映す影
レムセイ地区。東部の所謂"前線"と言われている場所。
東部都市国家が自治権を主張する範囲のちょうどギリギリ外に位置する地域で、この辺りは衝突も多く緊張の高まっている。そんなレムセイの地下深くには僕達流れ石の補給基地がある。
明星号は基本的に飛びっぱなしだ。電力を供給するパンドラバッテリーは艦船じゃ50年、イージスで200年は持つと言われている電池で、『開け』でもしない限り壊れることもない。電磁エンジンは100%電力で可動するから残りの補給が必要なものと言えば食料と整備用のパーツや器具だ。
レムセイの補給基地は地下にある鉄路で都市国家本土の基地に直結している。都市国家からの直接的な補給を見せないためにわざわざ距離を置いて地下で連絡させたらしい。
大規模なイージスの整備だとかはこの基地じゃないと出来ないらしくて、修理中だったイージスの回収や一部クルーの合流もここでやるらしい。やっぱり人少ないと思ってた。
何故ここが長い事バレなかったかと言うと補給基地のある場所が非武装中立地帯で軍艦が容易に近づけない事、磁気が特に不安定で航行を行いにくい場所である事、何よりここが"連邦の基地に偽装されている"という事である。
どういう事かというと、レムセイ基地は元々連邦発足前にあった地殻磁波観測用基地で東部との武力衝突で前線基地として運用された後に非武装地帯としてその運用を解除された後に都市国家軍と流れ石が秘密裏に基地を占拠。表向きは連邦の基地として中央に言いつつ僕らを匿っているという状況なのだ。まさか連邦も自分達の基地にテロリストはいないと思っているのだ。
明星号は基本的に民間機にデータを偽装しており、ここへの補給も輸送船として本部にデータが送られている。また、数少ない連邦の情報を知る為の諜報機関でもある。
ここは僕らにとってもある種の前線と言える場所かもしれない。
「なんていうか、表向きは連邦の基地ですから変な気分ですね」
「まあな、慣れだ。着陸ライン入るぞ、信号送れー。」
アダンさんの指示で明星号を着陸用のガイドラインへと沿わせて崖の真ん中にある基地の入口へと向かう。ここはカバナからレムセイへ連なる峡谷地帯にあり、崖や岩山の中に作るようにして出来た基地だ。シャングリラの岩盤は強固。比較的小規模な基地とはいえ、天然の要塞とも言えるこの造りは万が一攻撃されてもそう簡単に破壊されない。そもそも攻撃されない事が前提ではあるが。
「基地の外って何かあるんですか?」
「ラ・パルテって街がある。そこそこな規模だからそこで買い出しだな。基地から貰える飯は味気ねえし、今はちょっと金に余裕あるからなぁ。とりあえず酒と…」
「アダン、今月は赤字だ。余裕なんて無いだろ。キミに買い出しさせるのはあまりにも不安だ。買い出しは僕とシエルで行く。アダンは基地でイージスの受領なり仕事があるだろう。」
「チッ…たまには俺も街に出てえなぁ…」
レイさんから釘を刺され、あからさまにしょぼくれていじけるアダンさん。っていうかお酒飲める年なの。その割にだいぶ子供っぽいムーブかましてる気がするんだけど…
「Heyアダン!受領予定のイージスはKG-601Eと"アレ"で良いんだろ?」
陽気なドレッドヘアの黒人系、この人がモハメッドさん。こんな見た目だけどまだ19歳らしい。ブラッキーの人はめちゃくちゃ発育がいいからもっと上に見える。背高いし。
モハメッドさんはイージスパイロットだけども整備もガガさんとやってて実質整備班の班長みたいな立場になってる。この前イージスのカスタムでちょっと話を聞いたけれど、その改造技術はまさに"変態"の一言に尽きるレベルでビバンダム/とかバナナヘッドの超機動からそれが伺える。
「ん?ああ、601Eは東部都市国家から買い付けたやつだ。高かったけど流石にもうヘンリーのバナナ借りたくねえしなぁ。」
「Oh…あれリミッターかけて乗ってもキッツいからなぁ…ってアダンが乗るのか?」
「ん?ああ、ちょっと次の作戦に頭数が足りなくてなぁ。一応E型仕様ベースだけど細部は独自仕様にチューン済みだ。頼んである。」
「Nice bro!あっちでやってくれてると手間が少なくて助かるよ」
「とりあえず601Eの点検と…"アレ"はドッグの奥でいいか。あとは/Bの改修か」
「Getcha!んじゃ行ってくるよ!」
「アダンさん、"アレ"って?」
「ん〜…ノーコメで」
アダンさんはいつも軽いノリで悪い言い方だがリーダーという威厳のある人物のような振る舞いはしないし、いつも適当だ。だけれどこの時に込められていた言葉だけはいつもよりもほんの少しだけ真面目そうだった。だから僕はこれ以上この事は聞かない方が良いのだろうとどこかで感じて聞く事は無かった。
「ここがラ・パルテですか!格好賑やかですね!うわぁ!天然食材が売ってる!」
「ラ・パルテは七星災害前から商業都市として発展してきてる町だ。基地があるからノアから天然食材の供給もある程度ある。高いけどな。」
ラ・パルテは基地から少し離れた場所にある。明星号にあった電磁エンジン式バイクで基地からだいたい30分だ。都市国家と連邦の前線とは思えない賑やかさに驚きを隠せなかった。祭りのように屋台が並び、食べ物、工具、イージス用パーツ、服やアクセサリーなどが売られている光景はとても輝いていて、スラムよりも人の目に光がある町に思えた。
「ここって…前線なんですよね?」
「…そうだが?もしかして賑やかだと思ったのか?」
「はい、ここはみんなが輝いてます。スラムとは全然違う雰囲気で…」
「…お店、なんでみんなテントとか屋台か分かるか?」
「えっ?」
確かに並んでいるお店は全て仮設のようなものばかり、いや"ばかり"ではない。"全て"がテントや屋台で出来ている。しっかりと建った"建物"が無く、お店があるおかげで賑やかなマーケットに見えるが全て畳まれてしまえば何もない道になってしまうだろうことが容易に想像ついた。まるですぐに畳めても良いかのような造り…
「もしかして…ここって」
「分かったか。この辺りは前線だ。戦闘は条約でご法度とはいえ挑発や牽制の演習なりイージスの低空飛行なんか日常茶飯事だ。しかも条約が出来る前は四六時中当たり前のように空爆やら戦闘やらが起きてた。だから"建物が1つも無くて"、"すぐ畳めてすぐ建てられる仮設"なんだ。仮染の繁栄だよ。ここは。」
「でも、みんな笑ってます。楽しそうなんです。どんな困難があってもこの街で商いを続けていこうって意志をすごく感じるんです。その情熱って凄いと思います。…なんかすみません。」
「いや、良いよ。ただ、」
「時には冷静にモノを見ないとダメなんだ。」
市場はかなり広い。だいぶ歩いている気がするし、おそらくバイクで走った距離よりも歩いてる気がするけれど市場は乗り物なんて乗れる人の数じゃないし、降りざるを得なかった。人混みに長い事居たからかなり疲れた。
「着いた。」
「やっとですか…疲れましたよレイさん…」
この辺りの通りから明らかに雰囲気が違う。とりあえず店を持っている人の顔がみんな揃いも揃って強面。そして売っている価格が明らかにさっきまでよりも安い。おまけに珍しいもの…というよりノアの内地でもない限りは売ってなさそうなものだったり、怪しいパーツが売っている。
「ここって…レイさんもしかして…」
冷静沈着、その言葉が似合いすぎる程にクールで表情を見せない彼がニヤリと口元を上げる。そう、ここは市場は市場でも
「闇市だ。」
闇市。スラムにいた頃にもあった。非合法的手段で手に入れたものや、売ってはいけないものが出回るマーケット。そもそも西部は正規の市場なんて無かったから闇市にならざるを得ない状況ばかりだった。
「や、闇市?隣に正規の市場があるのに何でわざわざ…」
「ラ・パルテの市場は七星連邦に認定を受けてるから内地から売ってくれる物も多い。その代わりグレーゾーンな物だったりちょっとでも連邦に良くない物があると弾かれるんだ。なにより税金が引かれるのが嫌だって。」
「ハァ…それでなんでわざわざ闇市に?」
「安いからな。」
「え?」
「ちょっとでもケチる為だ。利用できるものは利用しきった方が良いだろう?それにあっちは連邦通貨しか使えない。」
「なるほど…」
少し意外だった。レイさんは真面目そうなイメージがあったからあまり悪い物に手を出さないと勝手に思い込んでいたのだ。メンバーの中でも一番常識人だし、博識でいつも冷静だ。いや、冷静で博識だからこそ"全て利用する"のだろうか。
「僕を真面目で悪さをしなさそうな人、だなんて思い込んでいたからビックリしたとでも言いたげだな。」
「いや、確かに、そうですね。なんだからレイさんって服装も相まって正規軍人みたいですし。」
「正規軍人ねえ…」
レイさんは虚空を眺め、何か思いに耽っていた。アダンさんとレイさんは服装からして連邦と何か関わりがあったのだろうと思うのだけど、その事を過去に何度か聞いても二人はあまり答えようとしなかった。一部のメンバーは知っているようだけれどもあまり語れないものがあるのかもしれない。
「僕らは言ってしまえばテロリストだ。犯罪者の集団だ。悪さをして当然だろう。」
「それもそうですね。所で何買うんです?」
「イージス用の消耗品だ。レムセイの基地でも補給があるがいささか質が悪い。辺境の基地だからな。ここは裏モノなり軍用の入手経路がよく分からないものが多いからこっちで買ったやつの方がモノが良い。当たり外れはあるがな。」
闇市を探し歩いていると、謎のパーツを売る若いノリの軽そうな男がこちらに向け話しかけてきた。見るからに怪しい。まず見た目から怪しさを取り除こうという努力は無いのか。良い物売ってても釣りに見えるぞ。
「ヘーイヘイ嬢ちゃん!ウチにエンジンの加速パーツ売ってるよ!これ付けるだけで速さ三倍だ!どうよ!買ってきなよ!」
レイさんの目つきが変わる。目に殺意が灯る。普段から怖そうな目つきをするが人を簡単に殺してきたことを示すような瞳に変わる。
「女だと?もう一度なんと言ったか聞いても良いか?」
「なんだなんだ軍人の嬢ちゃん、こんなとこアンタみたいな可愛い女の子が来る場所じゃないヨ!」
「僕は男だ。まずはその減らない口を貫通式にしてやろうか。」
腰に下げたハンドガンを何の躊躇もなく男の口に向ける。セーフティ外してるし。引き金引く気満々なのが怖い。
確かにレイさんは長い髪をお下げにしているし、中性的な顔立ちと高くはない身長が相まって女性に見える。僕も最初は女だと思った。アダンさんから少しだけ聞いた話だが、レイさんは女扱いされると異常に怒る。人間、性が間違われる事は不快で当然だろうし、僕だって幼い頃にそんなことはあったから気持ちは分かるがそれにしたって異常な憤りに見える。
「落ち着いて!落ち着いてレイさん!一般人!一般人だから!」
「なんだァ…おっかねぇなぁ…とりあえず何か買ってくかい?」
「…この加速器とやらただのエンジン用計測器じゃないか?」
「そ、そんな事ねえ!コイツは正真正銘三倍になる奴だよ!」
「それにこの潤滑油、78NCか8600PDって平均価格の数倍しないか?」
「そりゃあ良い性能だからさぁ!その分金は取るさ!」
「3400PDで売れ。」
「ハァ!?そりゃねえよじょ…兄ちゃん!半額以下だぞ!?イカれてやがる!」
「そうか…今、僕は酷く機嫌が悪いんだ。悪く思うなよ?」
男の体が石にように動かなくなる。凍るような眼差しに怯えているのではない。動かないのではなく動けない。彼に視られてしまえば動けない。
見たものの動きを止める能力。条件も簡単であまりにも強力な能力。
「う、動かねえ!体がぁ!なんでだ!助けてくれえ!」
「闇市は違法だがここは詐欺を働いて人稼ぎする場所じゃないんだ。悪いがここから居なくなれ。」
「ヒ!ヒギィイイ!やめてくれ!出ていく!分かった!助けてくれ!」
なんというか、止められそうにない。冷静と彼を形容したが撤回しよう。レイさん結構感情的。割と火が付きやすい気がする。普段静かなのに爆発を起こすように突然着火して酷く燃え盛る様は正直タチが悪いなぁって思った。彼の冷静さは爆発的な感情を押さえ込むため…あの言葉も自分自身への戒めに行った言葉なのかも知れない。あんな性格だからこそ、普段は冷静であろうとしてるのだろうか。アダンさんやティーネさんも変な人だけれどこの人も言うほど常識人じゃない気がしてきた。
「そこまでにしてくれ、『流れ石』の兄ちゃん。」
背後からレイさんの止めたのは大柄で髭を蓄えた渋い声のワイルドな男。筋骨隆々とした体で顔には傷のある強面の男のだった。太ましい腕はワンパンチで木製のドアを破壊してしまいそうだという感想を覚えた。
「ベリル。コイツ僕らに詐欺をかけた。何だコイツ。いつ来た?」
「悪いなぁレイ、こいつァ最近来た新参者でここいらの贔屓様の事を知らなかった。随分と失礼したね。」
「オイクソ坊主!この人たちはレジスタンスの『流れ石』だ。
この辺りの闇市を支援して連邦の"清掃活動"から守ってくれてる人たちだよ!」
「流れ石…?あの流れ石!?しゅ、しゅびましぇん!てぇへん失礼しやした!!!」
「馬鹿が、ただの商業自由地帯だと思って来たのか。顔くらい知っとけっての。」
「レイさん、どういう事です?」
「この辺りの闇市は連邦に相当嫌われててね。浄化活動で消されそうになったのを何度か流れ石が保護してる。みんな正規のマーケットから何かしら訳あってハブかれた人達だ。こんなとこじゃなきゃ商いで生活できない。」
「俺もその一人だ。ガキ共の集まりだがそうとは思えない活躍で助かってるよ。さっきは悪かったな!良いの入ってるぞ、買ってくか?」
「あんたの所は信頼できて良いよ。ちょっと案内頼みたい。前と位置が変わってのか迷ったんだ。」
「構わんとも。所で隣の坊主は新しいお仲間さんかい?」
「はい!?」
体が大きくて強面だが、話すと意外と優しそうな人物だ。暖かみがあって親しみやすい。レイさんといい人間見た目じゃない。
「彼はシエル。西のスター・チルドレンだ。イージス乗りとしてはいい腕してるらしいよ。よく吐いてるけど。」
「最近は吐いてないですよ!」
「へぇ…それでちんちんに毛は生えてるのか?」
「はい?」
「いや、ちんちんに毛は生えてるのか?」
「えーーー………っと?」
「だからちんちんに毛は」
「やめろベリル怖がってる。」
「なんですかこれ?」
「ああ、ベリルはな。」
「性的対象が幼い男なんだ。」
「違うわい!俺は思春期の男が好きなだけだ!」
「大差ないだろう。」
「レイはな、なんか、こう、違うんだ。響かないんだ。何故か。」
「よく分からないが腹が立つな。」
「で、生えてるのか?毛?」
「やめろベリル。お前は執拗に思春期の男に陰毛の有無を聞く事意外は良い男だからやめろ。」
「重要だ。これはかなり重要な事だ。『流れ石』のお前さんでも譲れねえなぁ。」
「シエル、答えなくていいぞ。」
ああ、確かに人は見かけに寄らない。なんだか僕は人が段々信じられなくなってきた気がした。世界は広くて恐ろしい。僕は人生で始めて中年男性に性的に見られ、執拗に陰毛の有無を聞かれ続けることで思った。何人もどんな人間でどんな性格でどんな趣味嗜好があるかなんて分からない。きっとこの感覚、一生忘れないんだろうな。
「じゃあこのパーツに、この機材を買おうか。」
「おうよ!お得意様だ、ちょっとまけてやるよ。」
「いつも有り難い。助かる。」
「なに、アンタらにしてもらってる事に比べりゃ大した事ないさ。」
ベリルさんのお店は他よりも大きい屋台で、彼はこの闇市を実質的に仕切ってるような立場の人間だった。闇市であるから身分も何もあるもんじゃないが、ここで彼に口出しする人間はそうそう居ないらしい。スラムのように荒んだ雰囲気が薄かったのはそうやって守られてきたからかもしれない。
「流れ石の兄ちゃん達ーー!!!」
レイさんを怒らせた若者がぐしゃぐしゃの感情を撒き散らした表情へこちらへと向かってきた。最初の自信やら強気はどこへ行ったかなんとも情けない姿だった。
「俺を流れ石に入れてくだせえ!」
土の下に座ると書き土下座。まさにプライドを地に着け行った渾身の謝罪と懇願のポーズに僕らは唖然とせざるを得なかった。
「え?」
「冗談面白くないぞ。」
「アイツは本気だ。顔は知らなかったが流れ石に心底憧れてたらしくて、本気で入りたいらしい。」
「スパイでもされたら困るから下手な経歴の男は入れられないぞ。」
「安心しろ、コイツの経歴は俺が保証する。コイツは連邦関係者でも何でもねえただの馬鹿だ。馬鹿だが必死にやるぞ。」
「いいんじゃないですか。」
「正気かシエル?確かに人手は欲しいが。」
「あの人だって必死に生きて必死にやってきて今この瞬間自分の生きる道変えようとしてるんです。答えてあげてもいいじゃないですか。」
「おねげぇします!雑用でもなんでも構わずやります!入れてくだせえ!」
「…とりあえず基地までは連れて行く。そこからメンバーと話して連れて行くか考えるぞ。」
「ありがとうございます!!!」
別にこの人のことを特別推し進めるような理由はなかったし、それをする事で僕に得られるものがあるわけでもなかった。それでも僕が彼を応援したくなったのは彼もこの世界から変わりたかったことを自分と重ねてしまったからかもしれない。そう思ったら、どうにもここで弾いてしまうのは酷く悪いことに思えてきてしまったのだ。
みんな色々な生き方をして色々な感情を持って生きてる。みんな自由であってこその世界だ。心を解き放っていられる世界が本当の世界だ。
「おーい!イージスが来てるぞ!風で飛ばされる前に店畳めー!!!」
闇市の奥から男が大声で叫ぶ。それに呼応して周りの店は立体絵本のページをめくる用にパタパタと畳まれていく。何十も並ぶ店が一気に閉じられる光景は圧巻だ。
「おかしい…今日は演習なんてあるはず…が………!!!」
「どうしました?レイさん?」
「あんな機体基地居たか…?いや…あのカラーリングは本部所属…!!!レムセイの機体じゃない…!!!」
「急いで基地に戻る。市場の中だがバイクを使う。畳まれてるなら走れる。」
「どういうことなんですか?ここらじゃ演習はよくあることじゃ…」
「違う、」
「敵だ。」
多分生えてないと思います。
・天然食材
シャングリラ飯事情。基本的にノアの外に住む人々の食材は栄養素だけなんとかカバーできるペースト食か、中流階級以上は既存の食材(野菜、肉など)を再現して作る培養肉のようなもの、野菜を再現したものを食べています。なのでホンモノの食材はレア。内地に住んでない限りほとんど食べられません。肉類は大抵ノアの内部か城下町で育てられ、野菜類はほぼノアの内部で作られてます。バナナも本物は見たことがない人がほとんど。