第1回配信「自己紹介」
「よっと。この機材はこっちに置いて
これはこっちで・・・・・・。」
「そうそう・・・・・・。」
「で、これをここに置けばオッケーですね?」
「うん・・・・・・それでいいわ。」
「ところで、私が放送の準備をしてるのに
ノワさんはさっきから何をやってるのですか?」
「・・・・・・見て分からないの? 紅茶を飲んでるのよ。」
「見りゃ分かるけど、私ばっかり作業してておかしくないですか?」
「・・・・・・そんなことよりさち。」
「話をはぐらかそうてしないで下さい。」
「さっき機材を移動させた時、スイッチが入ったらしいの。」
「え、どう言うこと?」
「だから・・・・・・。今の会話・・・・・・全部放送されてる。」
「ええええぇぇぇぇっ!?」
「と言うわけで改めましてこの放送をお聞きの皆様、こんばんは
ウィッカラジオです。」
「この番組は・・・・・・魔法の機材によって数多の世界に同時配信されてる・・・・・・。」
「ですのでいきなり変な放送が流れて来たと思って
びっくりしていらっしゃる方も多いかとは思いますが
特に害があるものとかではありませんので安心して下さい。」
「興味がなければ・・・・・・聞き流してくれていい・・・・・・。」
「実際放送している私たちも
どれぐらい多くの世界にこれが流れているか把握出来ていませんので
聞こえてきたらラッキーぐらいに思って下さると助かります。」
「・・・・・・これで何処にも放送されてなかったら、お笑い種。」
「ま、まぁ。どなたかに届いていると信じまして
とりあえずこの番組について説明させていただきますね。」
「この番組、ウィッカラジオは
私たち二人が独自の魔法機材を使って適当に雑談をお届けする番組でして。」
「・・・・・・ウィッカは、魔術の宗派の名前
・・・・・・そこから転じて魔術的なものを表す言葉になったわ。
魔法を使った配信だから、そう名付けた・・・・・・。」
「元々私たちはとある冒険者さんのお供をしていたのですが
事故で離れ離れになってしまいまして
その間の路銀稼ぎと。」
「ついでに私たちの居場所を伝えられたら便利・・・・・・みたいな。」
「そんな感じの軽いノリで始めたものです。」
「だから・・・・・・内容も何もまだ決めてない。」
「うぅ、たしかに勢いだけで始めてしまった感はありますが。」
「・・・・・・仕方がないから。」
「お、ノワさん何かいい話題があるのですか?」
「後はさちが全部やって・・・・・・。」
「・・・・・・。」
「と、とりあえず初回と言うことで
まずはこの番組をお伝えする私たち二人のことから
お話していきたいと思います。」
「・・・・・・あの人に居場所を伝えるにも、私たちだと分からないといけないから
そういう意味でも、自己紹介は無難。」
「えー。ではまず私から
さちと申します。さんずいに少ないに、知ると書いて沙知と読みます。」
「・・・・・・ん、他には?」
「趣味は読書、特に漫画が好きです
今いるこの世界は漫画文化が発展してない世界なので
ちょっとばかり悲しいです。」
「世界単位で飛ばされるような、事故だったから仕方ない・・・・・・。」
「後は我流ですが少しばかり格闘技が出来ます
他にも鬼火とかも出せたりもします。」
「・・・・・・ただの漫画オタクだと思ってた
意外と多芸。」
「ラジオには全然慣れてませんが
頑張りたいのでよろしくお願いいたします。」
「・・・・・・頑張れ。」
「はい、では続いてノワさんどうぞ。」
「・・・・・・?」
「え? 私もやるの? って顔しないで下さい
お互いメインパーソナリティーなんですからしないでどうするんですか?」
「・・・・・・仕方ない
・・・・・・私はフォレノワール。ノワでいいわ。」
「フルネームだと呼びにくいですもんね。」
「以上・・・・・・。」
「いや、終わらないで下さい
もっと紹介するところとかあるでしょう?」
「・・・・・・。」
「ほら、趣味とか特技とか何でもいいから言いましょうよ。」
「・・・・・・じゃあ
一応魔女をやってる。・・・・・・この放送機材を準備したのも私
特技も魔法・・・・・・色々使える。」
「実際ハイレベルの冒険者さんが使うような魔法を
ばんばん撃てちゃいますからね、ノワさん。」
「あと、好きなものは紅茶
差し入れとかしてくれると・・・・・・嬉しい。」
「今も飲みながら喋ってますしね。」
「これぐらいでいい・・・・・・?」
「はい。ありがとうございます
こんな感じの二人でやって行きたいと思いますので
お聞きになってる皆様、どうぞよろしくお願いします。」
「と、まぁ今日はお試し放送でしたので
私たちの紹介だけになってしまいましたが
次回から本格的にやっていきたいと思います。」
「本格的って・・・・・・何やるの?」
「えーっと。と、とりあえず色々喋りたいなぁ、と。」
「要するに喋る内容は決まってないのね?」
「えぇ。ラジオやろうってなったのも唐突でしたから
何も考えてないです。」
「・・・・・・。」
「哀れむような目線はやめて下さい
と言うか、ノワさんだってラジオやることに賛成して
機材準備したりしてくれたじゃないですか。」
「・・・・・・気のせい。」
「ノワさんも大概勢いで準備しましたね? これ。」
「・・・・・・仕方ないわ
こう言う時はリスナーに頼むのがいい。」
「いきなり人任せですか、先が思いやられます。」
「このラジオの企画とか・・・・・・そう言うのがあったら
返信用の魔力波に乗せて送って欲しい。」
「そんな機能まであったんですね、この機材。」
「・・・・・・以上
企画が決まり次第次回放送、する。」
「と、言うことですので
また次回お会いいたしましょう
本日はお聞きいただきありがとうございました。」
「・・・・・・次回、やれるといいね。」
「不安になるようなこと言わないで下さい
配信日は未定ですがきっとやりますので
次回もお付き合いの方よろしくお願いいたします。」
「・・・・・・それじゃあ、また。」
「ウィッカラジオ、聞いてくださってありがとうございました。」