3/36
プロローグ:彼ら(?)の事情
ヒソヒソと話す声がそこには響いていた。
___生まれた
___生まれたね___やっと主が生まれた
___ここの主__扉を繋ぎ渡る鍵守
___資格は十分、気づくかな?
___きっと大丈夫、だって___だもの
___そうだね
___そうだよ
___ああ、楽しみ
___我らが主、鍵守
___いつかいつの日か、
___鍵は〝心 〟いつか目覚めるその日まで......
声は静かに空間に消えた
いつか主が鍵、〝心〟に目覚める時まで眠るために
その空間は、距離感の掴めないような真っ白い、何も無い空間だった。
何も無い←意味深




