9話 魔物の討伐とかしに出かけて
ギャスパーが仲間になってから数日
ハルトはすることもなく家の中でだらだらと過ごしていた
「もう、前の生活みたいにひきこもっちゃおうかなー…」
「そんなことしたらずっとこのままで帰れなくなるぞ…帰りたいって言ってたのはどうしたんだ」
グレンが呆れて注意する
「だってこの前ので疲れたからさー…。疲れが取れたら頑張るから」
「そう言って、外に出なくなりそうだな…」
見かねたグレンは次はどうするかについての話を持ち出す
「酒場の方で魔物の討伐の依頼があるんだが、今度はこれをやってみないか?」
「特訓とか頑張ったし、お宝さがしもできたし、もうしばらくはゆっくりしてもいいでしょー」
「あのな…そんなことしてると腕が鈍ってまた特訓することになるかもしれないぞ?」
「…さーてと、少しは体動かそうかなー」
「どんだけ特訓したくないんだよ…」
ギャスパーが呆れる
「内容が内容だったからやりたくないんだろう…。毎回限界までやらせられてたからな」
「まじかよ…」
「そ、それよりも、目標の魔物さっさと倒しに行こうよ」
「そうしたいところだが、まずは準備しないとな。俺は新しい武器を買いに行ってくるからお前たちはルーレンのところに言って魔導書でも用意して来い」
「わかった。行こう、ギャスパー」
ローブを着てギャスパーをポケットの中に入れて図書館に向かった
「ルーレン居る?」
図書館の戸をあけて中に入る
「ああ、ハルトか。今日は魔導書かな?」
「ああ、うん。適当に何冊か借りるね」
そう言いながらた3,4冊ほどの魔導書を本棚から引っ張り出す
「そんなに多く持って持ち歩きは大丈夫なのかい?」
「大丈夫だよ。2冊ぐらいは自分で持って、あとは全部ギャスパーに入れるから」
「…そういうことができるのか」
自分の持つ分の魔導書をポケットにしまって、ギャスパーの口に残りの魔導書を放り込む
「使ってるのが魔力切れになったら出せばいいんだよな?」
「うん。それじゃ頼むね。魔導書の準備できたし」
「もういいのかい?」
「もう充分だから、それじゃ出かけてくるから。帰ってくるまでに懐中時計完成してよねー」
「わかったよ、出来るだけ間に合わせるように努力はするから」
「頼むからね」
図書館から出て言ってグレンと合流した
「グレンの方も準備は終わったの?」
「ああ、俺の方は新しい武器を買ってきたところだ」
そう言って背中の大剣を取り出して、ハルトに見せる
「斧じゃなくて剣なんだ…」
「重い武器ならなんでも得意だからな。それに、剣も斧も俺にとっては大差ないからな」
「器用だなー…」
「お前の方も魔導書は準備できたのか?」
「ちゃんとできたよ。いつでも行けるけど、出発する?」
「そうだな」
町から出て討伐対象の魔物がいる場所へ向かった
歩いてから数十分、草木があまり生えてない平原を歩き続けるが目的地にはまだ辿り着いていなかった
歩いている途中で魔物を何度か見かけたが、どれも襲ってこなかったので特に警戒せず進んでいく。
しかし、しばらく進んでいたら四足の魔物の群れがこちらの方に向かってきた
「なんかあの魔物こっちに向かってきてるけどー…」
「…来るぞ!構えろ!!」
グレンの指示に従って武器を構える
ポケットにしまっていたギャスパーが自分から飛び出し、大きくなる
「俺もやるぜ!」
魔物の群れはハルト達へ飛び掛かり、前足の爪で襲いかかる
「遅い!」
ハルトは足輪の力を使って素早く横に移動して回り込んだ
そこから魔導書を取り出し、魔法を発動する
「ストーンライズ!」
地面から岩が突き出て魔物に刺さった。魔物はそのままふっとばされて倒れる
グレンの方では大剣で攻撃を受け止めた後に、そのまま反撃して倒していった
ギャスパーは、魔物よりも大きくなった後に噛みついてそのまま飲み込んでいった
「…やっぱり、見ていて気分悪くなる」
ギャスパーの戦い方を見てげんなりしているところへ、グレンがハルトへ注意する
「ハルト!まだ魔物はいるぞ!!」
グレンに注意されてハッとなる。そして自分に噛みつこうとしているのに気付いたが、爪で右肩を引っ掻かれる。
「大丈夫か!?」
「…だ、大丈夫」
血が流れ出ている肩を押さえているハルトを見て、グレンが急いで魔法を発動する
「ヒール!」
グレンの魔法によって方の傷がふさがり痛みは収まった
そこから剣を切りつけて、体勢を崩したところでギャスパーの方に蹴り飛ばす
蹴り飛ばされた魔物をギャスパーが口で受け止めてそのまま何度も噛んでいった
「危ない所だった…。助かったよ、グレン」
「無事でよかったが、よくあんな連携ができたな…」
「ギャスパーの方へ飛ばしたらやってくれるかなーって思って…」
「いきなり飛ばしてきたからびっくりしたが何とか受け止めれたからよかったけれど、それよりも俺はグレンが回復魔法を使ったことが意外だったぞ」
「あー、確かに。グレンって魔法使わない雰囲気あったなー。そういう大きい武器持ってると回復を使うって思わないし」
「回復魔法は怪我をしたときにつかえておくと便利だからな。もし、この先も敵の攻撃を受けてけがをしたときは俺に任せてくれ」
「わかった。お願いするよ」
再び目的地へ目指して先へ進んだ
そして、荒原へたどり着いた
ところどころに岩があって、足元に短く枯れた草が生えていた
そして、曇ってはいるが雨は降っていないのに雷の音が何度も起きていた
「…ここに話してた魔物が?」
「ああ、強力な奴だから気を付けておけ」
ギャスパーが突然別の方を向いて何かに気付く
「なぁ、あそこに見えるのこの前お宝横取りしようとしたやつじゃねぇか?」
ギャスパーの向いている方を見て見ると、確かに少し離れたところにハルト達が手に入れた宝を奪おうとした狼獣人がいた
「こんな所に居るなんて、ここでも宝探しでもしようとしてたのか?」
「それかもまた誰かから奪おうとしてたりして」
こちらの視線に気づいたようで、狼獣人が走って近づいてきた
「お前らはこの前の!あの時の仕返しここでさせてもらおうか!!」
そう言って短剣を抜いて構えた
「あの時もいきなり武器構えて奪おうとしたあんたが悪いでしょうが」
「うっせぇ!宝渡すとか言ってだました恨みここで晴らさせてもらう!」
「仕方ないがやるか…」
グレンも大剣を構えた
「そうみたいだなー…」
ハルトも剣を抜く
「また噛んでやるから来な!」
ギャスパーが牙を見せながら前に出る
「箱がしゃべったー!?」
それを見た狼獣人が大声を上げて驚く
「あー、そういえばあの時はまだ知らなかったか。それにしても、ギャスパーがしゃべっただけで驚くから面白いよね」
「俺たちも一度は驚いたがな…」
「ど、どうなってんのかわかんねーけど覚悟しろ!」
ハルトへ短剣を切りつけようと接近し、そして振り下ろす
それをハルトがバク転をして回避をする。
そこからグレンが横から体験を振り回して攻撃する
狼獣人は吹っ飛ばされて倒れるが、すぐに起き上がる
すぐに反撃しようとするが、今度はギャスパーに噛みつかれた
急いで振りほどいて、次の手を打とうとするがその前にはるっとが魔法を放った
「喰らえ!グランドフィスト!!」
腕の形をした巨大な岩が上から現れて、拳の部分が下になって落下する
「…三対一だからやる前から結果が見えていたが、やはりこうなるか…」
狼獣人がやられていく姿を見てグレンがため息をつく
「…まだ、終わってねぇぞ!」
それでもあきらめずに戦おうとする狼獣人
「いい加減諦めてほしいんだけど…」
ハルトの声を無視して、斬りかかろうとする。
ハルトは足輪の力を使って攻撃を回避してそのまま回り込んだ。そこから魔法をもう一度放つ
「グランドフィスト!うおおおおおおおお!これで、とどめ!!」
グランドフィストを連続で発動して、岩の拳のラッシュを叩き込んでいく
そして最後の一撃で大きく吹き飛ばした
狼獣人は地面に大きな音を立ててそのまま動かなくなった
「これで終わり、かな…魔導書が魔力切れになったしもう勘弁してほしいけど」
白紙になった魔導書をひらひらさせながらつぶやく
グレンが近づいて様子を見る
「気絶してるだけみたいだな。とはいえ、あんなに攻撃をしたんだ。怪我がひどいから体の傷を治してやらないとな…。」
グレンがヒールで気絶した獣人の傷をある程度治す
「俺たちはこのまま、魔物を探すとするか」
「ああ、そうだね。」
ハルト達は気絶した獣人を後にして荒原の中にいる魔物を探しに行った