第8話
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楽しんで読んでくれたらうれしいです。
12時前アリス先生は廊下を歩いている。用事が済み補修教室へ戻る途中。
(どこまで進んでいるのでしょうか~。そろそろ終わっているところでしょうか?
でも、昨日あれだけ時間かかっていましたしどうでしょうか?)
ニヤニヤしながら部屋の前に辿り着き、何か期待しながらドアを開ける。
「だから~そう、そうそうそう。
それでそうすれば……そうなるってわけだ」
「あ…ありがとうございます」
「お、おう」
花実の補習になっていた。
頭を抱え考え込んでいる花実に少し強めに教える真護。
「な、ななななな」
「あ、先生。
ん?どうしたんですか?」
予想外の光景に声が荒れた。
「何をしてるんですか竹宮君!」
アリス先生が立ち去ってすぐのこと。2人は気まずい空気に晒されていた。
「で、今日の……何ですが………」
「え?ごめん聞き取れなかった」
「ッン…」
真護にビクビクしているせいか返す言葉が出てこない。
「あ!ごめん。責めてるわけじゃね~んだけど………。
でも、もう少し声出しくんね」
萎縮しながらも数回頷いた花実は棚から水晶を取り出した。
「じゃ、じゃあ、早く始めるね。
まずは昨日の復習から」
プリントを見ながら指示を出し開始する。
復習も兼ねたまとめテスト(前日と内容は少し違う)を行い、10分程度で終えそのあと魔術の実技。その間花実は採点をしていた。
安定はそこそこできていたものの粗削りである事に変わりはなかった。
昨日の最後の方より少々悪くなっていた。
(やっぱり1日じゃあ、こんなもんか………)
内心気持ちを切り替え気合を入れる真護。
「す、すごい…」
「え?何か言った?」
底知れぬ才能と実力を見た花実は驚きつつも怖くなった。
「いえ、何でもないです」
「んで、採点はどんな感じ?」
手を下ろし花実の方へ振り向く。
「そ、そうですね~。結構いや、かなりいい方です」
採点結果を伝える。まとめの方は昨日と同じ満点だったが、実技は前日の終わりよりわずかに下がっていた。
真護は落ち込むこともなくただただ平然としていた。それに花実は少し疑問を持ちつつも話を続ける。
「そ、それではどうしましょう?」
「どうするって?」
「少し休憩します?それともこのまま続けますか?」
時計を見るも始まって10分ちょっとしか経っていなかった。
「まだ早くね?」
「そ、そうですか?」
「俺はこのまま続けてもいいが、真空寺さんだっけ?どうする?」
少し悩みながら「私は大丈夫です」と驚きが覚めない中答えた。
イスから立ち上がりホワイトボードの前に立った。
「それでは次のステップ。防御術式の座学?まあ、基本知識ですねを始めます」
疑問を即座に自己解決させプリントに書かれている事をそのまま口に出した。そのせいか少し棒読みになっている。
「それじゃあ、教科書の——————」
「あ、ちょっとごめん教科書持ってないんだが………」
「え?」
真護はタブレットを取り出すも、中には『高等部』の物しか入ってなく『中等部』から前の物は持っていない。
「ど、どどどどどうすれば~~~~」
動揺し始める花実に昨日の補習で使った教科書の話をする。一緒に探し始めすぐに見つかる。
一息つき「それでは気を取り直して、始めましょう」
「まず、この術式についてですが」
さっきまでの動揺や萎縮が嘘のように落ち着きを取り戻し流ちょうに話し始める。一驚しつつも真護は講義を聞く。
「これは簡単に説明すると『魔力で作った盾で身を守る』ものです。
って言わなくても分かりますよね」照れながら話を続ける。
「で具体的にどういうものかと言うとって説明するより実際見た方が早いと思いますので」
持っていたペンを置き、真護の後ろの棚から銀色のブレスレットを取り出す。
「それは………」
「え?魔具ですけど?」
「魔具?」
「え!?知らないんですか!?」
「いや、何でもない」
不思議そうに真護を見つめながら右腕に装着し、両腕を突き出す。その瞬間薄水色の透明な小さい長方形のような物が出てきた。
「これが魔術防壁です。マジックシールドという人もいます。
まあこれも知ってますよね」
達成感に溢れているのか花実の声が少し弾んでいるように感じる。真護は度肝を抜かれかなり驚いている。
「お、おお」
「ん?どうかしました?」
「いや……その……
見るの初めてで………」
花実は着けている魔具を机に置き話を続ける。
「それでは仕組みについて話していきます
ってどこから話しましょうか?」
「いや、最初から全部話してくれ」
「え!?」
意外な言葉に腰が抜けそうになる花実にキョトンとする。
「なんか変なこと言ったか?」
「いえ、別に変ではないのですが、少し…いや、かなり時間がかかりますよ」
「あぁ、大丈夫。大丈夫だから頼む」
渋々了承し、ホワイトボードに記入し始める。
「では、基礎知識を教えます。ご希望通り全部教えますが、さすがに時間がかかるので基礎の基礎や本当に重要なところなど抜粋したり早くしたりして行きます。
準備はいいですか?」
真護は覚悟を決め真剣な眼差しで首を縦に振る。
(今日1日で終わらないし、まあやれる所までやってみるか)疑いつつも教科書を開く花実。
「では、行きます」
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