表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
悪役ではない...けど、コレはどう考えてもおかしい。  作者: マタタビ師匠
プロローグ
2/36

プロローグ :彼女の事情。

花の女子高生だった。つい先程までは、と但し書きがつくけど。


ちょうどお母さんに頼まれて買い物に出かけた帰り、日が沈む時間帯一人で歩いていた罰だろうか?


___逢魔が時...魔に逢う時間。まさにそれは___


通り魔だった、と思う。後ろから足音が聞こえた、と思った瞬間左の肩より右下に、焼け石を当てられたような痛みが走った。


かひゅっ


衝撃で一瞬意識が白く染まったあと、じわりじわりと背中を生暖かい液体が流れる感覚で

___ああ、刺されたのか、と悟った。前のめりにどう、と倒れた痛みも、身体を徐々に侵食してくる寒さに対する恐怖や、段々と遠くなる感覚でどうでも良くなった。


でも、意識が闇に飲まれる時思ったのは

___攻略、終わってない...!

何て事だった。





......あ!......ぎゃあ!おぎゃあ!

痛い痛い痛い!なに!?何なの!?

よく見えない視界や、激痛で私はそう叫んだはずだったけれど、自分の喉を震わせて出てきた声は、丸っきり赤ちゃんのものだった。

ッっ!?は!?あああああ赤ちゃんンン?!


混乱する私を他所に、周囲は私の体を洗ったり拭いたりで忙しい。と、暖かい感覚で、束の間痛みを忘れて泣き止むと、疲れた様子の女性?らしき声がくぐもってはいたが、確かに聞こえた。

「生まれて来てくれてありがとう...私と、あの人の、赤ちゃん...」

達成感に溢れたその声で我に返った。

『え、えぇぇえ、嘘、まさか』

転生、という単語が頭に浮かんだ。ラノベで流行りのジャンルだ。まさか自分が体験する時が来ようとは思わなかったッ!


ガラッ、バァン!!

いきなりドア(?)が勢いよく開いた音でビクッとなった。次の瞬間

「う、うう生まれたのかい!?ああ!、間に合わなかった!!」

「落ち着いてあなた、今やっと泣き止んだのよ。静かにしてちょうだい。」

「うぁっ、は、ハイぃ」

お、おう、なんと尻に敷かれた旦那さんっぷりだ、恐れ入ったよママさん...、

「名前はどうしようかしら、女の子だし、あなたがきてから決めようと思って決めてないの」

「うん、そうか、じゃあ〝 ゆう〟でどうだい?今ちょうど夕方だし、名字と合わせれば〝あさひな 〟だから語感もいいし」

「そうね、あなたが決めたのならいいわ。

じゃあ、ゆうちゃん、あなたの名前は朝日奈 夕。これから宜しくね?」

なまえ、名前か。前の私にこだわるのは、この新しいお母さんとお父さんに、ちょっと悪い気がするし、今のわたしは、朝日奈 夕として生きていくんだなって思えばそれでいい気がした。

「うきゃぁあ」

宜しく、と思いを込めて声を上げてから、眠気に耐えられず、とうとう寝てしまった。でも、本当に寝てしまう前に思った

___朝日奈 夕って名前、どっかで聞いたぞ

、と


ちーとなさりげ主人公、暗躍型、爆★誕

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ