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悪役ではない...けど、コレはどう考えてもおかしい。  作者: マタタビ師匠
第3章 始動編
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第10話:望まない接近

朝、昨夜運動したお陰で気持ちよく起きた。すっきり爽快な目覚めで、朝ごはんが美味しかった。迎えに来た幸くんとの会話も弾んで上機嫌で別れた。





だと言うのに、どうしてこうも上手くいかないのか。神は死んだ。

「...聞いていますか、朝日奈さん」

「はい、聞いてますけど」

ちっ、流してたのに気づきやがった。

目の前に立つ御仁は既に悟った人も多かろう、水瀬氏である。


曰く、水瀬氏のおばあ様のお誕生日パーティーが近々あるらしく、取り敢えず誰か知り合いでもいいから、女性同伴(エスコートして)で来い、と課題を出されたらしい。

そこで何をトチ狂ったか、私をご指名であらせられる。



声を大にして言いたい。巻き込むな、と。


曰く、自分は女性の知り合いが少ない

曰く、そして勘違いしそうな女を連れていく趣味もない

曰く、家格もそれなりがいい

曰く、該当する知り合いが私くらいしかいなかった


......知らねーよッ!勝手にオトモダチ認定してんじゃねぇー!...おっと、口が悪かった。

だとしても嫌だ。せっかく昨日スッキリしたばっかりなのにっ、でも、でもだ。


何でももう確定事項らしい。




目ん玉飛び出るかと思った。聞き返した。3回。


そしてもう名前とか言っちゃったらしい。


そして御両親もそれなら、ということで会場の警備も、わざわざ我が家の警備会社に依頼したとか。



外堀は既に埋められていた。神はむしろ居なかった。




「...わ、分かりましたよ、い、行けばいいんですよね?行くだけですよね?」

「いえ、少しおばあ様へ挨拶と、私の学園での様子を聞きたいらしいので、当たり障りないことを適当に喋っていただきたいです。」

「...ぅげー」(小声)

「日程と、衣装については、こちらから送りますから、ご心配なく」

ンなこと当たり前だろ

「では、宜しくお願いします」

「...宜しく(不本意ですが)お願いします」





放課後、予感はしてた。

「姉様、聞きました。何でも水瀬の方とパーティーに行くとか。」

幸くんである。

「うん、らしいね」

私が行くって言い出したわけじゃないし

「...話を聞いた時はまさかと思いましたが、事実のようですね...」

不本意だけどね

「嫌そうですね、ならいいですけど。」

何がいいのよ...

「いえ、なんでもありません。警備はおじさん達なんですよね?」

みたいだよ?恥ずかしさが倍だけどね

「なら、間違いも起きませんね」

間違いってナニよ

「...取り敢えず頑張ってくださいね」

何を?小首を傾げれば重々しく口を開く

「話によると、水瀬前当主夫人は、少々厳しいお方らしいので」

「!?」

初耳すぎる!?

「まあ、大丈夫でしょうけど。」

不安しかないんだけど!?

「頑張ってくださいね」

2回言った!?プレッシャーかけないでよ!?



こうして私は不本意(いやいや)ながらパーティーに出席することになった。




この時私は思いもしなかった。不幸はまだ始まったばかりだということを。


この後は想像つきますかね?


次回、パーティー準備

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