成長
私の身の回りの人々はみんな優しい
なぜだろう?私は優しくされる価値などないのに
でもなぜだろう
この人達はあたたかいものを、感じる
もしかしたら私はいてもいいのではないかと感じる
あれから大精霊はフィーナの前に現れなくなった
強い魔力を持つ大精霊が成長途中のフィーナの近くにいると
フィーナに疲労を与えてしまうからだ
3歳になった私はこの世界に魔法があることを知った
私はセルジュ兄様に魔法を教えてくださいと、頼みに行った
「セ、…セルジュお兄様… あのっもし私が話しかけてもご迷惑では
ないのでしたら…」
「フィーナ、もう1回言ってご覧?」
「あ…申し訳ございません。あのっセルジュお兄様私が」
「もう1回お願いしてもいい?」
「申し訳ございません。
不快な思いにさせてしまい…
私は失礼致します。」
私はやっぱり話しかけてはいけない…
「母様!!!!フィーナが!フィーナが!
俺のことをセルジュお兄様と!!」
「まぁなんですって!!?」
「ですが…俺が舞い上がりすぎて、何回ももう1回言って欲しいと
言ったら………ック
そうしたら部屋から出ていってしまいました…」
「セルジュ!なんて馬鹿なことを…
私でさえ話しかけて貰ったことは無いのに!」
「母様…私は一体どうしたら!?」
私は部屋に戻り1人で泣いていた
使用人たちは1番魔法に特化したメイドであるリーナに
「任せたよリーナっ!!」
「フィーナ様を慰め、魔法を!!!」
「お任せ下さい!」
コンコンコン
「フィーナ様?リーナでございます。
入ってもよろしいでしょうか?」
「…ど、どうぞ…」
ガチャッ
「まぁフィーナ様一体どうしたので!?
良ければこのリーナがご相談に乗りましょうか!?」
「なんでもないのよ…気にしないで…」
「フィーナ様、私はそんなに信用されてませんか?」
「い、いえ!そういう訳では…」
「ふふっフィーナ様、魔法が使いたいのでは?」
「何故それを…っ」
ああっ本当にお可愛い…
「あれだけ魔法についての本を読んでいらっしゃったら
分かりますよ。
私、魔法は得意なんです。もし良かったら…」
「り、リーナ!私に教えるなんて嫌かもしれないけと…
お、教えるのは… だ、ダメかしら?」
「フィーナ様、私でよければ喜んでお教えしますわっ!」
ああっついにっ!!!
「ありがとう」
フィーナ様が微笑まれたっ
「どうだった!?」
「フィーナ様が微笑まれた…」
「なんだと!?リーナめ羨ましい…
俺も魔法上達させとくんだった…」
「私も体術ならできるのに〜っ!!」
「リーナ、フィーナ様を頼んだぞ!」
使用人たちはフィーナが微笑んだことが嬉しくて仕方がなかった