第2話
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楽しんで読んでくれたらうれしいです。
真護は自分の机に突っ伏していた。本当に自分以外全員女子と言う現実を確認しへこんでいた。
壁は下1/3と天井がコンクリート製。そのほかすべて木製。教卓の奥にはホワイトボードがあり、『生徒の皆さんは待機していてください』と書かれている。廊下側の窓は上2/3はガラスで廊下に縦長のロッカーが見える。校舎が建てられて差ほど経っていないためか傷や汚れが全くなくかなりきれい。外にはまるでファンタジー世界にしかないような大きな西洋風の城が見える。
教室にいる女子は「嘘!例のあの子だよ!!」「私たちと同じクラスなんだ~うれし~」と歓声のような声を上げていた。
(別に…俺はうれしくね~んだけどな~………。
てか、俺がこのクラスなの下の掲示板に書いてあったじゃね~かよ…。何で知らね~の?)
机に伏せながら疑問を浮かべていると、教室へ聞いたことのある声がした。
「はいみなさん!お話がありますので席についてください」
顔を上げると、アリス先生が教卓の上にプリントの束を置き、ホワイトボードにスケジュールを描き始めた。生徒は皆席に着き、先生が書き終えるとプリントを配り始める。
真護は前から来たプリントを緊張しながら受け取り、後ろの人とあまり目を合わせないようにし渡した。
「本日の予定ですが、これから講堂へ移動し入学式です。分かっているとは思いますが節度をしっかり持って臨んでください。
それから教室へ戻りHRです。これで本日の予定は終了です。何か質問はありますか?」
手を上げる生徒は誰もいない。先生は時計を眺めた。
「それでは~~あと数分待っていてください。」
そう言い残し、教卓の後ろに置いてあった椅子に座り、タブレットを見始めた。
真護はスケジュールを見ていると、変なところに気が付いた。終了時刻が11時ごろと書かれているがその後が空白になっている。
「せ、せんせ~」
手を上げ聞こうとした時チャイムが鳴った。
「それでは皆さん。これから移動します。貴重品などは持って出て行ってください。」
先生は先導するため、先に教室を出て先頭を歩き始めた。またタイミング悪く聞けなかった。
講堂へは上ってきた階段1階まで降り、左へ行き、そのまま渡り廊下を通り辿り着いた。
「座席は自由ですが、クラスは間違えないでください」
そうアリス先生が注意する中どんどん新入生がなだれ込んできた。
(これは聞けないな…)
質問はあきらめ入る。
3階建で劇場のように緩やかな斜面に座席が千鳥配列になっている。上階も同じように並べられているが1階だけ中央は幅5mくらい通路のように空いている。レトロな雰囲気のあるステージの左横には司会者台がある。
床は赤い無地の絨毯が敷かれていて、壁は古代ローマの建造物のような外壁や柱でできている。白い天井にはライトが不規則に設置され照らしている。
(何か…天体?星の並びにも見えなくはないが…いや、気のせいか)
新入生は1階中央にそれ以外の席に在学生がおりに座る。
(今日から俺は——――――――――)
席に着き手をグッと握りしめ心なしかワクワクしている。
その後数分後入学式が始まった。
1時間後。予定通り式は順調に進み、時刻は11時20分ごろ。校歌斉唱が終わる。
「ただいまをもちまして今年度の国立魔導学園入学式を終了いたします」
学園長がステージから降りるといきなり照明が消えた。何かが動き出す音と振動が伝わってくる。
何が起きたのかわからず驚いた真護は辺りをキョロキョロしていた。すると、周りの新入生が不安そうにしていることに気が付いた。
明かりが戻ると、中央の通路が1mくらい上がり、全長30mくらいの舞台ができていた。
ザワザワと歓声にも聞こえる声の中真護は軽く混乱していると、司会者台に1人の中年の先生が出てきた。
「それでは、毎年恒例の新入生と在校生による模擬試合を行います。」
複数の照明が回るようにいろいろなところを照らす。
「では今年度の新入生代表は――――――――――この生徒です」
すると回っている全ての照明が真護を照らす。
「え?」
自分の状況が理解できず思わず変な声が出た。
「それではこちらに」
ほかの先生方も出てきて、階段へ半ば強引に引っ張られるように連れていく。「まあまあ、大丈夫、大丈夫だから」「先輩の胸を借りると思って…」いきなりの事で戸惑って話が聞こえていない真護は理解ができないままされるがまま連れ出され上に上る。するとさっきの先生が再びしゃべる
「それでは、在校生代表は現生徒会長の塩原 静来君にお願いします」
そこそこの高身長、クセのある金髪で細い目をしたハーフイケメンが静かに上り、中央の丸くなっていつ所に立った。真護も向かい合うように位置に着いた。
「それでは行きます。用~意、初め!」
訳も分からずキョドっている中静来はバントレットに手を当て、魔術を発動した。何もわからず、とにかく構える真護。
その瞬間、誰かが倒れた。それも4・5人もの生徒がいきなり。中には悲鳴をあげる者もいた。
異変に気づいた先生たちは倒れた生徒のもとへ向かい即刻決闘を中止した。
舞台からでも見えるところに顔が赤く又は青く、中には白くなっていたり、泡を吹いていたりする。
先生方や在校生が1カ所に集めアリス先生が治癒魔法での治療と解析魔法でも簡易問診を行う。するとすぐに結果が出た。
「こ…これはマナ保有過多です……」
周りがザワザワし始めた。近況が解けた真護はどうすればいいのかわからないまま、現場を見つめる。
「それってどう言う…」「そんな馬鹿な!」状況を理解できない生徒と察し大声で驚く先生たち。アリス先生が倒れている生徒の腕についているガントレットを見せながら続ける。
「間違いありません!アナライズの結果魔力吸収魔術を発動した痕跡があります。しかも、その対象は竹宮君です。しかもそれだけではありません。」
アリス先生は一瞬目をつぶり、真剣な眼差しで顔を上げる。
「しかし吸収した魔力は彼らが持っているわけではありません。他者に送っているみたいです。ですが、送る前に所持超過《オーバーヒート》を起こし倒れたみたいです」
「で、誰に送ろうとしたのですか」
焦る先生を前にそっぽを向き一瞬言いどもると、再び前を向き「対戦相手の塩原君です」と言いにくそうに口にした。
本人以外全員ポカーンとしている。講堂内は静まり返った………。静来は悔しそうによそ見をしている。
試合結果は塩原 静来の不正により竹宮 真護の勝利で終わった。
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