表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
11/49

第11回配信「長雨の島」


「ラジオの前の皆様、こんにちは

 さちです。」


「・・・・・・ノワよ。」


「本日もウィッカラジオ、配信していきたいと思います

 皆様よろしくお願いしますね。」


「最後まで・・・・・・よろしく。」


「えー、私たちは現在長雨の島ネトゥイリに来ています。」


「結局・・・・・・島国ルートになったって、ことね。」


「全部を巡るわけではないですが

 行けそうな範囲で何箇所か寄って行こうと言うことになりました。」


「後は、大陸に戻る船の、都合次第ね。」


「どの島からも大陸に直通の航路があるわけじゃないようですからね。」


「まぁ、適当にやって行きましょう。」


「そうですね

 それでは、本日の配信スタートですっ。」






「それではいつも通りに

 現在地の紹介から行きましょうか。」


「・・・・・・分かった。」


「現在私たちがいるのは、長雨の島ネトゥイリです

 一年の内の大半に雨が降ると言う島国です。」


「島の大半は森に覆われて、首都でもある港町があるだけ。」


「最近になって森の奥に開拓村が出来たようですね

 今日のお昼にちょっとそちらも寄って来ました。」


「迷いやすい森、ぬかるんだ道、住み着くモンスター

 ・・・・・・開拓村までの道のりは、危険。」


「ですから、私たちみたいな冒険者が訪れた時に

 物資の配達を依頼してるみたいですね。」


「この島は、訪れる冒険者も少なそうだから、普段が心配。」


「そもそも開拓村自体が、まだ森を切り開いて簡単な家を建てただけですし

 かなり危険そうな環境ですよね。」


「人手はそっちに取られてるのかな・・・・・・?

 だから、運搬にまで手が回らない。」


「たっぷり感謝されましたし、それもありそうですね。」


「開拓村はまだそれぐらいだから、見所もないとして

 首都の方は、どうだった?」


「とりあえず、皆さんの服装が和服に近い形なので

 着慣れた服でも浮きません。」


「言われてみればそうね・・・・・・まったく気にしてなかったわ。」


「相変わらずお洒落とかそっち方面になると弱いですね、ノワさん。」


「興味がないものは、仕方ない・・・・・・。」


「後は、雨が多いので前の世界から持って来た

 愛用の番傘も出番があってちょっと嬉しいです。」


「紙の傘・・・・・・珍しい。」


「油を塗って水に濡れても大丈夫なように工夫されてる傘ですね

 さらに、人外の私がずっと愛用してたせいか不思議な力も宿ってます。」


「不思議な力?」


「はい。紙なのに何故かやたら燃えにくくて

 私の鬼火をくっ付けて炎属性の武器としても使用できます。」


「たしかに、不思議。」


「さらに、不思議パワーでこの傘をさすと体がふわりと浮きます。」


「飛べるタイプの、魔法の傘は見たことある

 でも、今日それを使ってた時、飛んでなかった気がする。」


「実のところ、浮くと言っても地面から数センチぐらいなんです。」


「それは・・・・・・気付かないわ。」


「ただ、数センチでも水たまりに足を取られなかったりするので便利ですよ。」


「ぬかるんだ足場は、危険だから・・・・・・それは合理的。」


「そう言うわけで今日はしっかり役に立って貰いました

 あれ? そう言えばノワさんは傘とかさしてなかったですよね?」


環境操作フィールドコントロール、自分の周りの気温とかを一定に保つ魔法

 水中でも水が入って来なかったり、雨を避けたりも出来る。」


「えぇ、何ですかその羨ましい魔法。」


「羨ましいなら、さちにも掛けようか?」


「えっ、出来るなら是非とも。」


「ただし、範囲を広げると、効果時間が、一分ほどになる。」


「ダメじゃないですかー。」


「ちなみに、自分だけでも、他の魔法と併用しようとすると

 やっぱり一分程度しかもたない・・・・・・。」


「魔法の維持って難しいんですね。」


「魔法の解説は、これぐらいにして

 ・・・・・・この島の、解説に戻る。」


「そうですね、まだ雨が多いぐらいしか言ってませんでした。」


「島国と言う独特の環境と、雨量の多い気候から

 生息する動植物も、独自のものが多い。」


「森で襲って来たモンスターも雨とか平気そうなのばっかりでしたね。」


「野菜やハーブなど、この島でしか取れないようなものも、沢山ある。」


「ふむふむ。」


「水運都市を通じて輸出されて、大陸では珍重されてるわ。」


「この島だけ、となると出回る量も限度がありますからね。」


「そうね。その辺りの生産拡大のために、森の開拓も進んでるらしいわ。」


「それであの開拓村ですね。」


「あそこを拠点に・・・・・・第2の生産地を作るって、聞いたわ。」


「それなら是非この島に滞在してるうちに味わっておかないとですね。」


「今日の食事にも、既に入ってたのだけれどね。」


「たしかに変わった味だなぁ、とは思いましたけど

 そこまで珍しいものとは知りませんでしたよ。」


「私も、この島に来るまで、知らなかった。」


「それならやっぱり島の方に寄り道して正解でしたね。」


「そうね、この島のハーブで淹れた紅茶は・・・・・・気に入ったわ。」


「実際のところ、雨ばっかりだと住む分には大変そうですけどね。」


「雨の日は、あまり外出したくない

 でも・・・・・・この島だと、雨でも外作業ぐらい当然。」


「そう言う私たちの旅も、雨天中止にはなりませんけどね。」


「本音は、宿で休んでいたい

 ・・・・・・でも、雨に降られるのが、街中とは限らない。」


「道中で降られると雨宿り出来る場所がないとかよくあることですしね。」


「そう思うと、雨の日でも毎日外作業してる、この島の人は凄い。」


「歩くだけならまだしも、農作業とか辛そうですよね

 何もこの島に限った話じゃなでいすが。」


「でも、この島は、年間のほとんどが雨だから、余計に辛い。」


「たまの雨なら頑張ろうって気はしますけど、続くと嫌ですよね。」


「毎日雨だと、気分もどんよりして来る・・・・・・。」


「分かります。それこそ部屋に篭って漫画でも読んでたくなります。」


「まぁ、私たち二人とも、どちらかと言えばインドア派だから・・・・・・

 分からなくもない。」


「そうやって考えると、よく二人で長旅なんて続けてられますよね。」


「冒険者としての経験や、魔法で何とかやりくりしてるけど

 実際問題、野外活動が苦手な事には違いない・・・・・・。」


「あはは、放送外の事だからリスナーさんには聞こえないでしょうけど

 毎回食料調達や野営の準備とか苦労してます。」


「何か・・・・・・現地紹介から、どんどん脱線してる気がする。」


「そうでした、とりあえずここらで一度区切りましょうか。」






「さて、とりあえず放送時間はまだ大丈夫でしょうか?」


「次の予定を話してたら・・・・・・結構厳しそう?」


「では、先に話してしまって、余ったら雑談でいいでしょうか?」


「了解・・・・・・それじゃあ次の行き先。」


「もう少しこの辺りの島国を回りたいですよね

 今回で面白い場所があるって分かりましたし。」


「興味深くは・・・・・・ある。」


「ではもうその方向で

 どんな島があるか把握してないので次回の放送場所は明言出来ませんが。」


「また、辿り着いた場所から、随時ね。」


「はい。島と島の間はそう離れてないので近いうちの放送になるといいですが。」


「船旅なら、さっき話題に出たような

 食料調達や、野営には困らないから、ある意味助かる。」


「そうですね。食事も付いていますし船室で休めますし。」


「その分、運賃がかかるのは、難点だけど。」


「今回配達依頼(クエスト)でそれなりに稼いだので何とかなるはずです。」


「ついでに、市場都市で買っておいた、この島では手に入らない香辛料の類も

 換金しておいたから、大陸に戻るまでぐらいは大丈夫。」


「おぉ、それなら少し豪華な船旅も・・・・・・。」


「この先、どこで必要になるか分からないから、路銀は温存。」


「はい。調子に乗りすぎました・・・・・・。」


「さて、他に喋っておきたいことは、ある?」


「物凄く今さら感のある事ですが。」


「何かしら?」


「私、海の上を走る船って乗った経験あまりなくて

 今回の船旅が結構楽しいな~、と。」


「言われてみれば・・・・・・私も船旅は経験ないわね。」


「ですよね。前の世界では船と言ったら空を飛ぶものが主体でしたし。」


「そっちの方が早いから、わざわざ海へ出る理由が・・・・・・あまりなかった。」


「ほら、空を飛ぶとやっぱり怖いじゃないですか落ちたらとか思うと。」


「そんな事故、滅多になかったから、大丈夫。」


「えぇ、下見た時とか怖くありません?

 何度乗ってもあれだけは慣れませんでしたよ。」


「特に・・・・・・何も感じなかったわ。」


「その点海を行く船は海面近いところを進むので安心です。」


「海に落ちたら、とか思わないの?」


「そんなに気にしませんでしたけど。」


「空から落ちるのと、大差なく、危ないと思うけど。」


「言われてみればそうですね。乗ってる間は考えませんでしたが。」


「まぁ、素人が操船してるわけじゃないから、そうそう事故なんてないだろうけど。」


「あっ、でも海の上はやたら揺れるのはダメです。」


「波にあおられるから・・・・・・どうしても、揺れるね。」


「はい。空と違ってその辺りはきついです。」


「結局、どっちの乗り物も、さちはダメみたいね・・・・・・。」


「やっぱり安定したところでゆっくりしてるのが一番です。」


「さて・・・・・・結論づいたところで、いい時間だから、締めようか。」


「そうですね

 皆様、ここまで聞いて下さってありがとうございました。」


「次回の放送は・・・・・・安定した島に着いたら行う。」


「それまでにまた感想や要望、その他投稿もお待ちしております。」


「気軽に、送ってくれたら・・・・・・嬉しい。」


「それではお疲れ様でした

 お相手はさちと。」


「・・・・・・ノワでした。」


「また次回お会いしましょう。」


「・・・・・・またね。」


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ