらいで、次の島に移動したわ。」


「この辺りの島国では一番大きい、聖龍の島スラクタですね。」


「細長い形をした島で

 古代の龍の亡骸が、海に落ちて・・・・・・そのまま島になった

 伝承ではそうなっている島ね。」


「本当に大きい島ですね。歩いて端から端まで行こうとしたら数日かかりそうです。」


「中央に、龍の鱗と呼ばれる岩地、龍のたてがみと呼ばれる山脈

 それらがあるから、移動しようとすると、かなり厳しい地形。」


「中央付近がその様子なので

 龍の頭と尻尾にあたる部分にそれぞれ街があって

 船で行き来するのが一般的みたいですね。」


「ちなみに私たちがいるのは・・・・・・尻尾の方。」


「この辺りで最大の島国と言うだけあって

 街もこれまでの島国と比べると大きいです。」


「大陸の街と比べても、遜色のない、立派な街。」


「大陸から離れている分、独特の文化が発展したのか

 街並を見るだけでも異国に来たって感じがしますね。」


「建築様式の違いね。」


「それに龍の島と言うだけのことはあって

 龍をモチーフにした装飾などが街の至る所で見られます。」


「工芸品なども・・・・・・龍一色ね。」


「どれも精緻なものが多いので、この島の人たちの器用さが伺えます。」


「そう言う場所も、農業が主流だった、他の島とは違うわね。」


「島国だから必要分の食料は自給できているんでしょうけれど。」


「それでも、他の産業に力を入れれるのは、大きさゆえ。」


「それにしても大きいですよね。これが生き物だったとは思えないぐらいです。」


「龍族は見たことないわけではないけれど・・・・・・

 ここまで大きい個体は、私が知る限り、初めて。」


「この世界の龍はこれぐらいが一般的なサイズだったりするかもしれませんよ。」


「たしかに、前の世界の知識で当てはめようとするのは、良くなかったわ。」


「でもこんな大きな生き物が空を飛んでると思うと

 うん、友好的な相手だったとしてもちょっとお近付きにはなりたくないですね。」


「そもそもこれだけ大きければ、遠くからでも目立つから

 普通に飛んでいるのなら、私たちも既に目撃してても・・・・・・おかしくない。」


「やっぱりこの1匹が特殊だったんでしょうか、色々と気になります。」


「伝承でしかないから、真偽のほどは、不明。」


「ここはいると仮定した方が夢が膨らむじゃないですか。」


「とは言え、この大きさは、流石に現実的じゃない・・・・・・。」


「私たちの世界で大きかった生き物

 例えばクジラなんかでも大きいもので小島一つ分とかでしたからね。」


「あの大きさでも、手に負えなかったのに

 その倍以上と考えると、人智の及ぶ範囲じゃない。」


「スケールが大きすぎますね・・・・・・。」


「何にせよ、伝承が残っている島

 それが現在地の、詳細。」


「以上。ここまでが現地紹介でした。」






「さて、今日は尺がまだ余ってますけどどうしましょう?」


「かねてから言っていた、小話でも、する?」


「えぇ、せっかくですしやってみましょう

 それで、テーマはどうするんです?」


「そうね、せっかくだから・・・・・・この土地に合わせたものが、好ましい。」


「この島と言うと、やっぱり龍ですね。」


「龍は、伝承に取り上げられる事も多いから、題材としては、悪くない。」


「じゃあ王道で龍退治の話とかにしちゃいましょう。」


「それなら・・・・・・さちは、何の役を、やるの?」


「なら龍退治の騎士をやります。」


「じゃあ、私が龍ね・・・・・・。」


「ではでは、試しにスタートですっ。」




「とうとうここまで辿り着いた、ここが国を荒らす龍の棲みかね。」


「・・・・・・いらっしゃい。」


「あ、あなた・・・・・・いや、お前が龍ね!?」


「見たら分かるでしょ?」


「え、えぇ。たしかに見たら分かりますけど。」


「で、何の用?

 とりあえず寒い中ここまで来たなら、炬燵で温まって行くといいわ。」


「えぇ。何か随分とフレンドリーですね。」


「ついでに炬燵には、冷えた蜜柑が合うわよ。」


「・・・・・・。」


「・・・・・・?」




「いやいや、どう考えてもおかしくないですかこれ?」


「別に・・・・・・龍だって炬燵でくつろいでてもおかしくはない。」


「最初に国を荒らすって明言しましたよね?

 どう考えてもこれじゃあ無害じゃないですか。」


「きっと、オンとオフの差が、激しいのよ。」


「嫌ですよそんな龍。」


「いるものはいるのだから・・・・・・さちが嫌がったところで、変わりはない。」


「えぇ、もうちょっと真面目にやりましょうよ、せっかくの企画なんですから。」


「私はいたって真面目よ。」


「どこがですかー!?」


「・・・・・・さて、そろそろいい時間だし、今回の小話のコーナーは、ここまで。」


「酷い・・・・・・。」






「ここからは・・・・・・次回の予定について話す。」


「とりあえずまだ行ってないから頭の方の街も行くんですよね?」


「そうね・・・・・・ただ、その日のうちに、大陸へ向かう船に乗り換えるから

 ゆっくり観光してる暇はなさそう。」


「そうなんですか?

 そっちでも1回放送して行くのかと思いましたけど。」


「それでもいいけど、同じ島国だから代わり映えはしないし

 そのために1日使う必要は、ないかと思った。」


「まぁ、たしかに現地紹介とかする必要はないですけど

 向こうの街でも宣伝と言う意味でなら。」


「ここと、向こうの街は、行き来も多いし

 自然と伝わりそうだから・・・・・・割愛でいいかと。」


「分かりました

 だとしたら次は大陸行きの船が到着したらです?」


「玄関の港エラントス

 大陸中部に位置する大型の港・・・・・・ここに着く予定ね。」


「では、そこで次の放送ですね。」


「そうなるね。」


「と、言うわけです皆様

 次回は玄関の港に着き次第配信となります。」


「それまでに、また感想とか、待ってる。」


「些細な事でもいいので、どんどん送ってくださいね。」


「さて、そろそろいい時間。」


「何だかあっという間だった気がします。」


「たぶん、そんなに変わらない。」


「気分の問題です

 そして今度小話は絶対リベンジしますからね。」


「何も、負けてはないと思う。」


「あのグダグダは負けた感じしかしません

 今度はきっと成功させてみせます。」


「そう言う感じで・・・・・・次もまた、聴いて欲しい。」


「はい。またラジオの前で皆様にお会いできるのを待っています

 今日はここまで聴いて下さってありがとうございました。」


「それじゃあ、お疲れ様。」


「ではでは本日のウィッカラジオ、この辺りで締めさせていただきます

 お相手はさちと。」


「・・・・・・ノワでした。」


「次回もまたよろしくお願いします。」


「・・・・・・またね。」


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ