第15話:パーティー当日その4、波乱?間に合ってるんですけど。
シリアス?
火累宗司のパートナー (?)として招待されていた分家の火雀家の令嬢は、私より2つ年上で、今年は桜花学園高等部3年生で、赤褐色の髪を豪華に盛り、主張の激しい胸を大胆に見せつけるような布の少なめなドレスを着ていた。
私は思わず二度見したよ。
だってこのパーティーは、水瀬家の前当主夫人のお誕生日パーティーだ。このパーティーを社交パーティーと勘違いしてはいないか?と思ったのだけど、聞く耳とか持ち合わせてなさそうな雰囲気だったので嫌々ながら話を聞くことになった。
「貴女、調子に乗ってるんではなくて?」
「...何が仰りたいのでしょうか」
「分かっているでしょうに、しらじらしい。」
「だから、分かりませんと言っておりますが」
ほんと分かんない何この人
「貴女確か朝日奈家の方でしたわね。」
「そうですが、何か?」
「警備会社をしていらっしゃるとか?」
「だから何なのです?はっきり仰ってください。」
イライラする
「所詮は野蛮な職を持って成り上がっただけあって、男あさりをしていたのでしょう」
はぁ?
「しかも水瀬様だけに飽き足らず、風雅様や宗司様まで手にかけるなんて浅ましいこと」
なんつったこの女、私が男あさりだ?両親が野蛮?
「発言の訂正を求めます、アナタが仰ることは筋違いな妄言だ。アナタは朝比奈を侮辱なさるつもりか?」
「だってそうで御座いましょ?パーティーに初参加したというのに、もう既に殿方を引っかけて、何様のおつもり?」
言うにことかいてッ!私が男を引っ掛けただと?!これは我慢の限界というものですよ、
反論しようと口を開いた時、低い、怒りを込めた声が聞こえた。
「火雀、オマエこそ何様のつもりでいるのだ?」
目の前の令嬢は顔色を一瞬で青くした。
振り返ると火累宗司と風雅伊織、穹サンの他火累家の当主夫妻がいた。先ほどの声は火累家の当主のようだ。
「...と、当主様、コレには訳が」
「黙れ。発言を許した覚えはない。オマエは確か、火雀の当主があまりにも強く勧めるから仕方なく連れてきたのだったな。...オマエは火累家のツラに泥を塗るつもりで来たのか?」
「ち、違いますッ、断じて、断じてそのような事は」
「あるでしょう?」
穹さんが口を挟んだ。
「貴女は、火累だけでなく夕さんを招待した私たち水瀬に対して侮辱したのと同じですよ、しかも、聞いていましたが、どうやら朝日奈家に対しても過ぎた口を聞いていましたね?」
「いくら僕が女のコが大好きだからって、流石に引いたよー?それにさ、僕ら3人を話題に出してたみたいだけど、僕は君の所有物になった覚えはないよー?」
風雅さんや、目が笑ってないから
「不愉快極まりないな。こんな公衆の面前で騒ぎを起こし、なおかつ火累、風雅、水瀬、朝日奈を侮辱か、どのような教育を受けてきたのか、火雀の頭も出来が知れるな。」
うわぁー大事やん他人事じゃないし。
「うふふ、それにしても貴女、そんな格好でよくパーティーに参加しようなんて思いましたわね?」
今まで静観していた火累家の当主夫人が、私が最初に思ったことを聞いてくれたナイスですよ。
「火雀家は、貴女のその容貌だけを磨く時間をくれて、オツムを磨く時間は頂けなかったみたいね?」
痛烈、嫌味と罵倒がないまぜになった毒舌だ...!
「そのようだな、オマエら火雀を火累の分家とするのも厭わしいわ、せっかくの誕生日パーティーが、オマエのせいで台無しではないか。どうやって責任を取ってくれるのか楽しみだ。
が、火累家はこやつを連れてお暇するとしよう。水瀬家には、悪い事をした。すまんが、失礼させていただく。」
まぁ、一族の犯した事だし、参加続行とは行かないよね。
「朝日奈家ご令嬢、後で正式に謝罪させて貰いたい」
「...分かりました」
帰っていく火累家を見送りつつ、ため息が出た。
いつの間にか横にいた穹さんは思案顔で眉間にシワがよっている。
「すみませでした」
唐突な謝罪に首を傾げると
「こちらが招待しておきながら、不快な思いをさせましたから。」
「いえ、もう気にしてはいませんけれど、良かったのでしょうか?あんなことになって...」
不祥事とも言えるし、何より外聞が悪いのではないだろうか
「気に病むことはありません。それに、早々に対処出来て幸運でした。」
「どういう事か聞いても?」
「もちろんです。私たちは大雑把に括ると、『五家』と呼ばれますが、五家の政治的な影響力はかなり高い水準にあります。例え分家であっても事件のもみ消し位は簡単な事です。ですが、それが露見してしまえば、主家は監督責任を問われます。だから、早いうちにそういう芽を摘んでいれば問題が起こることもない、ということです。」
流石次期当主、そういうことの教育は既に済んでいる、ということですね。
「なるほど、分かりました」
「いえ、お安い御用です」
あと気になることといえば
「そういえば穹さん、私と彼女が言い争って(?)いたのはかなり会場の隅だったはずですが、どうしてあんないいタイミングで来れたんです?」
そう、あの令嬢に連れてこられたのはかなり会場の隅っこだった。だから驚いたのだけど。
「あれ、気が付かなかったんですか?」
「何かありました?」
「夕さん、怒ってたでしょう?」
「ま、まぁ」
「こう、何処か殺気に似た何かが出てたんです」
は?
「こう、ゾクゾクした空気が出てたので、何か気になって見に行ったんです」
え?
「そうしたら夕さんがいて、こっちも驚いたんですけど、それに気づいた火累家の当主も来ていたんです。」
...自爆、だった。
その後は、脱力して、ハイライトがログアウトしたままパーティーは終わった。
次回、閑話、生徒会の人たち




