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悪役ではない...けど、コレはどう考えてもおかしい。  作者: マタタビ師匠
第3章 始動編
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第11話:パーティー準備の戦場

家、(もうどう見ても屋敷にしか見えないけど)にいつものように帰りついて、普段のようにお風呂からのご飯、とは行かなかった。



帰りついてそうそうお母さんに拉致されて連れてこられたお父さんの仕事部屋。もちろんお父さんもいて、当然の疑問が投げかけられる。


「今日、会社にわざわざ水瀬家の当主夫妻が来て誕生日パーティーの警備の依頼と、ご令嬢をお借りしますねって言われたんだけど、何がどうなってそうなってるんだい?承知したはいいけど、話が見えなくてね。」

承知したんだ...

「それはかくかくしかじかで___」

説明したらなんとも言えない顔になったお父さん、しかし伏兵は他にいた

「いい機会じゃないかしら」

お母さん?

「だって貴女、一応は朝日奈家の令嬢よ?今まで気が向かないからってパーティーとかの招待は断ってきたけど、どんなご令嬢を隠しているんだって勘ぐられてるのよ?」

なんですと?

「隠してあるものほど探りたくなるものよ。この際だから行ってきなさい。一応レッスンも一通りクリアしていたんだし、勿体ないわ」

「それもそうだね、パーティーは一月後らしいし、衣装は向こうがもってくれるみたいだしね。」

ああ、終わった...

「そうと決まれば、ウチは警備計画を練るだけね、それと夕、明日寸法を測ったりデザインを決めに行きますから、一応あなたの好みもあるでしょ、考えておいてね」


諦めが肝心って言うやつですねチクショウ。



ドナドナが聞こえたのは初めてかもしれない




......................................................


一日明けて、寸法を測りに来た私とお母さん。測るのは水瀬家が懇意にしている老舗の服飾店ですることになっている。


そしてそこはある意味戦場だった。連絡がいっていたのだろう。私が採寸用のバックスペースに来た瞬間、店員さん達の空気が一変した。


ギラギラと獲物(えもの)を前にした猛獣(もうじゅう)のような目をしてにじり寄る彼女達を見てさすがの私も恐怖を覚えた。それほどの迫力で寸法を測られた後は怒涛(どとう)のデザインラッシュ。布地を当てては別の布地を当ててあーでもないこーでもないと言い合い、ネックレスや髪留めなどのアクセサリーでどう映えるだの何だのを協議しだす始末。


何故かお母さんは自慢げに会話に加わっているのでタチが悪い。


確かに素材も悪くないだろう。ゲームではちょろっと出るだけ(本編)だったけど、キャラクターランキング(女性キャラランキング)ではヒロインを抑えていたし、私も手入れは怠っていない。


ヒロインは、可愛い系のキャラだけど、『朝日奈 夕』はどちらかと言うと綺麗系の美女だ。肉感的という訳ではなく、スラッと高い身長と涼し気な憂い顔が色気を感じさせるとして、男性だけでなく、女性にも人気なキャラだった。


世界の謎編で本格的に出てきた時は、頑張ってよかったと、狂喜乱舞したファンがいたほど。



独り回想に浸っている間も物凄い勢いで決まっていくデザインは、やはり水瀬家の注文も入っているのか、青系統のようだ。


お母さんは戻ってくると一言



「やり切ったわ」

何を?とは聞かないが、達成感に溢れていたので頷いておいた。そうしないといけない気がした。


「さすがに水瀬家が懇意にしている店だけあるわね、使っている物が違ったわ、期待していいわよ」

何に?とは返せる雰囲気じゃなかった



そして、あっという間に一月という時間は過ぎた。




次回、閑話 店員さんの狂喜

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