第5話 零の利用方法
2週間くらい遅れました。
申し訳ございませんでした!
~王室~
「陛下、本日の訓練の報告を致します。結果はまずまずですが、戦争に必要な人数はなんとか足りるかと思われます。」
「ふむ、お前が言っていた者はどうだ?」
「黒崎 零の才能は流石にですね。教えても居ないのに2回目の戦闘から物理系スキルの『聖光斬』を使っていましたね。」
「ふむ、、、流石は女神の加護を持つ勇者と言ったところか…邪神の方はどうだ?」
「相模 明は初めての戦闘、しかも仲間が相手だというのに全く躊躇がありませんでしたね。こちらもスキルを使って居ました。弱いスキルですが使いこなすという意味でもこちらも才能があるかと。」
「なるほど、女神が女神なら邪神も邪神という訳か。他には無いか?」
「未確定ながら気になる事が二つほどありました。」
「ほう、勿体ぶらずに早く言え」
「はっ、黒崎 零は最後の攻撃で剣筋がブレて加速し、相模 明に高威力の攻撃を与えました。」
「ふむ、思い当たるのは『閃剣』と『幻影剣』を組み合わせたような効果か?」
「はい、ただ、魔力があまり感じられなかった為、極めて弱い身体強化系、あるいは偶然かと。」
「ふむ、、、弱いなら隠す必要もないし、常時発動しておくのが普通であろう。」
「そうですね。偶然そうなったと考えるのが妥当かと。」
「ふむ、もう一つはなんだ?」
「相模 明 の方です。彼は明らかに身体強化系のスキルを使っていました。」
「ふむ、だが鑑定紙にはそのような者は無かったはずだが?」
「はい、考えられるのは高レベルの隠蔽系スキルを所持しており、鑑定紙を誤魔化した可能性があります。」
「ふむ、、、厄介そうな奴だな。仲間に容赦しない性格、そして鑑定紙には出ていないようなスキルを持っている、、、相模 明から目を離すな!」
「はっ、かしこまりました!」
「今日はこれでよい」
「はっ、失礼します。」
カチャン
「女神と邪神、、、今回の勇者は個性的で油断ならんな…」
~次の日の朝~
「今日は魔術の訓練を行う!」
今日も朝早くから全員が訓練場で2列横隊に並んだ。
「その前に、魔術の発動する仕組みを説明する!今、君達の中には魔力が流れている。その魔力を操作し、特定の形に編み込むように流れを作り、そしてその魔力を変化させて属性を持たせる。そうすれば魔術を発動出来るのだが、普通それは難しい。そのための補完に強いイメージや詠唱を使うことで短時間で安定した魔術を使うことが出来る。そして、今日行うのは魔術の前段階で、少しでも魔力を操れるようになってもらう。その訓練方法は、短刀に魔力を流すことだ。まずはこれを見てくれ。」
キィィィィィン…パキッ
兵士が目を閉じると、彼の掲げた短刀が不快音を立てたあと、何かに耐えられなくなったように半ばから折れた。
「さっきの魔力が通っている状態で、魔力の性質を変えれば『属性剣』という、基礎的だが強力な技となるが、お前達はまず、短刀に魔力を通す練習をしてもらう。」
「おー。さすが兵士だな。俺も『属性剣』やりてぇー、炎の剣とかかっこよくね?」
「明、浮かれてる場合じゃないだろ、ってゆーかお前は闇属性しか適性がないんだから闇系の魔術を使えるようにならねぇと置いてかれるぞ」
「常闇剣…これだ!」
「はいはい」
「全員で昨日に配給された短刀に魔力を込めろ!」
「すみません。やり方が全然分かりません。」
陽子が早速質問をする。今ので分かる訳が無い。
「とりあえず力を込めろ!それで出来るとは思ってないがその状態で我々が補助をする!とにかくやれ!」
「ぐっ、ぐぬぬぬぬっ!」
すぐに皆が短刀を両手で握りしめて力を込める
そこへ兵士4人が巡回し、短刀を持っているクラスメイトの手に自分の手を重ねてゆく。
「あれ?栓が取れた見たいに短刀に何か流れていく!」
兵士に手を添えられた咲がさっそく驚きの声を上げる。
ヴヴヴヴヴヴ
手に触れられた者の側から低い振動するような音が聞こえ始める。
キィィィィィン
「あ、出来た、」
しかし、列の内側にいたはずの明の短刀から間の抜けた声とともに少し高めの音がなり始めた。
「え?お前、1人でやったのか?」
「あ、はい、なんか出来ました?」
「うぅむ、なかなか上手く出来ているな。名前は?」
「相模 明 です。」
兵士をそれを聞くと隣で苦戦している零のに手を当てる。
キィィィィィィィィィィン
「うわっ、何これ!?光った?」
零の手が触れられた瞬間、明よりも高い音と共にその手の短剣がほんのり光り始めた。
「あれ?これって昨日のアレに似てないか?零のスキルのヤツ」
「確かに、『聖光剣』に似てるような…」
「これは凄いな。弱くて不完全ではあるが、既に光の属性が付いて属性剣になりかけてる。名前は?」
「黒崎 零です。」
「なるほど、、、お前が黒崎か。」
意味深な言葉を残して兵士はまた次の人の所へ行く。「全員!その短剣の状態を維持!」
その号令のあとは数人が途中で魔力が途切れたりしながら、特に何事もなく昼食、昼食後は短剣に魔力を通したり止めたりを何度も繰り返す訓練を行い、昨日と似たような食事をしてからその日は終わった。