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悪役ではない...けど、コレはどう考えてもおかしい。  作者: マタタビ師匠
第3章 始動編
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第12話:パーティー当日その1

ついに、ついにやって来てしまったパーティー当日。逃げたい、物凄く逃亡したい気分ですよ親方ッ(誰だよ)



冗談はさておき、パーティー当日のお昼過ぎ、迎えにやってきた水瀬さん。車に乗ってやってきた彼。


「こんにちは朝日奈さん、お迎えにあがりました」

「わざわざありがとうございます」

すごくいらない。


車に乗ってからはというもの

「パーティードレスの方は(うち)に用意してありますから、そちらで着替えます。」


と、事務連絡だけかと思いきや

「それと、これからは私のことは(そら)と呼んでください。私も貴女の事は夕さんと呼びます」

との事。流石に不審になって何故かと問えば

「一応は仲が良いという設定(・・)ですから」

そういうことらしい


私も詮索とかまじで遠慮したいのでそういうことならそう呼ばせてもらうことにする。(反対に呼ばれるのはすごく嫌だけど)



いくらもしないうちに水瀬家のこれまたお屋敷サイズの立派なお宅に到着し、御挨拶の前に着替えてしまうということで侍女さん(本物の)達に連れられてあれよあれよという間に着替えさせられた。


パーティードレスは確かに凄かった。全体的には青色のグラデーションのホルダーネックタイプで、胸元は黒と青のレース模様、胸の下から斜めに水色のリボンが巻かれ、スカート部分は膝下くらいでパニエのような膨らんだタイプではなく、スッキリとしたデザインで、よく見ると銀糸で細かい刺繍がしてあるようだ。



私が仕上がりに放心している間も妙に気合の入った侍女さん達はメイクを施し、髪を結い上げ、アクセサリーを付けて、と準備に余念が無い。


最後は手の中程から上腕部までを覆う青から黒への緩いグラデーションの手袋を付けて完成だ。


終わった瞬間の侍女さん達は物凄くやり切った感が満載の顔をしていて、一人残して引っ込んだ後、その場で待つように言われて待っていると、扉の外からノックがかかる



侍女さんがドアノブに手をかけて扉を開けると、予想どうりというか、(そら)がたっていて、入ってくるなり目を僅かに見開いて、心臓に悪い笑顔を見せる。


「上出来...ですね。やはり間違いはなかったみたいで良かったです。」

「どうも...」

「何かご不満な点でも?」

「いえ、ドレスを着るのは初めてなもので、緊張しているようです」

「大丈夫ですよ。貴女以上に似合う人は中々いません。十分にお綺麗ですから、余計な力が入ると逆に不格好に見えますよ」

流石に慣れてそうな発言だ



「ありがとうございます」

「どういたしまして。では一応これから両親に挨拶に行きますが」

「大丈夫です、行けます」

「それは重畳(ちょうじょう)です」



そうして覚悟を決めて挨拶に向かう。そしてたどり着いたのは恐らくリビングルームと思われる部屋の前。


___コンコン

「朝日奈さんをお連れしました」

『入りなさい』


___ガチャ

「父上、母上、紹介しますね。同じクラスでお世話になっている朝日奈さんです」

決戦ですね

「水瀬家のご当主様、奥様とお見受け致します。(わたくし)は御紹介に預かりました通り、同じクラスに所属しております、朝日奈 夕と申します。」

噛まないで言い切ったぜ!

「...穹、どうやってこんな美人さんを引っ掛けたんだい...?そして夕さん、と呼ばせてもらうけど今日はこちらが招待した側だ、そう硬くならなくていい。遅れたけれど、初めまして、水瀬 空也(くうや)と申します。(そら)の父ですこれからもよろしくね」

「まぁ本当に美人さんだこと...、はじめまして、(そら)の母で(あかね)と申します、どうぞ末永くヨロシクね」

何か一部変なニュアンスが含まれてた気がするけど

「はい、こちらこそよろしくお願いします」


結構フレンドリーな御両親とそれから10分程和気藹々(わきあいあい)と会話を楽しみ、会場に移動することになった。





しかし、まだ私にとっての不幸は始まってすらいなかったのを知るのは、あと3時間は経ってからだったのを知るすべはなかった。

次回、パーティー当日その2、不幸な(私にとって)遭遇

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